【報告と緊急のお願い】 神戸市の支給基準(ガイドライン)案がようやく提示される ~ 当事者不在の検討の在り方 、 内容も到底容認できません!! 6月内に意見書を提出します ぜひ意見を寄せてください!! ~
障問連事務局
神戸市障害者支援課は5月30日開催の「神戸市障害者施策推進協議会」で「居宅系サービスの支給量審査基準等の見直し」について、その検討過程と今後のタイムスケジュールを発表、並行して推進協に加盟する各障害者団体に「見直し案」の説明と協議が行われ、私たち障問連に対しても6月4日に協議の場が持たれました。
協議では、私たちの抗議に終始し、とても容認できる内容ではありません。一昨年11月、神戸市の「ガイドラインの見直し」決定を受け、私たち自身が各地のガイドラインを集めての内部勉強会、そして幅広い意見聴取のため3回にわたる連続セミナーを昨年度開催し、9月には提言として神戸市に提出しました。しかし、私たちの提言の内容が反映されるどころか、むしろ逆行する内容です。
※神戸市が提示するタイムスケジュールは・・・
・2019年5月~ 当事者等の意見聴取
8月 市民意見募集と意見反映
行政内部の検討に1年以上かけながら、当事者にはわずか3か月です。しかも意見は聞きおくものでしかなく、あまりにも公平性に欠け、当事者の参画を一切無視した在り方です。
これまで「居宅系サービスの支給量審査基準」は非公開で、私たちも情報公開制度を利用して初めて見る事ができました。他の市では市のホームページにしっかり公開されています。今回の協議で渋々ながら公開する方向であると回答しましたが、こんな杜撰な理念も何もない内容を公開すれば弊害しか生み出しません。
そして、2019年度内に運用したいとの方針が示されています。協議の場の最後には、このタイムスケジュールそのものの撤回を強く求めましたが、予断は許しません。
私たちは、問題点を内外に訴え、何としても神戸市に当事者が参画した検討を行うよう、緊急に求めたい、そのためにも多くの障害当事者・支援者・関係事業者からの声を集め、それをまとめ神戸市に意見書として6月内には提出したいと考えています。
ぜひご協力をお願いします。以下、何が問題であるのか、示された神戸市の「案」をお伝えします。
■「今回は支給時間数の変更は必要ないと判断」と先送りすることは認められません
元々のガイドラインに示される最重度な障害者に対する重度訪問介護279時間(1日9時間)の根拠は、かつての利用実績の平均値に過ぎません。利用したくても事業所や介護者が見つからず利用できない、そんな現実は何ら反映されていません。重度障害者が地域での自立生活をするためには、1日あたり9時間、月279時間という基準そのものが、県内の特に阪神間各市と比較すれば歴然とした格差があるのです。単なる利用実績の平均値である279時間を基準とし、あたかも上限のごとく運用され、区役所の1.5倍裁量が恩恵的に語られ、それ以上は絶対に認められないとの窓口対応に、どれだけ多くの障害者が苦しめられてきたのか。私たちにとって、支給量時間の変更は最も大きな課題です。しかし神戸市は、今回の内部検討会の結論として「今回は時間数の見直しは必要ないと判断した」と回答し先送りにしたのです。とても認めることはできません。また基準の1.5倍は区役所の裁量で決定できるという従来の手法も、今回廃止されないどころか、その条件を細かく明示しました。これら全て、私たちの提言と反する内容です。
■一体、誰のための見直しなのか!!?? 当事者を置き去りにした検討の在り方
