国/県の制度

障害者差別禁止、条例へ 嘉田知事が表明

京都新聞 10月4日(木)23時9分配信

 

滋賀県の嘉田由紀子知事は4日、障害者の差別を禁止する条例を制定する意向を表明した。障害者だけでなく、だれもが暮らしやすい滋賀県のまちづくりにつなげる。2013年度当初予算案に調査・研究費を盛り込むとしている。
同日、大津市の県庁を訪れた県身体障害者福祉協会と県手をつなぐ育成会、県精神障害者家族会連合会の3団体に明らかにした。
今年6月に障害者総合支援法が成立するなど障害者をめぐる制度改革が進む中、障害者が地域で自立した生活を送る環境整備の一環として早期の条例制定を目指す。都道府県レベルで同様の条例を制定しているのは全国的にもまだ少なく、滋賀の福祉先進県としての理念を全国に発信する。
嘉田知事は「差別はたいへん根深い。なぜ差別するのかを究明するため、まずはしっかりと調査・研究する必要がある。できるだけ速やかに県として動きたい」と答えた。
条例を、差別をなくすための政策の基礎に位置づけ、暮らしや雇用、教育など幅広い分野で障害者との共生を進めるための規定を設けるという。嘉田知事は、知的障害者施設「近江学園」を創設し「障害者福祉の父」と呼ばれた故糸賀一雄氏らの考え方などを参考にするほか、障害者団体の声も聞いて準備を進めることも説明した。

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