教育

2月25日(月) 兵庫県教育委員会に要望書を提出

2月24日「教育集会」の翌日、2月25日(月)に兵庫県教育委員会に話し合いの場を設けるよう求める要望書を提出しました。

 

2013年2月25日

兵庫県教育委員会

大西  孝様

障害者問題を考える兵庫県連絡会議

代表  福永年久

 

私たち「障害者問題を考える兵庫県連絡会議」(以下、障問連)は、結成以来、地域校区の学校で障害児も健常児も共に学ぶ教育を求め続け、県下各地の就学相談、就学問題に関する各市町教委との話し合い、高校入学の支援等に取組んできました。

国における障害者制度改革は、何よりその基調として国連・障害者権利条約の理念、すなわち障害のある人もない人も平等な権利が保障される社会の実現、そして2011年の改正障害者基本法でも「地域での共生社会」が明確に謳われ、教育においても、同じ場で共に学ぶインクルーシブ教育の実現が求められています。

しかし、兵庫県においては特別支援学校ならびに入学者が増加し、共に生きる教育どころか分離教育が推進され、国の制度改革の流れとは逆行する状況にあります。とりわけ私たち多くの県民の反対にも関らず強行された定時制高校の募集停止により、ますます障害児の「共に学べる」後期中等教育保障が後退していき、また義務制教育においても積極的なインクルーシブ教育実現に向けた施策を貴局は講じられようとしません。教育は人間の成長過程で極めて重要です。その教育で障害者と健常者が分け隔てられる事により、相互理解が図られず、差別や偏見、バリアーの要因となり、障害児も本来の意味での一般社会で生きる力が阻害されていくのです。社会でのインクルージョンの流れが加速する中、インクルーシブ教育の実現はより一層求められます。

以上を踏まえ、障問連と貴局は長年にわたり県知事部局を通じた対話集会の中で話し合いを行ってきましたが、昨年11月26日対話集会にて口頭で申し入れたように、今年度から別途貴局との話し合いを改めて要望するものであり、以下の要望に関する貴局と障問連との話し合いの場を設けられるよう要望するものです。

 

【今後の兵庫県特別支援教育推進計画】

①    平成24年度からの兵庫県特別支援教育推進計画策定に当たっての進捗状況を報告されたい。

②    文部科学省として学校教育施行令第5条(および22条の3)は障害者権利条約に抵触するものであり見直しが進められている。このような大きな変革期における同計画の策定に当たり、幅広い障害者・障害児の保護者など県民・教育関係者・障害者団体からの意見聴取は必要です。私たち障問連も対象とした意見聴取の場を設けて下さい。

 

【義務制教育におけるインクルーシブ教育実現に向けた条件整備】

①    車椅子等の移動に障害を有する障害生徒が地域の通常学校で学ぶ際、通学保障の課題、校外活動等において保護者の付き添いの強要等の問題があります。貴局として各市町教委とどのように協力され実施されているのか、具体的に回答されたい。

②    難聴児等、聴覚障害を有する生徒が地域の通常学級で学ぶ際、授業等の情報保障はどのように講じられているのか、具体的に回答されたい。貴局と各市町教委との責任の分担(例えば保障費用の負担等)についても併せて回答されたい。ボランティアや保護者に責任が負わされていると聞く。公的な場での情報保障は当然なされるべきである。

③    視覚障害を有する生徒が地域校区の通常学級で学ぶ際、教科書の点字訳等の情報保障はどのように講じられているのか、具体的に回答されたい。貴局と各市町教委との責任の分担(例えば保障費用の負担等)についても併せて回答されたい。

④    医療的ケアが必要な生徒が地域校区の通常学級で学ぶ場合、学校生活の中での医療的ケアについて保護者の負担が無いよう、どのような施策を各市町教委と協議して実施されているのか、具体的に回答されたい。大阪府では府教委が看護士配置のための費用を一定負担することで、医療的ケアを必要とする生徒の通常学校での就学が積極的に推進されている。医療的ケアの2012年4月からの法制化も踏まえ、兵庫県でもどのように推進されるのか回答されたい。

⑤    県内のある市町では、障害児の学童保育所への通所が大きな課題となっている。地域によれば学校から離れた場所での児童館等で学童保育が実施されており、自力で行けない障害生徒の問題は保護者の生活上にも大きく影響する。貴局の見解ならびに各市町教委にどのように指導されているのか回答されたい。

⑥     特別支援教育支援員が各市町でどのような基準で配置され、どのように活用されているのか、実施状況ならびに貴局がどのように各市町教委に対して指導されているのか回答されたい。

 

 

【後期中等教育保障】

①    2012年3月に募集停止された県立川西高校、同宝塚良元校は、現在地に阪神昆陽高校の分教室として現在存在しているが、障害生徒が通学するに当たり小規模でも地域に存在する事は今後とも必要であり、3年を期限とせず今後とも存続するよう強く求めるものである。

②    知的障害生徒も含めた障害生徒の公立高校受験に際しての特別措置について、問題文の代読等の介護者付き受験に関して貴局の回答を述べられたい。

③    知的障害生徒が後期中等教育においても共に学ぶ教育をどう実現されるのか、長期的なビジョンも含め、回答されたい。障問連として長年にわたり大阪府での取り組みも含め紹介し、以前には貴局も「研究課題です」と回答されていた。現時点での考え方も併せ回答されたい。

④    県内のある市町において、特別支援学級在籍生徒が兵庫県公立高等学校を受験したいと担任に申し出たところ、「特別支援学級に在籍していては内申が書けない、通常学級に転籍しなければ受験できない」と言われたと聞きます。明らかに誤った対応であり、この点に関する貴局の見解を回答されると共に、こういった事例が無いよう各市町教委に指導されたい。

⑤    上記【義務制教育におけるインクルーシブ教育実現に向けた条件整備】での①~④について、公立高等学校ではどのように教育保障・施策が講じられるのか回答されたい。

⑥    公立高等学校における特別支援教育支援員はどのような障害生徒に配置され、どのような教育活動において実施されるのか、具体的に回答されたい。

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