市・町の制度

【報告】 神戸市/障害者計画策定に向けての取り組み

【報告】 神戸市/障害者計画策定に向けての取り組み

障問連事務局

 

兵庫県では「障害福祉審議会」において次期障害者計画の検討が行われていますが、神戸市では「障害者施策推進協議会」で検討が行われ、障問連も委員として参加し積極的な提言を行っています。

しかし、さる6月30日に開催された同協議会では各種団体委員から入所施設増の要望等が多く出され、また厚労省/社保審・障害者部会で昨年検討され示された方向性にある「地域の多機能型拠点施設」が当局から説明された所、次々に期待の声が出された。しかし、本来国が示しているのは、「地域生活推進」のためのものであるが、入所施設を補完するものとしての意見が多く、改めて危機感を感じました。

障問連として、この間、ガイドライン問題(支給量審査基準)について交渉する度に紛糾、課題整理のため7月25日には少人数で折衝を行いましたが「意見を聞きおく」態度に終始し難航しほぼ決裂状態。直接交渉だけでなく同協議会での意見表明を明確にするため、改めて意見書をまとめ、下記報告にある8/4ヒアリングの場で意見書を提出しました。報告文の後に紹介します。同協議会は、次回9月6日に開催されます。

 

~報告:8月4日、神戸市から障問連へのヒアリングが行われました~

野橋順子(NPO法人生活支援研究会)

8月4日、神戸市障害福祉課からヒアリングを受けました。

第4期障害福祉計画の策定のため、神戸市内の障害者団体、8団体からヒアリングが行われ、障問連も対象になり、神戸市総合福祉センターにおいて行われました。

 

〈障問連からの意見〉

Aさん「一人暮らしを目指している市営住宅の車椅子住宅に応募しているが、なかなか当選しない。市営住宅の追加募集も含めて、いつどういう風に神戸市が広報しているかの情報が欲しい。」神戸市からの回答。「広報神戸を見て確認するか、住宅局に聞くなど色々と確認して欲しい。」

Bさん「重度訪問介護で自分の必要なヘルパー時間数を出ない人がいる。もっと必要に応じて神戸市は時間数を出すべきだと思う。」

Cさん「精神障害を持っていて、両親と同居している。将来、親がいなくなったらヘルパーが必要になる。一人で何でも出来るように思われるが、精神症状によって、支援が必要な時がある。それに対応出来る制度を考えて欲しい。」

Dさん「神戸市のガイドラインが、最重度の障害者でも279時間しか出せないと神戸市は言っている。時間数をいくら市に訴えても深夜の介護は巡回ヘルパーをすすめられる。トイレも、おむつをして我慢しろ等、ひどい状態になっていると思う。人権問題とも関わるので考えて欲しい。知的障害者のガイドヘルプ時間が32時間。自立したくてもグループホームをすすめられる。ガイドの時間も少ないし、グループホームの数も少ないし、どちらも苦しい状況にある。知的障害者の自立も、時間の上限で苦しんでいる人が多いし、考えて欲しい。障害者の日中に通う場所も、生活介護の事業所も北区等に多く、東灘などに少ない。もっと通いやすい場所に作って欲しい。」

Eさん「僕は巡回事業所を使った事があるけど、途中で起きないといけないから、しんどい。人が少ないし、女性が多いから、しんどい。ずっと介護者がいた方が安心する。そこを考慮して欲しい。」

Fさん「重度訪問介護、訪問看護、同時に制度が使えない。他都市では認められているのに、おかしい。そもそも重訪と訪看はする事が違う。同行援護の時間数が32時間で圧倒的に少ない。同行援護の派遣が出来る事業所の数が減っている。介護を頼んでも断られる。非常に困っているので何とかして欲しい。」

Gさん「今回の計画の中で、出来るだけグループホームの数、ガイドヘルプの数、きちんとした数値目標が必要だと思う。施設には入れたくないが、今の状況では施設しかないという声がたくさんある。その状況をどう考えて行くかを検討して欲しい。」

Hさん「入院時コミュニケーション支援について。2年前に実際に入院して、看護師さんとか医者に自分の言葉が通じなくて困った。介護者を24時間、付けざるを得なくて、入院時コミュニケーションの時間数では足りなくて自己負担額が多くなり、非常に困った。時間数を増やすように検討して欲しい。」

Iさん「精神障害者の病棟転換型問題に対して、本当にそれが地域移行とは思えない。病院側の儲けしか考えていないように思われる。早急に精神障害の自立に関しては病棟外に出れるように考えて欲しい。」

Jさん「神戸市の数値表記は、区別の表記になっていない。生活介護やグループホーム等の数が、郊外と都市部で数値がだいぶ違うと思うので、はっきり明記して欲しい。」

 

続けて、神戸市障害福祉課から障問連への質問に対し、以下のように回答しました。

質問1 ショ-トステイの希望者は多いのに、実際に使っている障害者の数が少ない。なぜだと思う?
障問連⇒多分 場所が不便なところにあり、行きにくい。もっと都会にあれば利用は上がると思う。実際利用したいという声もある。でもそこまで行くのも制度が使えないし、実際利用となると不便なんだと思う。
質問2 相談支援事業の実態についてはどう思う?
障問連⇒相談支援事業者の数が少ない。灘区でも2箇所しかない。その中で丁寧に障害者の一人一人のニーズを聞き取れてると思えない。増やす必要性があると思う。相談支援事業者が行う計画相談について、障害者の数だけを目標にするのではなく、事業者数も目標数値を入れるべきではないか。

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