国/県の制度 オールラウンド交渉

【報告】 兵庫県とのオールラウンド交渉報告

障問連事務局

新型コロナウィルス感染拡大により開催自体が危ぶまれましたが、人数制限、時間短縮など感染予防に留意し11月19日午後2時から2時間、県中央労働センター小ホールにおいて兵庫県との意見交換会が開催されました。時間的制約があり要望の多くが文書回答になりましたが、以下、県の回答を中心に報告します。

 

【1. 新型コロナウィルスに係る意見、要望】

【マスク、消毒液等の感染予防の備品について】 (回答:ユニバーサル推進課)

○県内の障害者支援施設等を対象に、概ね2ヶ月分のマスク・アルコール消毒液を備蓄用として10月中旬に配布したとともに、県においても2ヶ月分のマスク・アルコール消毒液を備蓄する予定である。その他、法人からの寄付分、県での購入分、国供給分の衛生物品についても、備蓄や市町を通じて事業所等に供給している。なお、備蓄の一部を各市町等に分配して保管するなど、市町等とも連携を図りながら臨機応変に対応できるよう、体制整備を進めていく。

 

【障害者が感染した場合の対応 入院できる病院/入院中の意思疎通支援】(回答:いのち対策室)

〇精神障害者で新型コロナウイルス陽性となった方については、コロナ軽症で自傷他害等のおそれのある精神疾患の場合は県立ひょうごこころの医療センターで対応し、コロナ重症の場合は尼崎総合医療センターで入院する等、対応を定めている。知的障害者等で介護が必要な方については、個別に障害特性に応じた受入病院を調整するとともに、濃厚接触者についても付き添い入院の必要性等を確認することとしている。

 

〇入院時の意思疎通支援事業等の地域生活支援事業については、厚生労働省事務連絡を踏まえ、地域の感染状況や他の障害福祉サービス等の提供体制、利用者の生活状況等を踏まえ、地域の実情に応じ 、柔軟なサービス提供に努めるよう市町に対し周知している。

 

【障害者が感染した場合の対応 入院中の介護】 (回答:いのちの対策室)

〇新型コロナウイルス陽性となった方については、個別に障害特性に応じた受入病院を調整することとしており、入院時対応については感染症等対策室等の衛生部門とも密に連携を図っている。

 

【障害者が感染した場合の対応 グループホーム/入院できない障害特性】(回答:いのち対策室)

〇「障害者支援施設における新型コロナウイルス感染症発生時の具体的な対応について(令和2年5月4日付け厚生労働省事務連絡)」において、入院しない場合が想定されているが、兵庫県では、新型コロナウイルス陽性となった方についてはまずは入院となる。衛生部門と連携して個別に障害特性に応じた受入病院を調整することとしている。

 

【障害者が感染した場合の対応  防護服】  (回答:障害福祉課)

〇衛生物資については、かねてより各施設等に備蓄をお願いしている状況であり、また、緊急包括支援事業により感染症対策に係る経費を補助している。また、県所管の障害者支援施設等で集団感染等が発生した場合、自施設等での備蓄分等で対応が困難な場合は速やかに衛生物資を供給できるよう、関係団体等と調整を行っている。

〇障害者が感染した場合は、まずは入院となる。入院時の支援が必要なケースについては、衛生部門とも連携して、防護服等も含め必要な感染症対策が行えるよう調整していく。

 

【就労系事業所の支援について  工賃の補填】  (回答:ユニバーサル推進課)

〇県が指定する就労継続支援B型事業所利用者の工賃支援については、今年4月~9月分について、昨年度に比して減収した事業所に対し、減収分を支援しているところである。また、近畿府県と共同で、新型コロナウイルス感染拡大の影響による工賃減少分を助成する支援制度の創設を令和2年9月に国に要望している。また、市が設置する地域活動支援センター利用者への支援については、原則として、市町において検討いただきたいと考えている。

 

○イベント等の自粛に伴う販売機会の減少に対応するため、兵庫セルプセンターに各県民局単位で地域での販売会の開催を委託しており、早い地域では10月に販売会を開催した。引き続き、就労系事業所が参加する販売会の開催を支援していく。

 

【訪問系サービスの課題】  (回答:障害福祉課)

〇利用者や職員の感染発生時対応を含め、感染対策にかかる取組については国から順次通知やマニュアルが示されている。今後もこれら国通知や対応マニュアルの周知に努めていく。

 

【PCR検査の拡充】  (回答:感染症対策課)

