介護保障

【報告/案内】 障害者の介護保障を考える会の取り組み

星屋和彦(障害者の介護保障を考える会・事務局)

 

次回介護保障を考える会・例会のご案内

日時:2月12日(月・祝日) 13時半から16時半

場所:神戸市障害者福祉センター 会議室

興味がある方、介護のことで困っておられる方などぜひご参加ください!

 

■前回の例会報告

昨年12月23日(土)に行われた「障害者の介護保障を考える会」第15回・例会の報告です。昨年10月に開催した介護保障全国ネットとの合同シンポジウムを終えてから初の例会となった今回は、初参加の市会議員の小林るみ子さんや、弁護士4名も含め総勢16名での例会となりました。

 

●相談事案

相談ケース1: 障害サービスと介護保険サービスの併用問題について。神戸市にお住まいで、元々が介護保険要支援2で、最近、体調の大きな変化もあったのに、今回の介護認定調査でも要支援2のままだった。介護保険での介助時間も増えず困っているという相談。

介護保険の区分変更をして、介護度を見直してもらうという方法もある。しかし介護保険での介護度が重くなり、介護保険支給限度額が増えても、自己負担額も増えることになる。

神戸市では2017年2月に「介護給付費等と介護保険との適用関係について(神戸市の取扱基準)」http://www.city.kobe.lg.jp/life/community/handicap/oshirase/kaigokyufukaitei.htmlを改定した。その基準に基づいても、この方は現在の介護保険支給限度額を使いきれば障害サービス(居宅介護や重度訪問介護)が上乗せ支給できる、ということが確認された。その方向で計画を見直していくことも検討してみることに。

 

相談ケース2: 同じく神戸市の相談。以前の報告にもあったように、現在神戸市では、「生活保護の『他人介護料』の申請をしたい」というと、区の保護課から「他人介護料はもう出ない」と言われる。一方、弁護士によると、他人介護料は制度としてまだあるので絶対申請できる、とのこと。

アドバイスに従って、今回、区で他人介護料の申請をしてみると、「介護時間支給決定の非定型審査会にかけた結果が出てから他人介護の申請をしてほしい」と区から言われたとのこと。今までの話し合いの経過や信頼関係もあるので、今回は結果を待ってから申請することにしたそうです。

区の生活保護課が、「保護課は障害の専門性がないので、障害福祉の判断を待ちたい」(障害福祉での介護支給が決まるまで他人介護の申請をされても判断できない)といってくることもあるという話が出ましたが、それに対しても弁護士からは、「保護費には『重度障害者加算』などもあるので、障害の専門性がないというのはおかしい」、という意見もいただきました。

 

相談ケース3: 弁護団方式で神戸市・区と交渉している方の経過報告。昨年末に県へ審査請求の書類を提出。その書類に対し、行政から「弁明書」、それに対し「反論書」提出などやり取り続く中で、県の審議員に直接「口頭意見陳述」をおこなってきたそうです。意見陳述の場には審議員だけでなく、区と市の双方の障害担当も出てきており、本人や弁護団から意見を述べたり質問も出来たそうです。いつもは「市がこう言ってるので…」とか「区の判断に任せています」など別々に答えられて、はぐらかされてきたことが、この場で行政の意見や立場をはっきりさせることが出来、争点がより一層はっきりしたそうです。今後は、審議員の意見書と審査請求の結果待ちとのこと。

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