【事業所交流会】 第12回「障害者の地域生活を支援する」事業所交流会の報告
野崎泰伸(障問連事務局/拓人こうべ)
4月8日、第12回事業所交流会が神戸市勤労会館にて行なわれました。朝の10時半から夕方16時半までと長丁場でしたが、約60名の参加者がありました。
午前の部は、障大連(障害者の自立と社会参加を目指す大阪連絡会議)の細井清和さんを講師に迎え、主に今春からの報酬改定について、障害者に関する制度政策の、とくに現場レベルでのお話をしていただきました。具体的な内容については細かくなりますので一つひとつはご紹介できませんが、報酬改定による変化について、現場で留意しておかなければならないことについて数多くのレクチャーをいただきました。「行政が開く事業者向けの説明会よりもずっとわかりやすかった」という声が上がったのは、ひとえに細井さんが現場を知り尽くしているからこそポイントがわかっておられるのだと感じました。
昼食休憩時にも細井さんに居ていただき、各個人や団体からの個別の質問にお答えいただきました。
午後の部は、分科会に分かれて行いました。最初の分科会は、「初任者、若手対象/訪問系/通所系/グループホーム」に分かれました。私が参加した「初任者、若手対象」分科会では、各事業所の抱える問題(工賃向上、グループホームのスプリンクラー設置問題)が挙げられました。次に、意思決定支援をめぐって、細井さんから強度行動障害、虐待、利用者への呼称などについて話題提供がありました。最後に、若手であってもさらに経験の浅い学生アルバイトやボランティアに教えなければならないことはあり、その際の心構えを細井さんからアドバイスいただきました。
午後の部2つめの分科会は、障害種別(身体/知的/精神)の分科会でした。私が参加したのは「身体」の分科会です。まず、身体障害ならではの感じ方として、他の障害者に対して申し訳ないであるとか、比較的制度は他の障害よりは恵まれているとか、率直な話しが出ました。また、歩ける肢体障害者と車イス障害者との差として、車イス障害者の割引問題や、世間からの眼差しの問題が提起されました。タクシーに乗車拒否されるのにタクシーチケット配布はおかしい、という意見も出ました。身体障害者の介護はするけど知的はしない(あるいはその逆)介護者の話もありました。今後の運動における世代交代の話も出ました。
私は今回、はじめての参加だったのですが、時間の長さを感じさせない濃密なものであったと感じます。前半後半を通して、とくに若い世代の方々により多く参加してほしいと思いました。同じ事業所の同じ顔ぶれと顔を突き合わせるだけの毎日では、行き詰まってしまい、そこで発生する問題も解決できなくなるかもしれません。「事業所交流会」で、他の事業所の方々と問題共有をすることによって、解決への道筋が開けてくるかもしれません。次回は7月15日(日)に開催予定ですので、ぜひともご参加ください。
5月 5, 2018