オールラウンド交渉 国/県の制度

【報告】 兵庫県とのオールラウンド交渉報告

障問連事務局

兵庫県中央労働センターにおいて、9月19日、11月13日の2回、兵庫県関係部局との交渉を行いました。年々、時間制限が厳しくなる中、課題ごとに2回の意見交換、時間も2回合わせ4時間の枠を維持して行いました。また主に議論すべき課題を絞り、文書/資料回答については、当日は基本協議しないこととました。以下、項目ごとに報告しますが、とりわけ、昨年の井戸知事による発言、それにも関連した過去の「不幸な子どもの生まれない運動」に関する回答は全く受け入れられるものでなく、全般的にも差別解消条例への否定的な見解も含め、障害者の人権を重視し共生社会に向けた積極的な姿勢はなく、改めて県の役割を果たすよう求めていきたいと思います。以下、報告します。

 

■  人権の視点から見た兵庫県の障害者施策について

【井戸知事による記者会見での発言】

〈要望〉:2016年8月1日定例記者会見での井戸知事の「退院、退所といった時には、客観的な第三者機関などできちんと判定がなされた上でなければ社会にカムバックさせないというような安全装置をきちんと作る必要があるのではないかと感じました」との発言は差別発言ではないか?県の認識について。

〈回答〉:「措置すべき症状が改善されれば速やかに措置は解除すると知事には説明しています」

〈交渉内容〉:昨年度交渉でも「この知事発言は誤解を招くものである」と回答された。不適切な発言であるなら速やかに撤回し説明責任を果たすべきだが、今も県のホームページに掲載されている。社会の安全のため簡単には退院させない、精神障害者が危険な存在であるとの偏見を助長するものであり、ホームページ上からの削除を求め、何らかの県の認識を掲載すべきではないかと要望したが、県は沈黙し平行線に終わった。

 

【兵庫県の過去施策への認識について】

〈要望〉:「不幸な子どもの生まれない運動」に対する反省や現時点での県の見解、ならびに兵庫県下での優生手術の情報開示について。

※「不幸な子どもの生まれない運動」を評価する記述が「子ども病院移転記念誌」にあり、それに対して市民団体が11/1に要望書を提出し、障問連も賛同した。それへの対応が県として協議中であるため、先んじての回答はできない事を前提に話し合った。

〈回答〉:市民団体への回答は11月末までに行うが、文書回答になるか話し合いの場を持って回答するか、現時点では分からない。

→ 優生手術の情報開示については、前回回答で県民情報センターで閲覧できるとのことでしたが、古い資料は保存されておらず閲覧できなかったことを報告し、仙台や全国各地で優生手術の被害に対する人権救済の取り組みが行われており、決して過去のことではなく被害は継続していることを伝え、改めて兵庫県の過去施策に対する反省を迫った。

 

■  障害者差別解消法に関わる課題

〈要望〉:知事の2月県議会答弁を踏まえ、実効性のある条例制定を要望。

〈回答〉:事業者等の合理的配慮の提供は、障害者がここの場面において直面する社会的障壁を除去するために、事業者が人的資源等の個別の状況を考慮したうえで対応可能な範囲で提供に努めることとされている。県としては事業者に対して研修講師や合理的配慮アドバイザー等の派遣を通じ、差別解消法の概要や合理的配慮のあり方等、周知する施策に力点をおくことで、創意工夫による自主的な取り組みを促していきたい。また差別に関する明確な定義がなく「正当/過重」の明確な判断基準がないため、地域等によって考え方が違うと聞いている。調停や斡旋については法務局の人権救済制度と結合させるなど、全国統一的な仕組みが必要。事業者への指導という点では条例の有無にかかわらず、法により主務大臣が行政指導が行う仕組みがある。行政指導の一段階上である行政処分までにレベルを上げるとすれば、条例でなく法改正での対応が必要になる。その前提を踏まえ、条例を必要とする論拠が現時点では見出すことはできない。

※【ユニバーサル条例について】

〈口頭回答〉:「ユニバーサル社会づくりの推進に関する条例」は現在、策定すべく検討している。ユニバーサル社会づくりということですので、障害者・高齢者・妊婦・外国人すべての方を対象とする。現在ある総合指針を条例に基づく総合指針として考えています。県としては4月施行を目指し、2月県議会で提案する方向です。条例案をパブリックコメントは年内から年明けに予定。

