【報告】 三田市知的障害者監禁事件 わたしたちは虐待をゆるさない集会報告
◆集会報告
なぜこんな事件が起こったのか?檻があり監禁されていた。プレハブ小屋にペット用のシートをひかれていて、そこでトイレをさせられていた。プレハブ小屋には普通のトイレがあったけど、そこではトイレをしない理由だけで、そうなった。本当に酷い話しだ。1960年代から三田市は福祉都市宣言をして福祉に力を入れていたのに!1991年に被害者の男性は大阪から三田に引っ越し。中等部を卒業してから。そこで療育手帳を交付された。次の年から監禁。三田市は家族から何度も相談を受ける。26年前から。三田市は知っていたが動かなかった。今年1月16日福祉関係者から市に通報。18日に初めて三田市は動く。土日を挟み、22日に再度動き障害者施設に入所させた。2月の半ばに三田市役所に取材が入る。2月22日に三田市は初めて警察に相談。三田市は監禁事件とは思ってなかった。虐待と思っていた。3月8日過去の相談記録調べる。なんで調べるのに時間がかかったかと言うと、書類が奥のほうに入っていたと言う理由。4月8日父親を監禁容疑で逮捕。
何が問題なのか?三田市が事件だと思わず隠し続けた。1月16日に状況はわかっていた。でも2月に動いた。時間がかかりすぎている。三田市の言い訳としては、監禁事件ではなく、虐待防止法のレベルだと思った。人が檻に入っているのに。市と県の職員が被害者本人に謝ってない。本人に会ってない。
課長補佐が施設に会いに行っている。施設に保護して終わりになっている。
実際檻より施設の方がマシとは思うが、地域で人間らしい自立生活ができることが大事。本当に意思疎通できないのか。被害者は障害があるから意思疎通できないと思われている。どんなに重度な障害者でも意思疎通ができると言って行かないといけない。本人が中心なのに、本人はおいてきぼり。お父さんが可愛そうという意見。家族が大変という問題にすり変えられる。本人の気持ちが一番大変なのに。
もうすぐ裁判が始まる。周りや家族が、大変だったということで温情判決執行猶予付きになりそうだ。今こうしている間にも監禁されている障害者がいるかもしれない。
○障害当事者のリレートーク
・知的に障害があっても地域で暮らしたい。地域の学校に行き、友達もいっぱい作り活動をしたい!
・私は地域で生活できて暮らしていてしあわせ。知的に障害があっても当たり前に生きたい!
・三田の事件は腹がたつ。悲しくなる。檻に入ると友達にも会えない。事件のことを新聞にもっと載せて欲しい。私は外にもっと出たい!
・25年間 42歳になるまでプレハブ小屋で監禁。そこで命が亡くなっていたら大事だと思う。役所も対応しない、ほっとかれたという事実に憤りを感じる。僕らは好きで障害を持ったわけではない。今は施設にはいるけど、地域で暮らしていけるように声をあげたいと思う。
・本人を主役にして欲しい。加害者の罪が軽くなるのはおかしい。下手をすると殺人事件になっていたかもしれない。早く入所施設を出してあげて、奪われた時間を本人にかえしてあげたい。
・障害者である前に人間だ。この事件は忘れてはいけないこと。
・檻の中に入れていた。当事者ではなく親が入っていたらいい。あの親はあかんと思う。殺人だと思う。逮捕された父親を釈放したらあかん。絶対許したらあかん。檻よりか施設に行けばいい。職員もいるのだし。
・早く地域で暮らして欲しい。施設は自由がないし、地域で暮らして欲しい。施設は安全でない。自由もないし。入所施設のみんなを地域で暮らしていけるように応援したい。
・この事件を聞いてお父さんは一つもわかっていないと思った。やっぱり親子で話ししないとあかんし親が悪い。被害者を檻に25年入れて、僕やったら嫌だと思う。なんで檻に入れたのかちゃんと聞きたい。
障害当事者の声をたくさん聞けてよかった。6月19日から裁判が始まる。
◆6月16日三田集会に寄せて
高瀬建三(いこいの場ひょうご)
2017年12月の大阪府寝屋川事件では柿元愛里さん(33歳)が、2018年4月に兵庫県三田市で山崎さん(42歳)が、「家族によって」閉じ込められ、『私宅監置※(座敷牢)』の結果、柿元さんは死亡、山崎さんは心身共に重傷を負った。
柿元さんは精神障害により、山崎さんは知的障害により、傍目を気にした家族に閉じ込められてしまった。なぜ、家族は傍目を気にしなくてはならなかったのか?
