新聞記事から

【報道】 新聞記事より

■障害者施設職員が複数入所者虐待

NHK News WEB 09月24日 12時10分

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20200924/2020009952.html

 

西宮市の障害者支援施設に勤務する30代の男性職員が、複数の入所者に対し、顔を床にぶつけるなどの虐待を繰り返したとして懲戒解雇されていたことが分かりました。

西宮市によりますと、ことし7月、重度の知的障害や身体障害がある人の支援施設「西宮すなご医療福祉センター」で、30代の男性職員から「入所者の顔にあざがある」と報告がありました。

施設が室内のカメラを確認したところ、この職員が寝ていた男性入所者の体位を乱暴に変え、顔を床に打ちつけている様子が写っていたということです。

カメラに残ったおよそ1か月間の映像を調べたところ、この男性職員があわせて10人の入所者に対し、腹の上に乗ったり、口をふさいだり、手足を蹴ったりといった虐待を繰り返している様子が記録されていたということです。

施設からの報告を受けた市が立ち入り調査をしたところ、この職員は虐待を認め「仕事のストレスからやった」などと話したということで、施設は24日までに懲戒解雇にしました。

施設の小谷地健事務長は「重い障害のある人の命や暮らし、尊厳を守るべき者として、利用者や家族、関係者に大変申し訳なく思っています。早急に改善を行っていきます」と話しています。

 

【県内の障害者施設で虐待相次ぐ】

兵庫県内ではことしに入ってから障害者の施設で入所者が職員から暴行を受ける事案が相次いでいます。

神戸市西区の精神科病院「神出病院」では勤務していた看護師ら6人が、入院患者を柵付きのベッドを裏返して監禁したり、患者どうしでわいせつな行為をさせたりするなどの虐待行為を繰り返していたとしてことし3月に逮捕されました。

また、ことし7月には豊岡市の障害者支援施設「出石精和園」では入所者の男性に蹴るなどの暴行を加えたとして、39歳の職員が逮捕されました。

さらに先月にも、神戸市北区の精神科病院「県立ひょうごこころの医療センター」では40代の男性看護師が入院患者から殴られたことに腹を立て殴り返し、目の周りの骨を折るけがをさせ、停職3か月の懲戒処分となりました。

 

【障害福祉の専門家は】

障害者福祉に詳しい関西福祉大学の谷口泰司教授は「一般的に施設での生活は、閉鎖的になることから職員と入所者の関係についても上下関係ができてしまい、それが長期間続くと次第にエスカレートして虐待につながってしまう」と述べました。

そのうえで、「虐待を防ぐには職員にさまざまな研修を通じて確かな知識を持ってもらい技術を高めてもらうとともに、仕事に疲れてしまった職員をみんなで気遣えるような職場づくりを進めることが重要だ」と指摘しました。

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