〇県では、施設等において新型コロナウイルス感染症患者の発生や濃厚接触者が確認されるなど、クラスターの発生が懸念される場合には、感染拡大防止の観点から濃厚接触者でなくても幅広く関係者を対象として、弾力的に検査を実施しているところである。

 

【PCR検査の拡充  費用の補助】  (回答:感染症対策課)

〇県では、感染拡大の防止を図るため、感染が疑われる者や濃厚接触者等については、行政検査として公費負担で検査を実施している。市町においても、感染拡大や重症化を防止する観点から、一定の高齢者や基礎疾患を有する者のうち本人の希望により検査を行う仕組みについては、国の支援がある。

 

【PCR検査の拡充  どこで検査が受けられますか?】  (回答:感染症対策課)

〇施設等において、新型コロナウイルス感染症の感染が疑われる場合や、濃厚接触者が疑われる場合等は、所在地を管轄する健康福祉事務所、保健所が疫学調査を実施し、感染対策の指導とともに、必要な者に対して検査を実施していく。

〇施設内において、新型コロナウイルス感染症の感染が疑われる場合のほか、インフルエンザ等その他感染症の発生が認められる場合などは、市町の社会福祉主管部局への報告と併せて健康福祉事務所、保健所へ報告願いたい。(平成17年2月22日付け厚労省通知「社会福祉施設等における感染症等発生時に係る報告について」)

 

【知的障害者への分かりやすい説明  例:三密】  (回答:障害福祉課)

〇知的障害がある方向けに、新型コロナウイルス感染拡大の中でも元気に過ごしていただくためのポイントをわかりやすくまとめた資料作成の検討を進めていく。

 

【兵庫県の連携の仕組み  事業所で感染者が出た場合の連携】  (回答:障害福祉課)

〇感染発生時を想定した応援職員派遣についての事業所への協力依頼については、各市町を通じて呼びかけを行っており、現在、阪神・播磨地域を中心に多くの事業所に登録いただいているが、緊急時に必要な衛生資材の供給や職員派遣の条件等については、発生案件ごとに個別の調整が必要となっている。引き続き、各市町や施設協会とも連携して、必要な支援が行われるよう調整を図っていく。

 

【放課後デイサービスの課題  利用者の減】    (回答:障害福祉課)

〇障害児通所支援においては、令和2年6月30日付け厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課事務連絡の「(3)代替的な支援の取扱い」に記載があるとおり、新型コロナウイルス感染症を予防するための欠席希望の場合で、事業所が居宅への訪問、音声通話その他の方法で、児童の健康管理や相談支援などの可能な範囲で支援を行ったと市町が認める場合には、通常提供しているサービスと同等のサービスを提供しているものとして、報酬の対象とすることが可能とされている。

ただし、上記のような代替的支援を行った場合にも利用者負担が発生することから、保護者への十分な説明が必要であり、普段の通所ではできない、保護者や児童との個別のやりとりの実施など、個々の状況に応じた支援を行っていただきたい。

 

〇上記に関しては、国の令和2年度補正予算において、特別支援学校等の臨時休業等に伴う代替的支援に係る利用者負担について、市町が利用者に代わって事業所に支払った場合、当該費用の2分の1を補助する事業が計上されていることから、本制度をご活用いただきたいと考えている。

 

〇なお、新型コロナウイルス感染拡大防止のための利用自粛等により、減収が生じた障害福祉サービス事業所等について、本県の財政状況等を鑑みると県独自の助成は困難であり、持続化給付金や、独立行政法人福祉医療機構の無担保・無利子融資制度等のご活用もご検討いただきたい。

 

【2.ひょうご障害者福祉計画について】

【計画、パブコメ案の分かりやすい版の作成】   (回答:障害福祉課)

○現計画の「分かりやすい版」については、概要版として作成済であるが、必ずしも十分とは言えない部分もあることから、次期計画についても、「わかりやすい版」の策定について、検討していく。

 

【3.旧優生保護法に基く強制不妊手術について】

【強制不妊手術の知的障害のある被害者への対応について】  (回答:健康増進課)

○調査により氏名が判明した方について、所在確認を行い個別通知を行いました。

○既に説明を行った方についての内容は、プライバシーに関することでもあり、本人の了解も得られていないので回答できませんが、基本的な考え方としまして、①家族等にも知られたくない方もいらっしゃることを踏まえて、本人(後見人含む)に直接通知、②本人へ事前に電話したのち面談による説明、③その方にあわせた方法、内容、場所を検討し慎重に対応します。