それは国・社会による隔離政策の結果だ。「弱い者は、役に立たない者は世の中から抹殺してしまえ!」という施策だ。その結果、社会的弱者である障害者は抗うこともできず、地域から、社会から隠ぺいされていく。消しゴムで消されるように社会から居なくなっていく。
しかし、それで事が終わることはない。そうやって隔離政策を推し進めていけば、外面上、「都合の悪い存在」は消されるかもしれない。だが、「抗いの種」はその度に地下から芽を出す。やがて大きな木となり、実をつける。
私たちの姿は、声は消せても「抗いの種」の根を絶やすことはできない。
私たち1人1人の声は、力は小さいかもしれない。でも、その根っ子は強い大きな「種」を持っている。やるならやってみろ!!私たちは負けない。私たちの「抗いの種」を止めることはできない。私たちは挫けない。
※「私宅監置」=1900年(明治33年)、治安の要請のため立法された「精神病者監護法」に規定。
~ 三田市障害者監禁事件 判決公判傍聴報告 ~
〈判決内容〉
主文 懲役1年6ヶ月
妻と共謀において長男を監禁。
檻に入れ、南京錠をしていた。不法に監禁。刑法60条。
6月27日、三田市障害者監禁事件の裁判が神戸地裁でありました。
傍聴に行きましたが、10分で判決が出て、憤りを感じて本当に涙が出てたまりませんでした。監禁された障害者は25年以上も檻に入れられて苦しんでいたのに、判決は一年6ヶ月、執行猶予3年。こんな判決許されないです!
障害者ではなく、健常者だったらこんな判決出なかったと思います。判決理由も反省しているし、前科がないこと、社会全体の配慮がなかったこと。ふざけるな!と思いました。
そんなことを理由にされたら、これから障害者は監禁されても仕方ないということになってしまいます。本当に障害者を軽く見ているとしか思えないです。
裁判が終わった後も怒りと悲しみでいっぱいになりました。檻に入っていた障害者のことを思うと、胸が苦しいです。私がその障害者の立場なら、本当に自分の障害のことを恨んでしまうかもしれません。こんなことが許されたら、障害者も周りの人たちも障害者を不幸な存在としか見られないと思います。私は障害者として生まれてきてよかったと思うし、他の人にもそう思ってほしいです!
みなさんこの問題を通じて、一緒に社会を変える取り組みを考えてほしいです!今日はたくさん報道機関の人も関心を持って来てくれていてよかったです。 (野橋順子)
■ こんな検察有り? 三田監禁事件 はまね かずお (NPO法人サニーサイド)
加害者・父親の言い分を100%認める検察・起訴状ってなに?
被害者・障害者の人権はどこに?
6月19日(火)13:30 101号法廷の傍聴をしました。
障害のある息子さんを30~40年にわたり檻(おり)の中に監禁した父親が出てきました。小さな声で早口で読み上げる検察官は証拠など一切示さず、加害者父親の言い分を読み上げます。曰く・・・
- 幼いころからコミニゥケーションが取れなかった。
- 乱暴な子であり大きな声を上げるため、近所から苦情の出ることもあった
- 公的支援(施設)は亡き妻が断った。
- だから檻に入れた、南京錠をかけた。
- 床には犬猫の糞尿に使うシートを置き垂れ流しを続けました。
- 私は仕事で忙しく、面倒は見れなかった。
そして、「懲役1年半を求刑をします。」と。
1週間後の次回公判が判決日とのこと。 唖然とします。 裁判官も一人です。
被害者の姿は法廷にはありません。父親の陳述・供述を証明するものは一切出てきません。又、それを出そうともしない検察官。被害者の方は高さ1M(180cm×900cm)くらいの檻に入れられたが為なのか、腰がかなり曲がっているそうです。 眼も見えないそうです。内臓に疾患はないのでしょうか。歯の状態は? 健康状態は?医師の診断書は? 出ていません。 父親の傷害の疑いもあります。それも不問にする検察官。父親は保護遺棄責任も問われていません。父親は障害者の福祉金・年金が目当てだったのだろうか?
