国/県の制度 知的障害

【知的障害/県審議会】 兵庫県障害者福祉審議会「情報」分科会での意見

住田理恵(西宮市在住)

2/18開催の県障害福祉審議会「情報分科会」に住田理恵さんがゲストに招かれ10分間意見表明されました。下記は当日配布された資料です。住田さん、ありがとうございました。(事務局)

 

 

私は兵庫ピープルファーストのメンバーです。ピープルファーストは知的障害者を中心とした世界的な当事者組織です。「わたしたちは 障害者であるまえに 人間だ」の当事者の声から始まりました。

 

【はじめに伝えたい、私の思いと経験】

強制不妊手術は親の不安、親の良かれとの思い、行政の良かれとの思いで行われ、ひろげていった歴史がある。特に知的障害者、精神障害者の許可は取らなくても良いと言われていました。もちろん、知的障害者、精神障害者、身体障害者、障害者はみんな嫌でした。

私は脳性マヒの旦那と11年間一緒に暮らしています。

結婚当初は大反対でした。その頃、便秘のためにお腹をさすっていたら、お母さんから「あんた、それだけはあかんよ」と言われました。言われた時は何を言われているのか分からなかったのですが、子どもだけは産んではいけないと言っているのだと分かった時は、とてもショックでした。

かわいい娘のことを想ってのことだと思います。

親が悪い訳ではなく、社会に、その頃の考えが今も根付いているのだと思っています。

二度とそんな間違いが起こらないために、障害当事者の意見を聞くこと、意見を聞く努力、意見を聞く工夫をあきらめないで下さい。

差別解消法に対して西宮市は条例を作ります。傍聴に行ってきました。アンケート用紙について、親の会の人が「これでは親の意見になる」と言っていました。市役所の人は「親御さんの気持ちも入れてもらったら」と言っていました。市役所の人には伝わっていません。でも、その他の人たちは、応援でそれぞれの意見を言っていました。「知的障害当事者の意見を拾わないといけない!!」と思っている人がこんなに沢山いること、嬉しく思いました。

ショックだったのは、西宮市の人が「親御さんのお気持ちも不安も入れてもらえたら」という言葉がショックでした。

障害者家族を孤立させてはいけない!!!という考えは私も大賛成です。でも、そのアンケートを見て、どの部分が親御さんの意見で、どの部分が本人の意見か分かるんか??分からんやろう!

やっぱり知的障害者の意見を聞くことを諦めた! やらない!と私は感じ傍聴席で怒っていました。

「分からないでしょう」というのが、皆の中にもあるのではないでしょうか?

私もピープルファーストの仲間に説明する時、ついつい面倒臭くなり、分かりやすい言葉ではなく、私の言葉でしちゃう時もあります。そんな時は支援者に助けてもらっています。

皆さん!!! 知的障害者の意見を聞くこと、聞くための努力を、聞くための工夫を諦めないで下さい。よろしくお願いします。

 

【私の思い こんな世界になったらいいな】

「私の名刺の裏に書いてある言葉」

 

知的に障害があっても

好きな所に住み   好きな学校   学ぶ喜び   遊び   働き  活動

デート   結婚   出産   子育て   親を看取る

あたり前にやりたい

 

親亡き後と心配されるのではなく、皆と同じように親を看取る心配をしたい。

こんな世界になったらいいなと思います。

ピープルファーストの言葉で「自分のことは自分で選んで決める」という言葉がある。

私の意見としては、情報を把握し(ここも手伝いがいる)、整理をし(ここも手伝って欲しい)、選択し決める、をやりたい。

それができるようにして下さい。

 

【意思決定するには経験が必要です】

意思決定支援を取り組んでいる人の話を聞きました。

その人の言葉、「対話が大切! 対話とは言葉だけのやり取りではなく、経験をしてもらい、その反応を観察し、また経験をしてもらい、また観察をする。それが対話です」と言っていました。

私の考えとしても、知的に障害があっても、意思決定、意見表明をしたいです。

意思決定、意見表明するために、とっても大切なこと、経験です!

経験をすること、選び決めるためには、とっっっても必要なこと。

その経験をする時に、体力の配分が分からず、バッーと頑張り、その後、吐いてしまったり、寝込んでしまう人も多いです。それでも必要な大切な経験をやりたいです。

私たちのそんな経験を見守りながら、時には「お茶を飲む」「座る」「クーラーを入れようか」と声をかけてもらいたいです。

皆さん!

知的障害者が、情報を把握し、整理し、経験できるように見守る、そんな支援を粘り強く、粘り強く、よろしくお願いします。

 

【意思決定支援で、こんな工夫をして欲しい】

1.決めつけないで、選ぶことができるために選択肢をオープンにして欲しい。

2.リアル、リアル、自分のこととして感じられるように、友達のこととして感じられるように  書いて欲しい。

3.具体的な言葉を書いて欲しい。自分の経験したことのある言葉を見て、支援者に「これをやりたい!」と言えるように。

4.こんなこと! あんなこと! そんなこと! できるんだよ。こんなお手伝いをしてもらえるからできるんだよ、と教えて欲しい。

5.自分でやれた感覚、一緒にやれた感覚が大事。

 

【行政が当事者に意見を聞くときにして欲しいこと】

1.作業所の5~6人に来てもらう(作業所を訪問する)。

2.短く分かりやすく説明する。

3.こんな感じのことを言ってもらいたい。呼び水になるために、自分の意見を言える障害者1~2名と一緒に行く。

4.皆から意見を言ってもらう(その時、グチであろうが、意見としてまとまってないだろうが、そのまま受け止めることで、当事者が安心して意見を言いやすくなります)。

 

【社会の中で配慮して欲しいこと】

1.電車の切符売り場やATMの前に1人いてもらいたい。

2.特に災害の時の言葉はコンパクトに書いて欲しい。(災害だけではなくダラダラダラダラと話をすると、何を言っているのか分からない。切りながら話をして欲しい)。

3.選挙区の意味が分からない。知的であっても自分の意見の表明として投票できる権利がある。権利をつかえていない。

4.あいサポーターというのがあるが、知的障害者を講師に迎えてやってほしい。

« »