オールラウンド交渉 国/県の制度

【報告】 11月12日 兵庫県とのオールラウンド交渉報告 (午前の部)

障問連事務局

11月12日兵庫県民会館において2019年度の兵庫県との意見交換会が開催された。今年度は新たに作成される「ひょうご障害者福祉計画」に向けた、団体からの意見聴取が午前中に1時間半行われ、午後からは例年通りの関係部局とのオールラウンド交渉が行われました。

これまで障問連として知的障害者問題への取り組みが不十分なため、その反省を踏まえ、この2年間、知的障害者問題の担当を事務局に置き、県交渉参加に際しての支援、そして今年度は県要望に関して当事者からの意見を集め一緒に要望書を作成するなど取り組みました。午前の部に西宮の住田理恵さんにも参加いただき、当事者の声をしっかり県に届けました。主な内容は・・・

・「知的障害者にも分かるような説明・配慮は情報保障として認めて欲しい」

・「分からなければ意見も言えません。計画は大切なもの、計画の分かりやすい版を作って下さい」

・「知的障害者はいつまでも『親亡き後』と言われる。障害のない人と同じように『親を看取り』たい」

・「知的障害者にも地域での一人暮らしができる選択肢を作って下さい」

 

■午前の部  「ひょうご障害者福祉計画」への障問連としての意見

別紙に最終的に県に提出した意見書を要旨になりますが紹介します。当日は県障害福祉課担当者だけでなく「兵庫県障害者福祉審議会」会長の谷口さんも出席されました。

○計画作成に向けた当事者参画

前回の計画作成時には既存の審議会委員以外に10数名の当事者団体から特別委員が入り、障問連も参画しました。今回も幅広く当事者から意見聴取できるよう前回同様に特別委員を設けるよう要望しました。それに対して・・・

・谷口会長・・・「既存の委員に特別委員を加えると50人近い人数になり限られた時間で本当に意見が言える環境ではなく、別途に当事者委員に集まっていただき2回程度開催したい。その方がより実りある意見が出していただけると思います」。

今後は意見を言うだけでなく、計画策定時にも何等か関与できることを今後は求めたいと思います。また、この数年間の県要望として、各市町を指導する県の役割を求めてきました。現在の県計画にも「各市町への技術的助言」が県の役割として位置付けられています。県は各市町の集合体です。県の主導的な役割を求めましたが、谷口さんの意見として、「総合支援法でも身近な自治体による支援が望ましいとされ、また地方分権が進む中で、県が主導すると言うより、各市町が主体的に実施することが求められている」との助言がありましたが、改めて県の役割、県計画の意義が問われていると感じます。

 

また後日談ですが、県として計画策定に向け審議会に分科会を設け議論が10月から始まっています。「情報」分科会の中で、知的障害者にとっての情報保障の課題を住田理恵さんから話を聞きたいと、年末に兵庫県から障問連事務局に連絡がありました。今回の住田理恵さんの意見表明が県や谷口さんにも響いたのだと思います。

 

 

 

 

ひょうご障害者福祉計画策定にかかるアンケート調査への回答(要旨)

2019年12月27日提出

障害者問題を考える兵庫県連絡会議

■各分野以外の総論的な計画に対する意見

(1)今回の「アンケート調査」についての意見

・生活実態調査に変わる「障害者団体及び県民からの意見募集」結果を十分反映して下さい。

・精神科病院入院者や知的障害者の意見表明への配慮を行ってください。

・計画策定過程での当事者からのヒアリングを随時行ってください。

 

(2)今後の「兵庫県障害福祉審議会」での次期経過の検討の在り方に関する意見

・前回と同様に審議会委員以外の当事者委員を特別委員として参画できるようにして下さい。

・これまでの計画には知的障害当事者の希望や思いは本当に反映されているのでしょうか。知的障害当事者の希望や思いを反映した計画にしてください。

・計画の策定にあたって、知的障害当事者の参画や意見を表明できるような配慮を要望します。現在の計画およびパブリックコメント募集に際しての計画案の「分かりやすい版」の作成を要望します。

(3)現在のひょうご障害者福祉計画の理念的な継承

現在の計画「2040年の未来予想図」では「本県の目指す2040年度の姿は、障害の有無によって分け隔てられることなく、あらゆる人々がお互いを当然の存在として認識しあう風景が、ごく当たり前になっている姿」をぜひ継承し、理想に終わることないよう実効性のある計画にしてください。

必要な予算が確保され、県と各市町が連携し協働した取り組みを可能とし、そして何より入所施設や特別支援学校など、分離された環境を段階的に解消できる計画にしてください。そして2020年度までの目標の到達度、現状認識をまず審議会で議論してください。

 

【その他】

◆障害福祉審議会の在り方

兵庫県障害福祉審議会の「不服審査部会」の拡充を要望します。

 

