【大阪の状況】 来年度は兵庫県知事選挙 ~ 「リバティ大阪」が閉館に追いやられる
栗山和久(障問連事務局)
◆11月3日に「大阪都構想」の住民投票 ~障害者施策も大きく削減されます
来年には国政でも衆議院解散、総選挙の見込、地元でも7月兵庫県知事選挙、11月には神戸市長選挙が予定されています。報道によれば各政党が選挙方針を明らかにしつつあるが、気になるのが現在の大阪の動向。
11月3日住民投票される「大阪都構想」の問題。障大連の取組として都構想の勉強会、反対行動が案内されています。細井さんはじめ障大連の皆さんには色々とお世話になりながら大阪の厳しい状況に無知であった事は、私自身恥じるしかありませんが、届けられた資料には、都構想が実現すれば、いかに障害者施策に多大な影響があるのか、具体的に書かれていました。
◆コロナのさなかに「都構想」どころではない!
・コロナ対応で団体も行政も追われているさなかに、議論している時間や余力などない。
少なくとも「住民投票」は先送りして、コロナ対策を何よりも最優先すべき!
・コロナ対応で財政状況は大きく変わっているのに、そのことは全く加味されない。
・この間、市の福祉行政も保健所も人員削減され、今後各特別区に分割される。公立病院も減らされ、今後は府に移される。現場は大混乱して、今後の感染拡大にも対応できなくなる!
・「都構想」の実施でかかる費用は、何百億~1000億以上とも言われている。
そんなお金があるならコロナ対策に使え! 医療や福祉の体制をもっと充実するのが先!
・・・前回の大阪都構想住民投票では、賛否両方の意見をパンフレットで紹介されましたが、今回はほとんどが賛成意見のパンフレットを行政が配布、しかも「公平性に欠ける」と有識者から改善すべきと指摘されても強行している。選挙で多数派を取れば何をしてもよいと言わんばかりの強権的な姿勢です。
◆大阪人権博物館を閉館に追いこんだ大阪の首長
その強権的な政治は大阪人権博物館を閉館に追いやった。「無念の休館」として今年6月に6回連載で朝日新聞で報道されたが、その内容によると、同問題が連載されたが、同博物館は・・・
「そもそも、(1920年代)地元の被差別部落の人たちが小学校用地にと資金を集めて取得し、市に寄付した土地だ。小学校の移転後、大阪府・市の支援で同館は1985年に設立された」。
・しかし2000年頃から政治の右傾化を受けての「逆風」が襲う。
・2004年には戦闘服の右翼集団が押しかけ、行政から展示内容を弱めるようにとの要望・
・2008年初当選した橋下知事が補助金削減を始め「差別、人権などネガティブな内容だ」と批判。
・橋下知事は展示内容の変更を求め、同館は存続を重視し受け入れたが、2012年同館を視察した橋下知事は「考えが合わない」と翌年度からの補助金を全廃、さらに高額な敷地賃料請求。
・大阪市は話し合いにも応ぜず敷地返還を求める提訴、そして2020年6月19日、「総合的に人権問題に取り組む国内唯一の博物館」として35年の歴史を有する同博物館は建物を解体し敷地の返還を余儀なくされた。
被差別部落の人たちがわが子の教育への願い、必死でお金を集め土地を買い市に寄贈した歴史、その経緯に込められた痛切な思い、そんなことを一切切り捨てる強権的な政治。人権闘争の歴史を否定することを決して許すことはできない。
10月 2, 2020