介護保障

【介護保障】 「地域で暮らせるガイドライン」連続セミナーにご参加を!!

障問連事務局

◆連続セミナーを通じて神戸市に提言しましょう!!

神戸市当局は既に、西宮市・豊中市・札幌市の支給基準等を下に内部検討会を行っています。当事者や関係団体等の意見は「効果的に反映させる方法を検討する」としかされておらず、当事者参画が不十分なまま決定されてしまいます。そこで、「連続セミナー」実行委員会を立ち上げ、この間、会議を重ね準備し、各障害者団体や相談支援事業者、神戸市各区の支援センター、居宅支援事業所等に呼びかけています。皆さん、ぜひご参加ください。以下、「連続セミナー:趣意書」から抜粋します。

 

◆連続セミナー開催の理由と意義

兵庫県内各市のガイドラインと神戸市のガイドラインの大きな相違は以下の点が上げられます。

○多くの市町ではホームページ等で公開されているのに対し、神戸市のガイドラインの詳細は「支給量審査基準」として、情報公開請求しなければ見ることもできません。

○神戸市で公開されている「支給量基準」は時間数のみ列挙された極めて簡易なもので、支給量決定に至るプロセスや理念すら明記されていません。

○介護保障は障害者にとって生きていくための最低限の権利です。そのような権利性がきちんと担保されていない運用が見受けられ、その根本に神戸市のガイドラインの在り方があると考えます。

○私たちの周囲では、支給量に関して窓口の画一的な対応や、ガイドラインの数値が上限であるかのような対応が往々にして見られ、ガイドラインがうまく機能していない実態があります。

 

そして「ガイドライン」の位置づけについて、「障害者制度改革/総合福祉部会」骨格提言(2011年8月30日)では、次のように述べられています。

・ガイドラインは障害者が住み慣れた地域で生活していくために必要な支援の必要度を明らかにすると共に、その人の生活を支援する支援計画を作成する過程において、何が公費により利用できる福祉サービスであるかを明らかにすることを目的に作られるものである。

・ガイドラインで示す支給水準は、障害者権利条約に規定されている障害者の「他の者との平等」や「地域生活の実現」を基本原則にするべきである。この基本原則に基づき、障害者の支援の必要度を類型化し、類型ごとの標準ケアプランに基づく支給水準を示すべきである。

そして同「骨格提言」では「ガイドライン策定協議の意義」について、以下のようにされています。

策定にあたっては、当事者(障害者、家族及びその関係団体等)と行政、相談支援事業者、サービス提供事業者等の関係者が参画し、地域のその時点での地域生活の水準を踏まえ協議しなければならない。この策定過程を通して、当事者、行政、事業者の協働が生まれることが期待される。

障害の種類や程度、生活スタイル、本人や家族の希望など、当たり前に人の暮らしには個別性が高く、画一的な基準では十分に対応できません。大きな枠組みとしての基準と個別性にも配慮でき、何より、当事者や家族にとって、示されるガイドラインにより、「地域社会でこんな支援が受けられるんだ」と勇気づけられ、エンパワーメントされるようなあり方が理想ではないかと考えます。

また、骨格提言で記されているように、「当事者・行政・事業者」の協働関係を私たちの強く望みます。そして、みんなが協働して、障害のある人の地域生活を推進していく、その基本型がガイドラインで示されている、私たちは強くそう願います。

 

◆移動支援に関わり、神戸市がとんでもない指導を行っています

移動支援は障害者の社会参加、生活上においても豊かな暮らしの実現においても、極めて重要な事業です。昨年度オールラウンド交渉でも、障問連に寄せられた相談、プール利用における問題が紛糾しました。交渉では、神戸市障害者支援課も認識を正すような姿勢が見られましたが、しかし実態は真逆で、様々な問題が当事者から寄せられ、神戸市担当事務局が対応に追われています。

 

○電動車いすは「自走」だから認められない!!

電動車いす利用者ですが、全介助が必要な重度障害者が移動支援の利用申請したところ、区役所から申請が却下されたと関係者から障問連に情報提供されました。区役所担当者は「今までは間違って出していた。今まで出している人を無くしたり出来ないが、新規は認めない」と言われたとのこと。とんでもない事態です。移動中にもトイレに行く、切符を買う、身の周りのこと等様々な支援が必要です。そして障問連事務局が神戸市担当者に問い合わせてところ、要綱が示され「自走できる者」は対象外だと説明されました。しかし常識的に「自走」とは、自分の力で車いすを押せる人であって、電動車いすは「自走」できないから利用しているのに、このようなとんでもない解釈に基づき、十分に実態も把握せず、本庁担当者の思惑だけで区役所を指導しているのです。

 

○「医療的ケア」は移動支援中は認められない??

関係団体からの紹介で障問連事務局個人への相談から発覚しましたが、医療的ケアが必要な車いす障害者の方で、移動支援の利用申請を区にしたところ、区は一旦認めたものの、改めて区が本庁に問い合わせたところ、「移動支援内に医療的ケアは認められません」と利用申請を却下しました。この相談を受け、兵庫県担当部局、厚生労働省に事務局が問い合わせました。いずれの回答も、「ヘルパーが喀痰吸引等の研修を受け、事業所として県に登録し安全が確保される体制があれば実施しても良い」という当たり前の回答です。それを踏まえ神戸市障害者支援課に折衝したところ、「利用を認めないとは言えませんが、良いとも言えない」「検討している最中、しかしいつ結論が出るのかは分かりません」と、全く理解ができない回答に終始しましたが、すでに申請は却下されているのです。

 

○今後に向けて

移動支援が認められない、それは当事者にとってみれば外に出られないと宣言されるに等しいことであり、権利が奪われているのです。神戸市担当者にそんな当事者の痛みが少しでも理解できるなら、こんな対応はできません。オールラウンド交渉での議論、そして上記の事態も含め、障問連として2月内に神戸市障害者支援課との話し合いを行います。また連続セミナーでも「移動支援サービス」も課題として取り上げます。

« »