○旧優生保護法に基づく優生手術について、県では、国からの機関委任事務として法律に基づき国の機関として実施してきたものです。

○優生手術については現在では不適切と考えています。

 

【旧優生保護法による強制不妊手術の一時金支給について】  (回答:健康増進課)

○これまで、①県ホームページ、②点字リーフレットの市町配布、③人権啓発冊子「きずな」への掲載、④障害者施設・障害福祉サービス事業所(約6千機関)等へ制度チラシの送付、⑤ケアマネ等関係職種へのリーフレット配布、等あらゆる場面で広報を行い周知を図ってきました。

○今後もショッピングセンター等、多くの人の目に触れる場所の協力を得る等、機会をとらえて引き続き周知を図って参ります。

○福祉施設における優生手術に関する個人記録の保有状況の調査を実施し未回答の施設へは電話連絡を行いました。また、記録が「ある」と回答があった施設に対しては、制度説明と申請に係る資料を送付しました。

 

【一時金支給の分かりやすい説明】  (回答:健康増進課)

○県ホームページにおいて、ふりがな表示や音声読み上げ機能の活用、「わかりやすい『旧優生保護法一時金リーフレット』の掲示を行っています。

○専用の相談・申請窓口を設置し専任の相談員(保健師)を配置しています。また、地域に出向いての出張相談にも対応しています。

○(一社)兵庫県知的障害者施設協会等関係団体や医療機関、福祉施設にもリーフレットの配布等、周知のご協力をお願いしています。

 

【出生前診断について/県の認識】  (回答:健康増進課)

○県として出生前診断を推進していることはありません。

○県では妊娠期から子育期にわたる切れ目ない支援が行われる体制整備に努めています。

【出生前診断について /県内の実施病院数等】  (回答:健康増進課)

○把握していません。

【出生前診断について/広報】  (回答:健康増進課)

○県では妊娠期から子育て期にわたる切れ目ない支援が行われる体制整備に努めています。

○医療と保健が連携した養育支援ネットにより、早期に医療機関から保護者の了解の上、保健部門へ情報をいただくことで、早期に必要な支援やサービスにつなぐことが可能です。

 

【4.障害者差別解消法に関わる課題/施設コンフリクト】  (回答:障害福祉課)

○グループホームの事業所指定にあたり、説明会における住民からの意見が県に寄せられる事例はあるが、開設後に地域住民との連携及び協力等を得ながら運営を行えるよう、事前に地域との関係構築に努めるよう事業者に促している。また、障害者差別解消法の内容については、今後も広く啓発していく。

○(県の解決責任)・・・兵庫県では平成28年4月の障害者差別解消法の施行に合わせて、兵庫県障害者差別解消推進要綱を制定し、施策を進めているところであるが、引き続き、障害者差別解消法について広く普及啓発に努めていく。

 

【5.街づくり・交通・バリアフリーに関わる課題】

【駅舎等のバリアフリー/進ちょく状況】   (回答:県土整備部 都市政策課)

○3,000人以上駅(整備済)・・・96.3%(R1末)→97.2%(R2末見込み)

※駅の利用者数に変動があるため現時点での見込み

 

【バス問題/ノンステップバスの導入率】  (回答:県土整備部 都市政策課)

○公営バス 85.7%(R1末)→85.7%(R2末見込み)

民営バス 58.8%(R1末)→59.1%(R2末見込み)

※対象車両数に変動があるため現時点での見込み

 

【駅舎等のバリアフリー/ホームドア等の設置状況】  (回答:県土整備部 都市政策課)

○県内ではJR(新神戸駅・六甲道駅・三宮駅・明石駅)、阪急神戸三宮、神戸市営地下鉄三宮駅及び神戸新交通のポートライナーと六甲ライナーの各駅の計23駅でホームドア等が設置されている。

○現在、JRは4駅(三宮、明石、西明石、神戸)、阪急、阪神もそれぞれ1駅(神戸三宮)の計6駅が着手している。来年度以降10万人以上の整備の必要性が高い駅について優先して支援する見込みである。

 

【学校におけるバリアフリー/高校と大学】  (回答: 教育委員会 企画県民部 財務課 大学課)