神戸市の内部検討会は2017年11月に第一回、2018年11月まで計6回開催されましたが、検討会の構成は「神戸市障害者支援課・関係課・区役所障害担当・障害者地域生活支援センター」で、有識者・家族そして何より当事者が一切参画しない、非公開で議事録すら公表されていない密室での検討会です。
ちょうど同じ時期に北海道札幌市でも「重度障害者に必要な在宅介護の在り方検討会」が行われましたが、そこには12人中、8人もの当事者及び家族そして4人の学識経験者と事業者が参画した検討会であり、さらに重度訪問介護利用者や事業者へのアンケート調査も実施され、それらも踏まえ意見書がまとめられ、何より当事者の声を根拠としての見直し作業が行われ、市のホームページにもしっかり公開されています。
同じ政令市でありながら、なぜここまで違うのでしょうか。障害者制度改革の10年間、当事者参画は必須の課題であるにもかかわらず、それを無視した検討の在り方自体に大きな問題があります。検討会自体が、まさに「行政内部」の各区役所担当が中心となって、行政サイドの意向を根拠とし、区役所担当者が支給決定しやすいよう、すなわちいくら当事者や家族が支給量を希望しても、断るために基準をより明確に示す必要がある、そうとしか思えない内容が満載されています。まさに一体、誰のための見直しなのかと言わざるを得ません。
まだ詳細な内容は未定稿とされていますが、私たちに提示された資料では、各項目ごとに繰り返し強調され、新しい文言として登場したのが・・・
「支給量を定めるにあたっては、客観的かつ合理的で、他の類似事例と比較して妥当と言えるか等を勘案して、適切な支給量を定めることとする」
「他の人は○○時間だから我慢してください」と、今までも区役所から言われた心無い言葉がガイドラインで明確に示されようとしているのです。現在義務化されている「サービス等利用計画」あるいはセルフプランにより必要な支給量の根拠は示されているのです。
■そもそも、見直しの目的は何か? 全く不明な当局の説明
「施策推進協」での配布資料には、見直しの理由がこう記されています。
「障害者自立支援法以降、10年余りが経過し、障害者施策関連法令の改正・整備が進むと共に障害者を取り巻く社会環境も変化している事から、本市において介護給付費等の支給決定を公平かつ適正に行うために定めた『神戸市支給量審査基準』についても居宅介護・重度訪問介護を中心に見直しを行うこととし・・・」。
協議で神戸市が説明したのが「各区役所での対応のばらつきの解消」。2010年垂水区でのひどい対応を発端として始まった私たちのガイドライン改訂の要望。しかし単にバラつき対応を無くせなど要望はしていません。本人の希望に対して、なぜ画一的な基準でしか対応しないのか、その背景としてガイドラインが弊害になっている事、私たちはその改善を求めてきたのです。
また障害者施策関連法の改正を背景と言うなら、この10年間、国連障害者権利条約への批准、それをベースとした総合支援法、差別解消法、すなわち「障害のある者とない者との平等」「共生社会」「地域生活が権利」など、そのような理念や目的を根拠としてガイドラインを改定するべきですが、何らそのような内容は示されていません。協議で神戸市は「今回はとりあえずこの内容で改訂したい、今後とも見直す」と説明しました。しかし、結果的に部分改定はあり得たとしても、まず重要なのは、何を目的に、どのような方向性で改定するのか、その全体像やロードマップが、まず示されなければならないのではないでしょうか。配布された資料にも、協議での説明にも、そのような理念や目的は一切示されず、行政サイドの意向だけが先行しています。
■いつまで家族に介護の責任を負わせるのか!!
