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【報告】 兵庫県の新たな施策/兵庫県内の様々な動向

障問連事務局

■兵庫県が「手話通訳者・要約筆記者の派遣」の経費の一部補助制度を開始

兵庫県が「障害者等による情報の取得及び利用ならびに意思疎通の手段の確保に関する条例」(2018年4月施行)に則り、表記補助制度を本年度から開始しました。広報案内では「令和元年よりイベントでの情報配慮に取り組む団体・企業を支援する仕組み(県補助制度)ができました!ぜひご活用ください!」とされています。補助制度の概要は以下。

 

○対象・・・兵庫県内に所在する団体・企業

○対象となる経費・・・県内開催行事における手話通訳者・要約筆記者は県の経費(1/2)

○補助金額・・・派遣経費の1/2(上限5万円)

○申請期間・・・令和元年6月17日~  (※行事開催が来年3/31までのもの)

○補助回数・・・1申請者につき、将来にわたり1回

○補助用件

・不特定多数の参加者300人以上の行事

・聴覚障害者の参加が確定している行事(300人未満でも可)

 

■兵庫県が「防災と福祉の連携促進モデル事業」を実施

兵庫県として防災企画局防災企画課として、昨年度は福祉専門職(ケアマネージャーや相談支援専門員等)を対象とし、播磨町(障害)と篠山市(介護保険)とともに同モデル事業が取り組まれ、障問連事務局次長の野橋さんが「防災と福祉の連携促進シンポジウム」に特別講演者として登壇したり、個別に「人と防災未来センター」主催による事例検討会に障問連のバリアフリー部会のメンバーが中心になって参加しました。それらの前年度の取り組みを踏まえ、兵庫県として今年度は具体的なモデル事業が取り組まれています。

〈モデル事業趣旨内容〉

・趣旨・・・昨年度の播磨町と篠山市でのモデル事業を踏まえ今年度は県内36市町(尼崎・宝塚・川西・三木・佐用町を除く)で、拡大モデル事業を「人と防災未来センター」と「県社会福祉士会」と連携して実施する。

・内容・・・ケアマネジャー(介護保険)や相談支援専門員(障害)がサービス等利用計画作成時に、地域(自主防災組織や自治会等)と共に、避難のための個別支援計画を作成するというもの。今年度はモデル事業であるため、担当者によると・・・

・各市町が指定する相談支援事業者が実施する。

・一市町、5~10人程度の障害者が対象として実施されるのではないか。

・今年度は避難のための個別支援計画1件に対して7000円。

担当者によると、来年度はモデル事業でなく、制限なく全員を対象としたいが、予算の関係もあり、具体的にどうなるのかは未定、とのこと。

 

■西宮市が「合理的配慮」取り組みの事業者への費用助成制度が10月~スタート!!

「・・・障害のある人が障害のない人と同じように社会参加できるよう、無理のない調整を行うことです。例えば、お店の入り口に段差があると、車椅子に乗っている人は入ることができませんが、スロープを設置すれば入ることができます。また、喫茶店でメニューを選ぶ際、視覚障害のある人には点字メニュー、聴覚障害のある人には筆談ボードが用意されていれば意思疎通がスムーズになります。
令和元年10月1日より、西宮市は障害のある人の社会参加を進めるため、事業者が合理的配慮の提供を行ったとき、その費用を助成します」 (以上、西宮市HPより)

内容 利用例 上限額
コミュニケーションツールの作成 ・点字メニュー    ・コミュニケーション支援ボード

・音声コードを用いたチラシ

5万円
物品の購入 ・筆談ボード  ・音声拡張期  ・折り畳み式スロープ 10万円
改修工事真施行 ・簡易スロープ  ・手すり  ・多機能トイレ 20万円

(※いずれも補助率は50/100   西宮市市政ニュース10/25より)

 

■西宮市が差別解消等に関する条例制定に向け、パブリックコメントを実施

西宮市では今年2月市議会での石井市長の施政方針でも「・・・障害のある人の社会参加が市民と協働で進められるよう、障害の特性に応じた情報コミュニケーションの保障や差別の解消を目的とした、誰もが暮らしやすい社会を実現するための条例制定の準備に取り組む」とされ、「同時に障害のある人への配慮や手助けができる「あいサポーター」を養成するほか、商業者や地域の団体が簡易スロープや手すりの設置などを行ったときにその費用を助成する制度を新設します」と述べられました。

また教育についても「・・・インクルーシブ教育システムの構築については、学校園において障害のある子供に合理的配慮の提供ができるよう基礎的環境整備を進めます。新しい人的支援として、幼稚園への保育支援員や介助の必要な子供が複数いる学校への介助支援員を配置します。また、医療的ケアを必要とする子供への看護師配置を継続します」。

以上のような市長が示す方向もあり、「西宮市障害福祉計画策定委員会」において、差別解消に係る条例の制定に向けた検討が昨年から開始され、10月18日で締め切られましたが、条例案に対するパブリックコメント意見募集が実施されました。

名称は「仮称」ですが、以下です。

「障害を理由とする差別の解消及び誰もが暮らしやすいまちづくりの推進に関する条例」

 

→ 上記、西宮市の条例についてはパブコメが終了し、来年の議会での採決が見込まれ制定、施行される予定です。兵庫県内では、明石市・宝塚市・三田市に続いての条例制定になります。また、合理的配慮の助成制度は明石市、加古川市に続いての取り組み。現在、内閣府の障害者政策委員会でも「障害者差別解消法」の見直し論議が行われており、民間事業者への合理的配慮の義務化をめぐり経団連や日本商工会議所から「慎重に検討して欲しい」との意見もあり、現在の法上、民間事業者には「努力義務」とされている合理的配慮についてが、「事業者の取組を促すための方策について、どう考えるか」といった事も論議されています。

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