○学校施設については、「学校施設バリアフリー化推進指針」(平成16年3月文部科学省大臣官房文教施設部)に基づき、バリアフリー化推進のためのエレベーターの計画的な整備のほか、トイレの様式化など、児童生徒が毎日利用する身近な教育環境の改善・向上に取り組んでいるところであり、県立学校の新築時や大規模改修時についても、上記指針に基づき、引き続き施設整備を行っていく

○兵庫県立大学では、学生が修学上利用する施設のバリアフリー化を既に完了させており、今後も、施設の建設や改修を行う際は、障害を有する学生が安全かつ円滑に学校生活を送れるよう配慮しながら整備を実施していく。

 

【学校におけるバリアフリー/既存の学校】  (回答: 教育委員会 財務課)

○学校施設については、「学校施設バリアフリー化推進指針」(平成16年3月文部科学省大臣官房文教施設部)に基づき、バリアフリー化推進のためのエレベーターの計画的な整備のほか、トイレの様式化など、児童生徒が毎日利用する身近な教育環境の改善・向上に取り組んでいるところである。

例えば、県立学校のエレベーターの設置については、障害のある生徒が在籍する学校への整備を計画的に行っており、令和2年10月末時点では、県立特別支援学校26校全校と、県立高等学校52校、合計78校に整備している。今後も学校からの要望等も踏まえながら、引き続き計画的に施設整備を行っていく。

 

【6.労働に関わる課題】

【県職員:任命権者ごとの障害者雇用率】

○知事部局:2.56%、警察本部:2.57%、教育委員会:1.25%

 

【県教委の障害教員の雇用率向上について】  (回答: 教育委員会 教職員課)

○「障害者活躍推進計画」に基づき、障害者の雇用の拡大を図る

・障害のある人を対象とした教職員採用の実施

・教員を目指す大学生等への働きかけ

・障害者雇用の場として事務局・県立学校等の事務を担うワークセンターを設置

・障害者の一般就労につながる雇用の機会と学校現場での経験を促すため、臨時的任用教職員等としての勤務を希望する人の障害者人材バンクを活用

 

【重度障害者等就労支援特別事業/国要望と県実施見込み】 (回答:障害福祉課、ユニバーサル推進課)

○常時介護を要する障害者(児)の社会生活を支援するためには、重度訪問介護サービスの対象の拡充を含めた抜本的な見直しが必要であることから、支援制度について検討を行うよう、国に対して要望している。

○現在、具体的な数値目標は設定していないが、県内各市町に対しては、市町担当課長会議等の機会に事業の周知を図り、事業実施の検討を促して参りたい。(今年度は事業実施市町はないと聞いている。)

 

【7.不服審査部会のあり方について】

【審査の期間/迅速化について】  (回答:障害福祉課)

○審査請求から裁決までに要する期間については、概ね1年を超える事案が多いところだが、1年未満で裁決に至る事例も複数存在しており、事案により異なっているのが実情である。

受付けた審査請求に対し、請求人または処分庁からの反論または弁明の聴取に時間を要するなど、裁決まで長期間を要していることは課題として認識しており、迅速な審理を実現するため、引き続き、請求人や処分庁とも必要な調整を行い、審理手続の計画的な進行に努めていく。

 

【審理員について】  (回答:障害福祉課)

○審理員については、行政不服審査法において、審査庁が、審査庁に所属する職員(審査請求に係る処分に関与する者等を除く)を指名することとされていることから、本県においても、当該処分の決定に関与しない職員を審理員に指名して、審理員による審理手続を行っている。また、審査庁が行う裁決の客観性・公平性を高めるため、本県においては、兵庫県障害福祉審議会に不服審査部会を設置し、審理員から諮問された審査請求案件を審理することとしているが、不服審査部会の委員については、弁護士のほか学識経験者や福祉業務等従事者に委員を委嘱している。

 

【不服審査会の情報公開などの改善策について】  (回答:障害福祉課)

○審理手続における必要な情報提供等を含め、引き続き、審理の公平性及び透明性の確保に向けた取組に努めていく。

 

【8.障害福祉サービス等生活支援に関わる資料提供】

【重度訪問介護の対象拡大  各市町の状況】  (回答:障害福祉課)     ※( )は昨年比

市町名 知的障害者 精神障害者 合計人数 市町名 知的障害者 精神障害者 合計人数
尼崎市 4(1人増) 1(1人増) 5(2人増) 加古川市
西宮市 17(3人増) 20(3人増) 赤穂市
芦屋市 淡路市
伊丹市 13 13 佐用町
宝塚市 46人 5人 51人(5人増)
豊岡市  