わたしたちの提言では「同居家族の有無によって支給量基準に差を付けないで下さい」と要望しました。
その理由として・・・「日本においては長年にわたり、障害者の介護は大きく家族に依存し、家族の負担が時に悲惨な事件も生み出しています。家族がどこまで介護するのか、できるのかは、勘案事項調査による聞き取りで十分対応できます。障害者が家族と一緒に安心して生活していくためにも、支援が必要です」と説明しました。
しかし改定案では、「介護環境区分」と新たな文言まで設け、下記資料のように、基準をより一層細かくしています。日々、家族は家族として介護をしています。しかし家族が「介護者」と決め付けられる覚えはありません。地域生活の推進には、家族依存からの脱却がいかに図られるのか、その環境を整備することは社会の責任であり、本人が望む自立した生活の実現には極めて重要な課題です。
家族に介護を受けたい当事者もいるでしょう。しかし、いつまでも家族に依存してはいけないんだと自立を望む当事者もいます。それを選択できる環境が必要です。にもかかわらずこのような細かい基準では、障害者は抑圧され、家族はより一層追い込まれていきます。下記、資料のように家族が就労する時間数によっても細かく区分されていますが、仮に支給量が保障されても事業所が見つからず就労したくても働けない家族は多くいます。それを、「就労していないから、就労時間が短いから、介護は不要でしょう」、そんな事を当事者や家族に突き付けているのが、この介護環境区分です。ここでも本人中心支援の理念が欠如しているどころか、旧来型の家族依存の発想が根底にあるのです。このような内容は到底認められません。
■医療的ケアが必要な重度障害者を分断し、「命の危険」にさらす「案」
これまで私たちが知り得る範囲では、医療的ケアが必要な障害者に対して、神戸市は24時間も含め、それなりに配慮した支給決定を行っていると認識しています。しかし、今回示された案を見ると、「一人で過ごせる時間」により支給量に差をつけています。愕然としました。人工呼吸器を装着し、痰の吸引が必要な重度障害者に対して、なぜ「一人で過ごせる時間」などという発想が出てくるのでしょうか。その上さらに介護環境区分として家族の状況によって支給量に更に格差を設けています。
さらに、この基準により、「医療的ケアが必要な人でも基準は○○時間だから、医療的ケアのないあなたには○○時間しか認められません」と、現在よりもさらに区役所の対応が悪化していくのは明らかです。
以上、取り急ぎまとめましたので、不十分な内容かと思います。
「ガイドライン」は本来、行政と関係機関、当事者家族が協働して作り上げるべきだと、総合福祉部会の「骨格提言」でも示されています。下記の「案」ならびに昨年9月に提出した私たちの提言の骨子を読んでいただき、ぜひ皆さんからの意見をお願いします。ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
■提示された「案」の3つの柱
(1)神戸市の介護環境区分
区分 | 介 護 者 の 状 況 |
A | ○(同居、別居ともに)介護者がいない
(障害者のみの世帯や18歳未満の児童と同居等を含む) ・介護者が介護保険の要介護、または要支援の認定を受けている ・介護者が病弱で介護する事ができない ・介護者が日中不在(週30時間以上就労) ・介護者が1人で重度障害者(支援区分4以上)と就学前の乳幼児または介護保険の要介護認定を受けている高齢者を介護している |
B | ○別居の介護者がいる
・介護者が病弱で介護することが常時はできない ・介護者が日中不在(週10時間以上就労) ・介護者が1人で障害者(児)と就学前の乳幼児または介護保険の要介護認定を受けている高齢者を介護している ・グループホーム入居者(個人単位で居宅介護を利用する場合(特例))※1 |
C | ○A、Bに該当しない介護者がいる(就労は週10時間未満) |
○介護者が複数人いる場合は、主に介護を担う介護者の状況で判断、同程度の場合は世帯全体で判断。
○ボランティアや近隣等の支援は、勘案調査の際に作成される「週刊計画表」で支給量を反映。
※1 グループホーム入居者についての居宅介護・重度訪問介護は平成33年3月末をもって対象外になる予定。
◆標準支給量(案)
居宅介護
区分1 | 区分2 | 区分3 | 区分4 | 区分5 | 区分6 | ||
A | 身体 | 25 | 10 | 18 | 30 | 48 | 67 |
家事 | 25 | 25 | 25 | 25 | 25 | ||
B | 身体 | 20 | 8 | 15 | 25 | 40 | 56 |
家事 | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | ||