→ 9月交渉では「2月県議会を目指したいが間に合わないだろう、6月議会が現実的」との回答であったが、2月に前倒しになった。このように幅広い内容にもかかわらず、なせそんなに拙速に進めるのか、当事者の参画のあり方、差別解消や権利擁護が盛り込まれるのか等、私たちは言及したが、「具体的な条例の中身は言えません」という回答だった。

 

■  街づくり・交通・バリアフリーに関わる課題

【駅舎等のバリアフリー/進ちょく状況】     (回答):別資料参照

【ノンステップバス等の導入率】         〈回答〉:別資料参照

【駅舎のホームドア等】

〈回答〉:今後の見通しについては神戸市営地下鉄西神山手線の三宮駅に平成29年度中に設置、JR三宮駅、JR明石駅については平成29年度より事業に着手し1年ではできないので年度をまたぐ。来年度以降は一日乗降客数10万人以上の駅を対象として取り組んでいきたい。

 

【高速走行バスの車椅子乗車】

〈回答〉:導入するコスト、座席数の減少によりなかなか進まない現状にある。県としては公共交通バリアフリー化促進事業に基づき、リフト付きバスを補助の対象とし、その制度の活用を各事業者に働きかけていきたい。

〈口頭回答〉→国は高速空港バスの25%のバリアフリー化の目標だが、県としての目標はない。

 

■  労働に関わる課題

〈要望〉:「知事部局」「警察」「教育委員会」それぞれの2016年度の障害者雇用率について。

(文書回答):知事部局:2.66%、警察本部:2.83%、教育委員会:2.15% (平成28年6/1現在)

〈要望〉:兵庫県内公立学校の障害種別ごとの2016年度の雇用状況について。

(文書回答)

○小学校・・・身体 85人

○中学校・・・身体 67人、精神 1人

○特別支援学校(市立)・・・身体 6人

○特別支援学校(県立)・・・身体 39人、精神 2人

○高等学校・・・身体 58人               (※平成28年6/1現在)

 

■ 障害福祉サービス等生活支援に関わる課題

【セルフプランの位置づけ】

〈回答〉:セルフプランは本人のエンパワーメントの観点から望ましい。各市町や事業者にも研修の際に伝えている。なお申請者が希望することが前提。一部、本人の希望によらないセルフプランへの誘導がある例もあり、それは不適切である。

 

【県として国への要望事項】

〈回答〉:様々な機会を活用し、近畿府県の主幹課長会議、16大都市主幹課長会議等を通じ、または県単独で国に対し要望している。通勤通学については県単独で要望している。グループホームのヘルパーの個別利用については現在、国の方で経過措置の延長が検討されていると聞いている。国庫負担についても自治体の負担超過によりサービスの利用制限につながりかねないので国できちんと対応してほしいと従前から要望している。

 

【重度訪問介護/対象拡大】

(文書回答):29年度上期においては・・・

尼崎市2名、明石市1名、西宮市11名、芦屋市1名、伊丹市9名、豊岡市1名、佐用町1名(計26名)

 

【入院時コミュニケーション支援事業】

〈要望〉:県内各市町の利用状況(2016年度の利用人数/利用時間)について。

(回答):別資料参照

〈要望〉:来年度からの入院時の重度訪問介護利用と現在の各市町制度について

〈回答〉:平成30年4月施行の国施策ですが、対象者についてはまだ具体的に提示されていない。県としても情報が無いと動きようがない。県としても必要な実態を把握したうえで柔軟に対応するよう各市町にも関係の主管課長会議で伝えている。

 

【介護保険との適用関係  重度訪問介護との関係】

〈回答〉:重度訪問介護の中の居宅内での介護は介護保険と一定の共通サービスはあるものの、外出時の移動時間も含めた連続サービスもあり全てを介護保険で対応できるものではない。個々の利用状況も踏まえて判断する。

 