◆県内、各圏域の地域格差の解消策を計画の中に位置付けてください。

(2017年度実績または見込)。

北播磨圏域(人口約48万人)    重度訪問介護利用者  9人

西宮市  (人口約49万人)    重度訪問介護利用者150人

以上の例のよう、①圏域ごとの地域格差の課題、②圏域だけでは解決しがたい課題について、計画の生活基盤分野等の中で検討され、改善策を計画に示してください。

 

■各分野ごとの意見

【生活基盤づくり分野】

○福祉人材確保についても重点課題として計画に位置付けてください。

 

○どんな重度な障害者も地域で安心して生活できる「地域生活支援の基盤」を第一において計画を作ってください。地域で安心して生活できる基盤が無ければ就労も地域移行も考えられません。

地域移行が行われても、新規入所が続けば永遠に地域移行の課題は解決しません。地域生活の基盤をいかに拡充させていくのか、「多様な地域生活の選択肢・あり方」、「障害状況に応じた地域生活モデル」をぜひ審議会で検討していただき、各市町に示すことができるよう計画の中に位置付けて下さい。

そもそも地域で安心して生活できる基盤が無くして就労や地域移行は進みません、計画の大きな柱である「地域での共生」のためには、「誰もが安心して生活できる地域生活支援」を主眼に置いた計画にしてください。

 

○地域活動支援センターについて

兵庫県内では174カ所の地域活動支援センターがあり、計3779人の障害者が利用(現計画の数値)しているにもかかわらず、現計画の「地域生活支援事業」の項には「地域活動支援センター」について記述されていません。次期計画では地域活動支援センターの重要性を位置付けられ、県とか市町の共同事業を拡充するようにしてください。

 

○施設入所者、精神科病院入院者の移動支援を県が各市町に推奨することを計画に位置付けて下さい

 

○精神科病院での身体拘束等の権利侵害ゼロ目標を計画の中に位置付けてください

・第三者機関等による権利擁護の仕組みを計画に位置付けて下さい

・身体拘束ゼロ目標を計画に位置付けて下さい。

 

○県の役割/各市町への技術的助言として「訪問系サービス等の留意事項」を作成してください。

 

【くらし支援分野】

○知的障害者が抱える課題を計画に位置付けてください。

知的障害者にはの場合、障害特性が故の困難さ、意思決定支援、意見表明、地域生活など重要な課題について抜け落とされている認識や課題があります。知的障害者に対する合理的配慮として、「理解・整理・表明」する様々な場面において支援が必要です。

①    知的障害者が「情報」を理解し、それを「整理」し、その上で自分の意見を「表明」できることを進めていくために、どのように施策や支援を実施していくのか、審議会で十分に審議され、次期計画の中に位置付けて下さい。

②    具体的に知的障害者が「情報を理解し、整理し、自分の試験を表明できる」ための支援は一体誰が担うのでしょうか。直接支援にあたる障害福祉サービスの利用においては、障害支援区分の判定に関わる問題があり、知的障害者の区分は低く判定されがちであり、そのため「理解・整理・表明」するためには見守り的な支援が必要であるにもかかわらず、十分な個別支援が受けられません。知的障害者が「理解・整理・表明」できるための支援の在り方、その支援者の確保の必要性および確保の方策について、次期計画の中に位置付けて下さい。

 

○市町と協力し公営住宅を1人暮らし、グループホームに活用することを計画に位置付けて下さい

 

○グループホームの設置基準の緩和、開設費補助の拡充を計画に位置付けて下さい

 

○バリアフリー 圏域が抱える困難な課題について

県内の圏域によれば、既存の路線バスが撤退、縮小また介護タクシーも都市部に比べて非常に少ない現状があり、障害のある人の移動権が保障されていません。その権利が保障されなければバリアフリーもユニバーサルな社会も実現されません。困難な圏域に対する改善策を計画に位置付けて下さい。

 

○バリアフリー  高速道路上を走行するバスへの車いす乗車について

高速バスには車いすのまま乗車できず、重度の車椅子利用者の移動権が侵害されています。バス乗務員の介助等の支援といったソフト面での改善や物理的な改善について、審議会で認識していただき、計画の中で改善策を示してください。

 

○精神障害者への交通割引について

精神障害者が円滑に負担なく移動できるよう、以下のよう、精神障害者の交通割引についても計画の課題として検討してください。

 

【教育・社会参加分野】

○障害のある児童も障害のない児童も、同じ場で共に学ぶ教育の推進

就学前や義務教育、高等学校での分離状況のままでは、障害への理解や共生社会は実現できません。同じ場で共に学べる教育を基本的な方向性とするよう計画に中に示してください。

また医療的ケアが必要な児童が共に学べる環境が整備されるよう特別支援学校以外の保育、学ぶ場等での看護師配置等の医療的ケアの体制整備を計画の中に位置付けて下さい。

 

【安全安心分野】

○差別解消に係る兵庫県条例を制定してください

○合理的配慮に係る民間事業者への補助を市町と県による共同事業として計画に位置付けて下さい。

○手話通訳、要約筆記等への県補助制度を県と市町の共同事業として拡充してください

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