 

【重度障害者の入院時コミュニケーション支援事業の実施状況】  (回答:障害福祉課)

○事業は実施しているが利用無し・・・尼崎市、明石市、宝塚市

○神戸市・・・利用者6人  利用時間115時間

○西宮市・・・利用者7人  利用時間726時間

 

【施設入所者の移動支援の実施状況】  (回答:障害福祉課)

・神戸市・・・(不明)・・・入所施設が行う。報酬を算定しない日に利用可能

・尼崎市・・・(実施無)・・原則認めないが地域移行を前提に計画上認められた見学や体験に限り利用可能。期間は3か月~6か月、月10時間

・明石市・・・不明

・西宮市・・・(不明)・・・計画に組み込み利用。地域移行なら月60時間 その他月10時間

・西脇市・・・利用者2人 94回 利用時間188時間・・・利用がやむを得ないと考えられる場合

・宝塚市・・・10時間・・・地位的移行を前提に見学等を市が認めた場合

・川西市・・・利用者1人 99回 利用時間198時間・・・知的A判定、近隣公園の散歩

・三田市・・・利用者1人 60回 利用時間60時間・・・入所者の心身の状態を維持するために必要かどうかで判断、利用目的は近隣の買い物等。

・南あわじ市・・・実績なし・・・移動支援の対象者と同

・猪名川町・・・不明・・・施設側で対応できない場合のみ給付

・多可町・・・実績なし・・・外泊時等

・播磨町・・・実績なし・・・個別のケースで必要性を判断

・太子町・・・利用者1人 2回 利用時間16時間・・一時帰省中など報酬が算定されない期間に可能

 

【9.兵庫県から国への要望事項】  (回答:障害福祉課)

○(入院時の重度訪問介護の対象拡大)・・・16大都道府県障害福祉主管課長会議等を通じて、国へ『「障害支援区分4及び5」の者も入院時の支援を受けられるようにする』よう制度拡大を要望しており、引き続き報酬改定の影響を注視しつつ対応してまいりたい。

 

○(同行支援)・・・「意思疎通が困難な利用者への重度訪問介護の同行支援については、今般の報酬改定により新たに創設されたところであり、その利用状況等を踏まえながら、対応を検討してまいりたい。ただ、初めて関わるヘルパーの場合に、一律に同行支援を可とすることは制度の運用上、難しいと思われる。(その利用者に今までサービス提供していないことの確認が困難である等)」。

 

○(グループホームの個別ヘルパー利用)・・・「16大都道府県障害福祉主管課長会議等を通じて、国へ、重度訪問介護、同行援護又は行動援護の対象者であって区分4以上に該当する者等が個人単位で居宅介護等を利用する場合の特例を恒久的なものとするよう要望している」。

 

○(グループホームのサテライト住居)・・・「サテライト型住居は、地域において単身等で生活をしたいという明確な目的意識を持った障害者の利用期間の長期化を回避する観点から、当該サテライト型住居に入居してから原則として3年の間に一般住宅等へ移行できるよう、他の障害福祉サービス事業者等との十分な連携を図りつつ、計画的な支援を行うものとしている。ただし、入居から3年を超える支給決定の更新の申請があった場合には、引き続き利用することにより単身生活への移行が見込まれる場合等については支給決定を更新できる」。

 

○(相談支援の基本報酬の引き上げ)・・・「16大都道府県障害福祉主管課長会議等を通じて、国へ平成30年4月からの障害福祉サービス報酬の改定を検証し、今後ともサービス提供事業者の経営安定化を図るよう要望している」。

 

【10.訪問系サービス等に関する各市町課題】

【介護保険との適用関係/姫路市の事例】  (回答:障害福祉課)

○県では、障害福祉サービスを利用していた人が、65歳を迎え介護保険サービスを利用するに際して、「その人らしい暮らし」が継続できるような支援体制の構築が必要と考えており、平成27年度に高齢障害者ケアマネジメント充実強化事業で調査研究を行った成果を普及すべく、相談支援を“つなぐ”研修会や事業者や市町向けの説明会等で周知を図っている。

また、「自立支援給付費負担金の国庫負担基準について、障害者の高齢化を踏まえた適切な設定となるよう見直しを行うこと」を国へ提案するなど、介護保険対象者へのサービス併給にあたって市町の超過負担が生じないよう制度改正の要望を行っている。引き続き様々な機会を活用して、「年齢による切れ目のない支援」の実現に向けて、市町や国へ働きかけを行う。