【介護保険との適用関係  各自治体の対応】

〈回答〉:各市町の職員対象に適用関係の研修会の開催を今年度の後半、来年初めに予定している。従来から障害サービスと介護保険をつなぐ研修を相談専門員やケアマネさん中心に「つなぐ」という趣旨で研修をしているが、やはり行政もしっかり認識してもらう必要があるので行政対象に研修をする。サービスの適用について一律に介護保険優先とせずに申請者が希望するサービスが介護保険での対応が可能か否かを見極め、障害福祉サービスの利用を適切に判断してもらいたい。昨年度の市町主幹課長会議でも一律優先ではないということは各市町に伝えている。その人らしい生活がどうすればできるのか、そのような視点で判断してほしいと伝えている。

→ 尼崎では一律に要介護5以上でなければ重度訪問介護の上乗せ支給を認めない運用が不適切かどうかの意見交換を行った。県として「各市町でばらつきがあることは認識している。支給決定は各市町が行うもので不適切だから改めなさいとまでの指導はできない」。回答にあった各市町に対して行う研修資料について情報提供を要望し、開催後に提供してもらうことになった。

→ 家事援助は介護保険との共通サービスになるが、視覚障害者の代読等は介護保険では認められないことについて質問が上げられた・・・県回答:「一見同じように見えても違う場合がある。同一でなく類似サービスとして説明しており、中身において法令上の規定が異なる場合があり、ご本人の状態要望を見て適切に判断されるべき」

 

【難病者の利用状況】

〈文書回答〉:平成28年度に難病患者等で障害福祉サービス・地域生活支援事業を利用した者は、政令市・中核市を除き、14市町51名となっている。障害福祉サービスでは、居宅介護の利用が最も多く、次いで就労継続支援B型、就労継続支援A型の順となっている。 (※昨年度実績は12市町 27人)

 

【移動支援  中抜き問題】

〈回答〉:地域で生活する障害者のニーズを踏まえて実施主体である市町が地域の実情に応じて詳細な内容を決める。中抜き問題についても、どのように算定するのか等は一律には定められていない。県としては各市町の実施状況の把握に努め、その結果を各市町にフィードバックする、またニーズに応じた対応を各市町にお願いする。

→会場から尼崎の中抜き問題、神戸で身体障害者がプールの利用に際して移動支援でプールは認められない等の対応が訴えられた。

→県は「プールが移動支援の不適切な利用とは思わない」と回答しつつ、しかし地域生活支援事業なので県から市町に指導はできないと繰り返した。

→利用を認めないことは障害者の移動先・行動を制限するものであり差別解消法上の見解を担当者に聞くと、「機会の平等は担保されるべきだとは思います」。

→淡路市の加盟団体からは、賭け事を目的とせず馬を見たいために競馬場に行く事を、目的地として不適切と事業所に言われ、市町も同様の判断のようで移動支援ができない。その方は重度の知的障害で長年にわたって家族と行かれていた。家族亡き後、移動支援として利用したい。

→県は「差別解消法上は障害のある人もない人と同様の機会は与えられるべきだが、公費によるサービスをギャンブル場にいる事で市民感覚としてどうなのか、ギャンブル目的ではないと理解されにくい面もあるのではない」と回答した。

 

【地域生活支援拠点について】

〈文書回答〉:平成29年10月末時点で、整備済みの市町も含め10市町が今年度中の整備を予定しており、整備類型については面的整備型が7市町、多機能型と面的整備型の融合が2市町、未定が1市町となっている。また、備える機能は市町により異なっている。残りの31市町のうち、平成30年度中の整備を予定しているのが3市町、未定が28市町となっている。

 

【地域活動支援センター補助金/地域格差による不合理】

〈回答〉:地域活動支援センターは地域生活支援事業で市町の必須事業として行われ、県としても市町が行う事業に対する補助として自立生活の促進のためにも円滑な運営補助を行っていきたい。他市町からの利用も県として上乗せ分については県として補助している。もし要望のような事例があれば、別途市町と調整したいと考えている。

→ 芦屋と西宮の事例。県として確認してほしいと改めて要望した。県として調べると約束した。

 

【グループホーム スプリンクラー設置の義務化】

〈要望〉:スプリンクラー設置について柔軟な実情に応じた対応を求める

〈回答〉:本県としては施設における防火安全性の確保を図り利用者が安心して暮らせることが第一と考えており、簡易式も含め設置基準に沿ったスプリンクラーの設置は必要と考えています。なお本県としては、グループホームにおける消防設備等の設置促進のため、既存の施設整備費とは別の補助制度を創設するよう国に要望している。