C | 身体 | 15 | 7 | 12 | 20 | 32 | 45 |
家事 | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 |
重度訪問介護
区分4 | 区分5 | 区分6-1 | 区分6-2 | |||
A、B | 日常
生活 全般 |
総支給量 | 124 | 155 | 186 | 279 |
※1 | 50 | 50 | 50 | 50 | ||
C | 総支給量 | 100 | 124 | 149 | 224 | |
※1 | 50 | 50 | 50 | 50 |
※1 移動介護加算で、総支給量の内数
(2)医療的ケアを伴い常時介護が必要な重度障害者の特別基準(案)
医療的ケアを伴う比較的長時間の介護(介護の事態に対応するための見守りを含む)を必要とする者の居宅における重度訪問介護については、標準支給量にかかわらず、次の特別基準を適用する事ができる。
なお特別基準を超える支給量を算定しようとする時は、障害者支援に協議のうえ、非定型審査会の意見を聴くものとする。
① 対象者の要件
重度障害者等包括支援対象者の要件に該当する者で、次の1、2のいずれにも該当する者、又は3に該当する者
1、 ALS・筋ジストロフィー等の全身性障害者
2、 居宅で人工呼吸器等生命に直接関わる医療器具を装着し、吸引等が必要な状態にある者
3、 1、2に準ずる者
※1日あたり11時間~20時間の範囲内(移動介護含む)とし、次の表のとおり支援の必要に応じて3区分とする。
〈居宅での重度訪問介護の支給量〉
区分 | 介護環境 | 支給時間 | 支援の必要度(状態像) | |
(月単位) | (日単位) | |||
ア | A、B | 620時間 | 20時間 | 常に人工呼吸器等を装着し、吸引が常時必要な状態であり、一人で過ごせる時間が1時間未満の状態。 |
C | 527時間 | 17時間 | ||
イ | A、B | 496時間 | 16時間 | 人工呼吸器等を装着し、吸引が1日のうち数回以上必要な状態で、一人で過ごせる時間が2時間未満の状態。 |
C | 403時間 | 13時間 | ||
ウ | A、B | 341時間 | 11時間 | 人工呼吸器等を装着し、吸引も必要だが1日のうち数回行えばよい状態で、2時間程度は一人で過ごせる状態。 |
C | 248時間 | 8時間 |
② 特別基準の設定方法
在宅生活が可能か否かの判断及び居宅生活に関する留意事項の意見並びに、上記状態像のいずれかに該当するのか、主治医の意見書(意見書取得費用は本人負担)の提出を求める。
(3)標準支給量を超えて、区の裁量のみで支給決定できる要件(案)
標準支給量として、それを超える場合は、障害支援区分の見直しや、介護保険を受けている場合は介護認定の見直しを検討するのが前提である。ただし食事、入浴、着替え、排泄、家事、社会生活上の手続き等、日常生活において明らかに著しく支障をきたし、標準支給量では不都合がある場合は、標準支給量を超えて、標準支給量の1,5倍までは、区の裁量のみで支給決定できることとする。
1、 知的障害で家事や社会生活を行う上で、助言が必要な場合
2、 施設からの退所、病院等医療機関からの退院直後で、一時的に多くの支給量が必要な場合
3、 時間を要するコミュニケーション支援が必要な場合(障害支援区分の認定調査項目においてコミュニケーションが以下の、いずれかに認定されている)
「会話以外の方法でコミュニケーションできる」「独自の方法でコミュニケーションできる」
「コミュニケーションできない」
4、 ヘルパーに認められている医療的な介護(痰の吸引、経管栄養)や特段の専門的な配慮をもって行う調理が必要な場合
5、 体温調整や体位変換等のため、深夜帯(22時~6時)介護が必要な場合
6、 介護者が急な事故や疾病による場合、やむを得ず施設入所が必要な場合、療養の必要性が高い場合
7、 1~6に該当せず福祉事務所長が特別に必要と認める場合
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(参考資料)
■私たちの提言 趣旨ならびに骨子 (2018年9月26日 神戸市に提出分)
【総論的な課題】
(1) 神戸市のこれまでの「標準支給量基準」と「支給量審査基準」を一本化し、障害当事者や家族、支援事業者に公開された、「神戸市:居宅系サービス支給量基準」にしてください。
〈理由〉:支給量とは一体、誰のものでしょうか。障害者が地域生活を送るための最低限の権利を保障するものです。「審査する側」と「審査される側」といった対立関係でなく、どうすればこの人の地域生活が実現できるのか、当事者・支援事業者そして行政が対等な立場で一緒に考えていくために、その前提として関係者が共通認識するためにも公開される事が重要です。