 

【移動支援サービスについて/芦屋市の事例】  (回答:障害福祉課)

○移動支援事業(地域生活支援事業)は、地域で生活する障害者のニーズを踏まえ実施主体である市町の実情に応じて実施しているため、各活動について移動支援事業の対象として認めるか否かは、それぞれの市町の判断によって異なる可能性がある。県としては各市町の実施状況の把握に努め、その結果を市町にフィードバックするとともに、ニーズに応じた対応を促していく。

 

【11.知的障害者、精神障害者の一人暮らしについて】

【協議した内容】

・別項での資料回答の様な重度訪問介護の対象拡大について、一人暮らしの選択肢が実現可能となるよう、まず計画を策定する審議会委員に対して、重度訪問介護の対象拡大の意義と広がっていない実態について周知するように強く求めた。県として検討したいとのことであった。

・生活の形態に関して、選択できるようにするとの一般的な回答はあったが、施設やグループホーム以外の一人暮らしを支える制度等の課題について質問したが、一般的な回答に終始した。

 

【12.グループホームについて】

【GH物件の民間や空き家住宅とのマッチング】  (回答:障害福祉課)

○民間物件等とのマッチングは実施していないが、県営住宅とのマッチング事業等に引き続き取り組むとともに、様々な機会を活用して、グループホームの開設促進に向けて、市町へ働きかけを行う。

 

【開設費の補助について】  (回答:障害福祉課)

○県において、新たにグループホーム等を開設する際については、国の社会福祉施設等施設整備費の国庫補助を活用して補助を行っており、県に協議のあった障害福祉サービス事業所等整備費の要望額どおりの予算を確保すること、また、消防用設備の整備について、既存の施設整備とは別に補助制度を創設することについて、引き続き国に対して要望を行っていく。なお、県単独補助として、平成26年度よりグループホーム開設時の初度備品や開設に伴う諸経費について補助を行っており、今後もこうした事業を通じて、グループホームの設置推進に努めてまいりたい。

 

【サテライト型の柔軟運用】  (回答:障害福祉課)

○サテライト型住居は、地域において単身等で生活をしたいという明確な目的意識を持った障害者の利用期間の長期化を回避する観点から、当該サテライト型住居に入居してから原則として3年の間に一般住宅等へ移行できるよう、他の障害福祉サービス事業者等との十分な連携を図りつつ、計画的な支援を行うものとしている。ただし、入居から3年を超える支給決定の更新の申請があった場合には、引き続き利用することにより単身生活への移行が見込まれる場合等については支給決定を更新できる。引き続き様々な機会を通じて市町に対し周知していく。

 

【13.地域活動支援センターについて】

【補助金算定基準の見直しについて】  (回答:ユニバーサル推進課)

○地域活動支援センター等に対する補助については、事業者の経済的負担の軽減の観点等から行革プランの見直しにおいても、廃止することなく予算を確保してきたところである。国の地方交付税措置の状況を踏まえつつ、市町に対する基礎的補助を行っており、今後も引き続き予算の確保に努めて行きたい。

 

【地域活動支援センターと就労系サービス事業との同日利用】  (回答:ユニバーサル推進課)

○地域活動支援センターに慣れ親しんだ利用者が、別の事業所である就労系福祉サービス事業所を利用するに当たり、慣れない環境に適応していくには、困難が生じることはあることと認識している。

そこで、就労系福祉サービス事業所には、慣れない仕事に集中したり、作業を継続したりすることが困難に感じる人に対しても支援できるよう、生活支援員の配置されており生活面からの支援を行う体制になっている。なお、生活支援員の配置状況については、利用者の状況を勘案しながら各事業所において職業指導員との配置割合を決めていると認識しており、就労系福祉サービス事業所だから生活支援が行えないというのは制度上無いと考えているほか、利用日が異なればサービスの併用は可能となっているので、制度へのご理解を賜るようお願いしたい。

 

【14.障害者虐待/意思決定支援に関する意見要望】

【悪質な後見人の改善について】  (回答:障害福祉課)

○兵庫県では、成年後見人に対する倫理観の向上を図るため、成年後見制度の周知啓発にあわせて、成年後見人に対する意識の向上、成年後見監督人の活用促進等にも取り組んでいる。

