精神障害者

【報告】 神出病院での虐待問題について

障問連事務局

◆厚労省が全国調査を実施

8月18日のNHKニュースによると、以下報道されています。

「神戸市の精神科病院で起きた、看護師らによる虐待事件を受け、厚生労働省が行った全国調査で、虐待が起きた病院が自治体に通報したケースは、全体の半分以下にとどまっていることがわかりました。専門家は虐待の実態が見えない原因になっているとして、通報の義務化などが必要だと指摘しています。

神戸市の精神科病院で、一昨年から去年にかけ看護士らが入院患者を虐待した事件を受けて、厚生労働省はことし4月、監督権限をもつ都道府県と政令指定都市を対象に初めての調査を行いました。

それによりますと、昨年度までの5年間に自治体が把握した、精神科病院内での虐待の疑いがある事案は、合わせて89件で、このうち「暴行」が全体の6割以上にあたる57件、「暴言」が14件、「わいせつ行為」が7件などとなっています。

虐待を把握したきっかけを聞いたところ、「医療サイドからの通報」は、全体の49%と半分以下にとどまり、そのほかは患者や家族、それに匿名の人からの通報などで発覚していました。

「障害者虐待防止法」は、福祉施設や会社などには自治体への通報を義務づけていますが、病院や学校、保育施設には通報義務がありません。

精神医療の問題に詳しい、杏林大学の長谷川利夫教授は、「虐待事案がなかなか外に出にくい背景となっており、今回の調査も氷山の一角だ。これを機に法改正し、病院にも通報義務を与えることが重要だ」と指摘しています」。

 

◆神戸市が精神保健専門分科会を開催

加盟団体「兵庫県精神医療人権センター」の吉本さんから情報提供していただきました。それによると、9月10日に精神保健福祉専門分科会が開催され、「実地調査は抜き打ちですべき」「神出病院は解体的出直しをするべき」「第三者が入らないと改善の見込みはない」など、厳しい意見が相次いで出されたそうです。障害者虐待防止法が病院には通報の義務を課していない事が大きな問題です。また何十年も前から、兵庫県においては1990年代に湊川病院での暴行事件もあり、精神科病院の密室性、医療の名の下での隔離収容、精神科特例・・・今なお全く改善されない構造的問題が存在しています。

障問連としてもオールラウンド交渉で兵庫県、神戸市に対して要望していきたいと思います。

 

◆大阪市では公営住宅で精神・知的障害者が自死に追い込まれる事件が起きる

知的障害や精神障害のある大阪市平野区の男性=当時(36)=が自殺したのは、自治会の班長選びをめぐり、障害者であることや、自分にできない作業などを記す文書の作成を強要されたのが原因だとして、男性の両親が自治会と当時の自治会長ら2人に計2500万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。

「いこいの場ひょうご」の高瀬さんが一貫して行政に要望している公営住宅問題。まさにその指摘が最悪の形で大阪で発生しました。

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