(2) 障害当事者が望む「自分らしい生活」をイメージでき、どんなに重度な障害者でも自分らしく地域で生活できるとのメッセージを込めた支給量基準にしてください。
〈理由〉:神戸市第5期障害福祉計画や「神戸市障がい者保健合福祉計画」を実現するためにも、地域生活支援の拡充は必要です。「地域生活は権利である」「障害のある者と障害のない者との平等」との障害者基本法等の理念をベースに、共生社会を実現する、そのような理念を具現化する支給量基準にしてください。
(3) 非定型の考え方と非定型審査会のあり方、透明性について
〈理由〉:支給量基準と大きくかい離する場合の支給決定のあり方が大きな課題だと思います。
しかし厚生労働省が「あくまで基準であり上限ではない」と繰り返し周知しており、また一人一人の生活には個別性があり、「非定型ケースがあって当たり前」との認識が必要です。そのためにも公費で賄うべき支給量の適否の判断と同時に、その人が望む地域生活の実現、維持の両面について、障害者総合支援法の理念に則り判断されるような、また透明性ある非定型審査会のあり方に改革するよう、併せて提言させていただきます。
(4) 障害当事者が参画する支給量基準の見直しに関する検討を行ってください。
〈理由〉:障害者制度改革における障害者総合福祉部会の「骨格提言」では、「・・・支給量基
準の策定にあたっては、当事者(障害者、家族及びその関係団体等)と行政、相談支援事業者、サービス提供事業者等の関係者が参画し、地域のその時点での地域生活の水準を踏まえ協議しなければならない。この策定過程を通して、当事者、行政、事業者の協働が生まれることが期待される」とされています。今回の見直しにおいても、また今後の見直しにおいて、当事者等が参加する検討の場を設けてください。
【支給量基準の内容】
(1) 「障害福祉サービス等利用計画」ならびに「セルフプラン」を重視した支給決定基準にしてください。
〈理由〉:現在、「障害福祉サービス等利用計画」が義務化され、意思決定支援も重視されている現在、改めて支給決定において、客観的なケアマネイジメントと本人の意志、希望をどう反映させるかが求められます。神戸市は「セルフプラン」の割合が多く、相談支援事業者の整備が求められていますが、本人中心の支援に基づく同計画やプランを基本とした支給決定がなされるよう、本人が希望する地域生活が実現できるよう柔軟な支給決定基準にしてください。
(2) 週間プランに基づく支給決定
〈理由〉:希望する通常の1週間の地域生活を実現する週間プランに4.5週を乗じる算定方法により支給量を算定することが、障害当事者や支援事業者にとって分かりやすい物なります。
(3) 同居家族の有無によって支給量基準に差をつけることは止めてください
〈理由〉:日本においては長年にわたり、障害者の介護は大きく家族に依存し、家族の負担が時に悲惨な事件も生み出しています。家族がどこまで介護するのか、できるのかは、勘案事項調査による聞き取りで十分対応できます。障害者が家族と一緒に安心して生活していくためにも、支援が必要です。
(4) 一律の介護保険優先でなく、必要に応じて障害福祉サービスも利用できる支給決定基準
〈理由〉:・厚生労働省の通知、また兵庫県が委託して作成された「高齢障害者ケアマネイジメント充実強化事業」報告書では、個別性を重視し一律の介護保険優先を止めるようにとされています。年齢が変わっても必要なサービスが減じられてはならないと、支給量基準に明記してください。
(5) 深夜時間帯における居宅介護・重度訪問介護の支給量については、その人の障害状況や希望に応じ、現実的に健康が損なわれることなく安心して生活ができるよう、深夜帯加算を設け、それを加算した支給量基準にしてください。(※詳しくは、後掲の「各サービス毎の支給決定基準案」を参照ください)
(6) 区役所での1.5倍裁量は廃止し、支給量基準を増やしてください
〈理由〉:この裁量により、1.5倍の支給量が、あたかも上限のように区役所で運用されている実態があり、また、この裁量がある事により「基準」としての意味がなくなっています。様々な障害特性や生活形態により個別性はありますが、類型化された週間プランに基づく支給量基準をきちんと明示してください。また、現在の神戸市の標準支給量は利用実績の平均値を根拠とされ、地域生活実現に本来必要な支給量基準と利用実績とは意味合いが根本的に異なります。さらに、兵庫県下の複数の自治体と比べても現在の神戸市の標準支給量は、かなり低いレベルです。区役所での1.5倍裁量を廃止し、現在の標準支給量を増加した支給決定基準にしてください。
6月 12, 2019