※【協議した内容】

・知的障害当事者から意思決定支援の重要性と認識されていない実態を伝え、計画を策定する際に審議会で十分審議するように求めた。県として検討したいとの回答。

・意思決定支援に関しての県のマニュアル策定や策定する際に当事者の意見を聞くよう求めたが、厚労省でガイドラインが策定されているとの回答のみで、県として前向きな回答はなかった。

 

【15.地域移行~入所、入院時の移動支援利用】

【施設入所者の移動支援の促進と県補助】  (回答:障害福祉課)

○移動支援事業(地域生活支援事業)は、地域で生活する障害者のニーズを踏まえ実施主体である市町の実情に応じて実施しているため、各活動について移動支援事業の対象として認めるか否かは、それぞれの市町の判断によって異なる可能性がある。県としては各市町の実施状況の把握に努め、その結果を市町にフィードバックするとともに、ニーズに応じた対応を促していく。

 

【精神科病院入院者の移動支援について】  (回答:障害福祉課)

○移動支援事業(地域生活支援事業)は、地域で生活する障害者のニーズを踏まえ実施主体である市町の実情に応じて実施しているため、各活動について移動支援事業の対象として認めるか否かは、それぞれの市町の判断によって異なるが、同行援護等の個別給付については、入院中の外出も含め算定可能である旨、厚生労働省から示されている。

 

【精神障害者問題に関する要望】

【1.継続支援/措置入院者支援委員会】

【継続支援、措置入院者支援委員会の実施状況】  (回答:いのちの対策室)

○継続支援は合計88名の方を対象として実施した。措置入院者支援委員会は1名の方に対して検討を行った。

 

【継続支援の平均期間と支援内容】  (回答:いのちの対策室)

○その方の状況によって異なるが、半年~1年程度の方が多くなっている。継続支援による支援が終了したと後も、保健所としてはその方の支援を終了する訳では無く、適宜精神保健福祉法第47条に基づく支援を行っている。継続支援の支援内容は、本人の希望に応じた個別支援計画の作成と関係機関調整、面談や面談などによる相談支援等となっている。

 

【継続支援の疾病種別、入院種別の件数】  (回答:いのちの対策室)

○疾病種別については、状況によって変動するため集計していないが、統合失調症、双極性感情障害の方が多くなっている。2019年度の支援対象者については、支援開始時の入院形態は、措置入院75名、医療保護入院7名、その他在宅等が6名となっている。

 

【2. 就労】

【雇用促進の課題と就労定着支援の利用状況】  (回答: 労政福祉課 ユニバーサル推進課)

○県内精神障害者のR1.6.1現在の雇用者数は前年比+17.8%と伸びているが、全体に占める割合は10.0%とまだ少ない。また、平均勤続年数も身体・知的に比べ低値であり、職場定着に課題があると認識している。このため、従前より障害者就業・生活支援センターに支援員を配置し、定着支援に努めており、今年度からは「ひょうごジョブコーチ制度」を立ち上げ、一層の支援充実を図っている。

○就労定着支援については、平成30年から始まったサービスであり、平成30年度は112人/月、令和元年度は335人/月が利用している。

 

【離職率と離職理由が分かるように】  (回答: 産業労働部 労政福祉課)

○離職率に関する調査は見当たらないが、「(独法)障害・高齢・求職者雇用支援機構」の調査研究によれば、就職後1年後の職場定着率は、身体:60.8%、知的:68.0%、精神:49.3%となっている。また同機構の別の調査研究によれば、身体障害者は障害・病気、知的は業務遂行上の課題や人間関係の悪化、精神は障害・病気や人間関係の悪化が主な離職理由となっている。

同調査研究では、『離職を防ぐことができたと考えられる職場での措置や配慮』についても調査しており、身体では特になしが最も多いが、知的・精神では職場でのコミュニケーションを容易にする手段や支援者の配置、休みや勤務時

間への配慮等が上位になっている。これらの状況を踏まえ今後も支援施策の推進に努める。

 

【3.精神障害者への交通割引について】

【交通割引制度の改善に関わる国の状況】  (回答:いのちの対策室)

○精神保健福祉手帳も、身体障害者手帳及び療育手帳と平等な制度とするよう国に対して要望を行っている。

※【協議した内容】

兵庫県として移動支援利用者に関しては交通割引の対象とするよう要望したが、交通割引きについては、交通事業者と厚労省との間で療育手帳Aのみを対象とすることが決められているため、できないとの回答であった。

 

【4.住宅の課題】

【大阪の事例を踏まえての県の取組】  (回答: 県土整備部 住宅管理課)

