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【神戸市グループホーム問題】県、国に特区申請・市議会要請報告・市パブコメ

【神戸市グループホーム問題】県、国に特区申請・市議会要請報告・市パブコメ

障問連事務局

前号速報でお伝えしたとおり、兵庫県がこの件で国に構造改革特区申請を行った。またこの間、事務局は市議会要請を行い、周知徹底を図った。

神戸市はこの問題に関するパブリックコメントとそれに対する回答をホームページに掲載したが、市は従前の立場を崩していない。引き続き、市の動向を追う必要がある。

○国土交通省(構造改革特区第25次提案 検討要請)

空き家活用のための建築基準法の緩和(兵庫県からの申請)

空き家の活用及びグループホーム(「障害者グループホーム」及び「認知症グループホーム」)の整備促進のため、一戸建ての住宅を戸建型グループホームに用途変更する場合、規模や火災対策などの一定の要件を満たす戸建型グループホームについては、建築基準法において当該建築物の用途を「一戸建ての住宅」として法を適用すること。

(一戸建ての住宅とみなす一定の要件の例)

・規模:階数2以下、かつ延べ面積300㎡以内。

・火災対策:①火を使用する設備・器具は設けない。

②壁及び天井の室内に面する内装の仕上げを準不燃材料とする。

③地上に通ずる通路に非常用の照明装置を設置する。

(提案理由)

・年々増加する空き家の活用が全国的に大きな課題となっており、本県においても重要課題として捉え、県と市町等で構成する協議会で検討会を立ち上げ、262月に「空き家対策ガイドライン」をとりまとめるなど重点的に取り組んでいる。

・そのような中、空き家を戸建型グループホームに有効活用するため、戸建て住

宅から寄宿舎への用途変更が検討される事例(相談)が増加している。その場合、建築基準法上の「寄宿舎」の用途の規定に適合させるための廊下や階段等の改造が困難なことや、多額な費用が必要になることなどから、用途変更が断念される現状にあり、障害者団体からも、グループホームの整備促進の観点から法の柔軟な運用を求められている。

・このため、規模や火災対策などの一定の要件を満たし、「寄宿舎」と同等の避難性能を確保できると考えられる戸建型グループホームについては、建築基準法上の「一戸建ての住宅」の用途の基準を適用することにより、空き家を活用したグループホームの設置促進を図りたい。


○神戸市議会に要請

5/14に神戸市議会公明党議員団、5/22には神戸市議会民主党議員団ならびに日本共産党議員団に今回の神戸市当局が提案する条例に関し、拙速な条例制定をせず、グループホームは「寄宿舎」でなく「家」である事、また国の動向や県の特区申請、愛知県・福島県・鳥取県などの他府県の取り組みも含め説明した。


○神戸市パブリックコメントと市の回答(市ホームページより)

・「神戸市建築物の安全性の確保等に関する条例の一部改正(案)」に対する市民意見の概要及び意見に対する本市の考え方(抜粋)

http://www.city.kobe.lg.jp/information/public/comment/urban/1405_anzenkaisei_kekka.pdf


寄宿舎とは、家族以外のさまざまな方が同じ建物に居住し、1箇所又は数箇所に設けられた食堂、台所、トイレ等を共同で利用しているものですが、グループホームは寄宿舎と同じ利用形態であることから、神戸市では建築基準法上の用途を寄宿舎と判断しております。

なお、福島県や鳥取県、愛知県の事例は把握していますが、全国的には、特定行政庁や指定確認検査機関の全国組織である日本建築行政会議により、“戸建型グループホームは、既存の戸建て住宅を転用する場合を含め、寄宿舎として取り扱う。”と統一的な解釈が示されています。したがって、既存の戸建て住宅を転用してグループホームとする場合には、条例の規定だけではなく、建築基準法の規定である防火上主要な間仕切壁の設置等が必要となります。

さらに、グループホームの利用者の生命等をまもることが最優先課題と考えていることから、グループホームを寄宿舎ではなく、防火・避難に係る規制が緩い戸建て住宅として扱うことは適切ではないと考えています。

廊下幅や階段幅の規定は、既存の戸建て住宅を転用する場合、柱の位置を変更する必要が生じるケースが多く、実質上改修が困難でした。今回の改正により、廊下幅や階段幅の規定によりグループホームの整備を断念する事例は少なくなるものと考えています。

小規模なグループホームの用途の判断ですが、全国的には、特定行政庁や指定確認検査機関の全国組織である日本建築行政会議により、“戸建型グループホームは、既存の戸建て住宅を転用する場合を含め、寄宿舎として取り扱う。”と統一的な解釈を示されていること、さらに、グループホームの利用者の生命等をまもることが最優先課題と考えていることから、神戸市では小規模なものを含め、グループホームを寄宿舎と判断すべきと考えています。


・パブリックコメントへの神戸市の回答を受けて

このように神戸市は、日本建築行政会議の統一的解釈であるという「戸建型グループホームは、既存の戸建て住宅を転用する場合を含め、寄宿舎として取り扱う」の一点張りで進めようとしており、「小規模で一般住宅利用、あたりまえの生活の場を地域にたくさん作ろう、そんな当事者・家族の思いが無視され、安全・安心を第一にしたミニ施設を大金を賭けて作るしかない状況に追い込まれてしまった」「大規模なグループホームは一定、大規模な安全施設は必要だと考えるが、一般住宅の規模である小規模グループホームは、まさに建築物としては住宅であり、実情も住宅運用されている」といったパブリックコメントに対する誠実な回答とは言えない。

ここで見られる市の姿勢とは、利用者の生命と、当たり前に地域に住みたい当事者の思いとを天秤にかけながら、前者のほうがさも大事なように見せかけるようなものである。利用者の生命と当事者の思いとは、どちらも大切で天秤になどかけられないはずだ。パブリックコメントでは、生命はどうでもよい、思いのほうが大事だなどとは言っておらず、こうした対立を作って市はあたかも自分自身の正当性を繕おうとしているだけではないのか。引き続き障問連では神戸市グループホーム問題を注視していきたい。

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