【巻頭】 旧優生保護法 神戸地裁で結審、8/3判決まで運動を広げていきたい
凪裕之(障問連事務局次長)
3月25日、旧優生保護法下で強制不妊手術に対する神戸地裁での国賠訴訟が結審されました。傍聴は抽選で外れる人も多く、報告集会はオンラインとあわせ200人ほどの参加で会場もあふれんばかりでした。報告集会では、原告から世間や身内から酷い言動を受けてきた経験を切々と話され、優生思想の根深さを改めて感じました。親たちの判断で不妊手術を強いられ、子どもができる楽しみを一生奪われ、世間からは「近寄ったらうつる」とか「悪いことをしたらあんな障害者になる」と言われた経験、しかし社会はそう簡単には変わりません。弁護団が今回裁判所に400頁に及ぶ書面を提出し、優生保護法自体の背景や過ち、間違った法律がなくなってからも国は何の補償も教育もなさず黙って消しさろうとする、20年の除斥期間は適応することは許されないと強く指摘されました。
8月3日に判決を迎えます。全国各地で厳しい判決が続き、まだまだこれからが勝負だ、国の過ちを認めた判決を裁判官に強く求めるよう署名活動を続けていくことが強く訴えられました。ぜひご協力をお願いします。
教育では沖縄の重度の知的障害者の仲村伊織さんが4年前から7回目の高校受験で合格。特別支援学校に籍を置きながらの制限はあるものの、本人や家族の喜びは大きかったと聞きます。また大阪府では市町村立の小中学校の通学支援を半額補助する制度が作られます。一方で岡山県では小学校に医療的ケアが必要な子が親の付き添いを強制しているなどの問題が起こっており、現在、抗議活動が広がっています。それでは兵庫県や神戸市はどうか、インクルーシブを「交流および共同学習」をインクルーシブだとし、特別支援学校が増設され続けています。
コロナ禍の中で一年余り、色んな不安や課題が出てきていると思います。以前から置き去りにされてきた障害者の問題とつながっているものもたくさん出てきています。
4月3日の障害者春闘では「差別解消法の見直し」がテーマです。本当に私たち自身の生活につながっているのか、つながっていないとすればどうすればいいのか、これからも皆さんとともに考え、取り組んでいきたいと思います。
4月 3, 2021