○大阪市営住宅で発生した事案については、障害をお持ちの方に限らず、全ての方がその対象となる可能性があると考えている。また、問題が発生しないようにするには、指定管理者は元より、自治会や入居者の意識の問題が大きいとも考えている。

このため、県としては、このような問題が発生する前に事前の相談等が行えるよう、県営住宅だよりの指定管

理者のお問合せ先の欄に「日常生活での困りごと等について、お気軽にご相談、お問合せください」と掲載するなど行っていく。また、自治会役員等に対して「障害等をお持ちの方に対して、役員就任や作業が困難な活動への参加などに配慮すること」を引き続き要請していくとともに、指定管理者と自治会で情報交換するなどして、入居者の孤立化を防ぎ、安心して暮らせる環境づくりに取り組んでいく。さらに、指定管理者に障害者対応等に長けた総合相談員等を配備し、生活支援センターや病院等と連携した取り組みを行っていく。

 

【5.精神障害者の介護保障等、地域生活】

(※紙面の都合により、主な市町のみ以下、紹介します)

 

市町名

精神障害者の障害福祉サービス利用状況(2019年度利用実績) 精神障害者入居対象グループホーム数(2020年3月末)
居宅介護 移動支援
利用実人数 利用総時間 利用実人数 利用総時間 事業所数 利用定員
神戸市 1496人 167416時間 523人 61731時間 77カ所 810人
姫路市 252人 27156時間 31人 1212時間 34カ所 167人
尼崎市 739人 133162時間 357人 44741時間 25カ所 453人
明石市 344人 44217時間 103人 8561時間 10カ所 117人
西宮市 449人 55448時間 124人 18333時間 16カ所 244人

※政令市と中核市だけの掲載ですが、全市町の集計表もあります。希望される方はご連絡ください。

※同じ中核市でも姫路市の精神障害者で居宅介護や移動支援を利用している人が他市比較すれば少ないと言えます。

※精神障害を対象とするグループホームの無い市町は14市町あります。

※精神障害者で移動支援の利用の無い市町は7市町です。

 

【6.兵庫県精神医療審査会】

【県審査会の開催状況について】  (回答:いのちの対策室)

○2019年度については、合議体を45回開催し、計7,883件の審査を行なった。そのうち退院請求が52件、処遇改善請求が10件となっている。退院請求のうち2件を不適当と判断し、県より退院命令を発令した。

※【協議した内容】

・神戸市の神出病院での事件に関し要望したが、県として重大な事件との認識は示したが、私たちが要望する内容については前向きな回答はなかった。

 

【7.精神科病院での身体拘束】

【2019年度の状況】  (回答:いのちの対策室)

○身体拘束については、精神保健福祉法の規定に基づき、自殺企図または自傷行為が著しく切迫している場合の判断で行動を制限できることとされている。県では、各精神科病院において安易に行動制限を実施することがないよう、毎年精神科病院実地指導を行ない、各病院の行動制限の最小化が図れるよう指導を行なっている。

 

○2019年度精神保健福祉資料(630調査)によると、2019年6月30日時点で県下30病院(神戸市除く)のうち21病院が身体拘束を実施しており、総数は183件となっている。

 

【8.重度障害者医療費助成制度について】

【協議した内容】

交通割引問題を主要に意見交換したため、医療費助成については十分議論できませんでしたが、知的障害当事者から新型コロナによる工賃が減じられた上に、交通割引も医療費も作業所の他のメンバーに比べて高く、経済的に厳しい状況にあると、準備された文章を読み上げられました。

 

※以上が、兵庫県からの文書回答を中心にした報告です。

・11月10日コロナ禍や景気低迷を受け、兵庫県は来年度予算の「一般事業」30億円の削減を発表しました。より一層、予算を伴う施策実現が困難な状況になりますが、粘り強く求めたいと思います。

・私達の要望に対して前向きな回答はほとんどありませんでしたが、12月23日にも兵庫県障害福祉審議会が開催され、また障害者基本法に基づく計画は来年度も引き続き検討されます。なかなか解決しがたい課題や重度障害者の意思決定支援や重度訪問介護の対象拡大、地域移行の課題など、長期的な課題について、障問連も特別委員として積極的に提言していきたいと思います。

 

※  神戸市とのオールラウンド交渉はありません。理由は新型コロナ感染予防のため。全ての障害者団体との話し合いはしていない。文書回答になり回答を見て来年以降に個別に要望していきます。

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