【障問連事務局通信】
障問連事務局
■新型コロナウィルスの感染拡大について
〇緊急事態宣言/蔓延防止措置が解除
・9/28夜、菅首相が記者会見し、9/30期限で宣言や措置が解除されました。
・兵庫県の感染状況は、8月31日に県1024人、神戸市377人であったのが、9月半ばから減少し、9月27日には県78人、神戸市13人。9月26日の県の病床使用率は34.4%(重症30.2%)、宿泊施設18.3%、 自宅療養者867人となっています。
・治療薬も進み、「抗体カクテル療法」について、西宮市では医師会が協力し、保健所の負担軽減と重症化予防を目的に、保健所を介さず、診療所と病院が連携して接種できるような施策が進められています。
〇精神科病院での感染状況(毎日新聞9月16日)
日本精神神経学会(日精協)は9月15日、精神科病院に入院中に新型コロナウィルス感染が確認され、転院を要請してもできずに死亡した患者が235人に上ったとの調査結果を公表した。精神科病院では感染症治療に限界がある一方、転院しにくいとして「極めて由々しき事態」としている。日精協は転院できなかった理由について、国内の病床逼迫という全体的な要因か、精神科病院特有の要因かの特定は困難としている。一方で「日常から精神症状を理由に受け入れてもらえないこともあり、その延長線上ということも考えられる」と指摘した。調査は8月下旬、会員1185の民間病院に実施。回答の得られた711病院のうち4割を超える310病院で陽性者が出ていた。陽性者数は入院患者3602人、病院職員1489人の計5091人となった。
■様々な動向
〇重度障害者の就労支援
「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」は、2021年度から国が1/2を担保する「地域生活支援促進事業」に位置づけられ、市町村でこの事業を実施する可能性が大きく前進しました。
細井さん「情報提供」によると全国で実施市町は以下です。
・現在確認されているのは、さいたま市、京都市、四日市市、香川県観音寺市。
・京都市は、重度訪問介護支給決定者:120時間、同行援護・行動援護: 80時間
兵庫県内でも、以下の報道がありました。神戸市も今年度内の制度開始の予定。
★9月9日毎日新聞・・・・・「重度障害者へ就労支援 ~伊丹市 通勤などサポート」
「伊丹市は重度障害者の就労を支援するため、通勤や就労で重度訪問介護・同行援護・行動援護と同等の支援を始める。県内では他に神戸市が今年度内の支援開始を目指している。市によると重度訪問介護などの支援は就労では利用できない。そこで民間企業に雇用される重度障害者には、企業に支給される障害者介助等助成金などを活用しても不十分な部分を支援する。自営業で働く人には、通勤や職場で必要な支援をする。姿勢の維持や調整や見守りなどのサポートを想定している。
対象となるのは、重度訪問介護・同行援護・行動援護の支給決定を受け、1年以上市内に在住し、民間企業に雇用され、1週間の所定労働時間が10時間以上・・・などの要件がある。国の補助を受け今年度の費用は121万2000円を見込む。利用者は1割自己負担する。
■国の制度動向
来年の障害者総合支援法の3年後見直しらついて、別項でグループホームの問題を緊急にお伝えしましたが、それ以外の課題についても検討が行われています。「全国自立生活センター協議会」の「JIL政策委員会ニュース 9月30日」から、要約抜粋して紹介します。
〇重度訪問介護の入院時の利用
「現在区分6のみに限定されている対象者を拡大していく必要がある」。
〇高齢障害者問題~介護保険との併給の課題
・「自治体によって対応がまちまちである」
・「介護保険では対応できない例など介護保険優先を強要される問題」
・「介護保険優先でなく、選択できるようにすべき」
〇今後と課題
「118回(9月16日開催)からは個別論点の2回目の議論となり、厚労省からより具体的な見直しの方向性が提案され、委員がその点について意見を出していく流れとなっています。今回は就労系サービスと精神障害者支援が議題となり、就労支援では多様なニーズへの対応や加齢による一般就労から福祉的就労への移行のため、企業等で一般就労として雇用されている間に就労継続支援を条件付で利用可能とする案や就労アセスメントの制度化、就労継続支援A型事業の見直し等の方向性が出されました。精神障害者支援の分野では「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」を構築するため新たな検討会を立ち上げ、さらに議論を進めていくことが提案されています。
今後10月から11月にかけ個別論点の2回目の議論が行われ、それぞれの回で厚労省が見直しの大枠を示して行くこととなります。相談支援や居住支援、上記の65歳問題や入院中の重訪利用など地域生活に係わる注目論点についても見直しの方向性がどのように出されるか、またそれを受けての各委員がどのような意見を出し、年末までに取りまとめられる報告書にどのように盛り込まれていくか注視していきましょう」。
■障問連の活動
〇介護保障関係
・以前にも紹介した「3/31厚労省Q&A」にある、夜間・深夜時間帯の「手待ち時間問題」についての検討を行っています。大阪では「細井さん情報提供」によると・・・「Q&Aを踏まえた、支給決定の見直しについては、大阪市で取り組みが続けられています。(まだ、結論が出ていません。)各市町村でも、必要な支給決定時間数を求めていきましょう!」とされています。
しかし、神戸市ではすでに個別の更新時の際に、このQ&Aを引用し時間数の増を個別に要望していますが、神戸市はとんでもない見解を示しています。近日中に神戸市と別途、話し合う予定です。
・「理由付記」裁判で県の裁決が取り消され、それを踏まえての県不服審査会の審議は続いています。Aさんが口頭陳述してから半年以上になり、兵庫県の不服審査部会の在り方が問われます。
〇その他
・来春、高校受験の保護者との相談を継続しています。通学支援については西宮市での取り組みが継続。
・オンラインも活用しバリアフリー部会の会議も行っています。
・神戸市へのオールラウンド要望書案を現在、作成中です。10月拡大事務局会議で最終確認です。今年度は神戸市も対面での交渉を行うことになりました。但し障害関係部局のみの出席になるため、文書回答が多くなります。文書での回答を受け、回答を踏まえた個別の要望を行っていきたいと思います。
・兵庫県とのオールラウンド交渉は開催の方向ですが、開催形態については10月以降、県と折衝の予定です。
・障問連の今年度の活動も残り3か月になりました。事務局で議論を始めています。
10月 1, 2021