どこに公平な裁判があるのでしょう。どこに刑事訴訟法があるのですか!こんな雑な仕事、雑な裁判を許してはいけません!
わたしも障害者の親です。こんなでたらめな親を許してはいけないと思います。40年にもわたって監禁した父親が許されるはずはありません。「父親も大変だっただろう」って?? 違います!!
大変だったのは被害者です。動物以下の待遇をする親のどこが大変なんでしょう!
被害者には弟・妹さんがいらっしゃるそうで、目の前で兄が監禁されている姿をみる日々。これは、弟・妹さんへの虐待ではありませんか。
2016年7月、神奈川県相模原市で1945年以降最多の殺人事件が起きました。19名の障害者が一人の男によって殺されました。犯人は「正しいことをやった。」と反省のかけらもありません。その時、政府は世の中の危機を言わず、逆に精神保健福祉法の改悪をしようとしました。障害者一般に責任を押し付けようとしました。障害者の抗議に破綻しましたが、今も政府は、変わらず障害者をおろそかにしています。
そんな中、いま三田で監禁事件が起きています。しかも、1回の公判で立証責任を放棄した検察官のおかげで、初公判からわずか1週間で判決です。これは日本の裁判制度の崩壊です。
弁護人は求刑に対し「執行猶予のお願い」をしていました。もしここで執行猶予の判決が出たら、父親はまた保護者として登場します。ここまで障害者がないがしろにされてよいものでしょうか。
セクハラ・パワハラをした人の再登場と同様です。
これは
「障害者に人権はない」
「障害者に少々の暴力を加えても、検察官・裁判所が守ってくれる。」
「障害者への暴力が多いのは仕方のないこと、たいした事では無い。」
との世間へのメッセージになりませんか。 とんでもない!
私も3人の子どもを育ててきました。44才になった息子あきらを挟んで2つ上の兄、7つ下に妹です。
自閉症といわれてきたあきらとの生活は波乱万丈でした。私の今までの価値観をめちゃクチャに壊され、悩みぬきました。しかしあきらは元気に育ちました
これは私の力ではなく、一緒に育ってきた子ども達、保護者の方、先生方がいっぱい、いっぱい助けて下さったからこそ、何があっても暮らしてこれたと思います。感謝、感謝です。
親は子に対して力があります。力で抑えようと思ってしまいます。世間は「しつけ」等と見過ごしてしまいがちで。違います虐待です。
Y氏のような親を許してはならない!と思います。
Y氏は障害者の親の代表ではありません。
こんな人が障害者の親であることに憤ります。
Yよ!出まかせを言うな!
自分の都合だけで物を言うな!
検察官・裁判官は立証責任を果たせ!
判決日を延期し、慎重に審議を進めてください!
■三田の監禁 障害者の気持ちは… 事件受け集会
毎日新聞2018年6月17日 地方版
https://mainichi.jp/articles/20180617/ddl/k28/040/200000c
模型を使い閉じ込められていたとされる檻の大きさを説明する関係者ら=兵庫県三田市の市まちづくり協働センターで、粟飯原浩撮影(上の写真です)
三田市で障害のある男性が父親らに自宅の檻(おり)に閉じ込められたとされる事件について考える集会が16日、市駅前町のまちづくり協働センターであった。障害者が事件への思いを次々と語り、「監禁された障害者の気持ちに寄り添え」などと宣言した。障害者支援団体「自立生活センター三田」が主催し、約70人が参加した。
市や県への聞き取りや報道から、事件の経緯などを説明。リレートークでは「父親が可哀そうという意見にすり替わってはいけない。大変だったら監禁していいのか」などと、障害者7人が思いを述べた。
同センターの吉田みち代表理事は「三田市が真剣に事件の問題点に向き合い、障害者に寄り添っていくことを願う」と話した。【粟飯原浩】
7月 6, 2018