→ 淡路の加盟団体等から人的に手厚い支援している実態をきちんと見てほしいと要望した。

 

■  入所施設のあり方~地域移行

〈要望〉:兵庫県内の障害者支援施設の、外出/食事/就寝等の実態について。

(文書回答):調査項目への対応状況は、施設ごとに対応は異なるものの、相応の人手や労力を要することから、現実的には対応が難しい状況にある。

 

〈要望〉:「真に入所が必要な障害者」について

〈文書回答〉:厚生労働省が定める介護給付費等に係る支給決定事務等に係る事務処理要領において規定している施設入所基準「生活介護を受けている者であって障害支援区分が区分4(50歳以上の者にあっては区分3)以上である者」ほか3区分に該当する者で、在宅生活の継続が困難なため施設入所が必要と認められる者のことを簡潔に表現したものである。

 

〈要望〉:施設入所者の移動支援利用を促進してください。

〈文書回答〉:各施設において十分対応していると思われるが、要望の趣旨については再度各施設に周知したい。

〈要望〉:施設入所者の移動支援を実施している各市町の2016年度の実施状況を回答ください。

〈回答〉:別資料参照

 

■  精神障害者問題に関する課題

【継続支援/措置入院者支援委員会】

〈要望〉:「継続支援」ならびに「措置入院者支援委員会」の、話し合い時点までの実施状況について。

〈回答〉:平成29年度はまだ集計していない。

・「措置入院者支援委員会」・・・平成28年度1件、平成29年度0件です。

・「継続支援」・・・兵庫県の継続支援は措置入院者以外も含めて治療が途切れがちな方、地域の中で孤立しそうな方に13健康福祉事務所で支援している。家庭訪問や入院中であれば病院に訪問して面接している。平成28年度は74人を対象にスタートしている。そのうち半数の37人が措置入院者。支援の期間は他サービスを使ったり病状が落ち着いた段階で終了となる。74人のうち15人が終了した。

 

〈要望〉;「継続支援」「措置入院者支援委員会」の廃止、警察の関与、運用について

〈回答〉:病状、家庭状況により違うが、退院にあたって必要な支援者が集まり話し合う。警察が支援者とし入る場合は、ご本人が妄想等で苦しまれ警察等に関わられたりする場合、退院後もより速く調子が悪くなるの支援者がキャッチし、いい形で医療や支援機関と相談しながら地域で生活できるようにしていく時には、一緒に支援する一員として警察とも情報を共有している。ただ警察の関与をご本人が嫌がられたり、個人情報であるため最小限の関係機関の中で情報共有している。

〈回答〉:

・「その方が退院後どのような生活を望まれ、継続支援チームがどのような形で支援していくのか」について警察とも情報共有している。

・措置入院の場合、ほとんどの場合が23条通報で警察が関わっていますが、実際には警察にご本人が何度も行かれたり電話されたりしているため、警察もご存知のケースになる。退院して何かあった時に大騒ぎになりすぐ警察が保護して病院に連れて行くのではなく、最近の様子や情報を共有して継続支援チームに警察から連絡が入れば、保健士やヘルパーさん等と一緒に訪問し、最近の様子、生活のしづらさ、服薬が難しいのかなど、まず本人にお伺いする。

・ご本人の情報は警察だけでなく他機関も含めて、支援に関する情報の共有に関する事だけです。

・国会での法律改正の状況にもよるが、国の付帯決議や今後示されるガイドラインも視野に入れつつ、今実施していることがすべてだとは考えていませんので、皆さんのご意見もお聞きしながら、地域としてどういう形でしていくのか、地域移行、入院者がどうすれば力を発揮して地域生活していけるのか、今回は措置入院者と言うことはありますが、治療が中断しそうな方も含めて、基本的には障害者の方がその人の望む暮らしをどうすれば実現できるのか、他の支援者と共に行政が支援していけるのかと考えています。

・知事の発言は誤解を与える発言であったと思うが、知事が第三者機関を設置するという発言によって私たちも検討していくことになったが、一番大事なのは措置入院自身がご本人にとって望むことではないので、措置症状が無くなった時点で直ちに解除すべきだということが基本的な理念として、精神班や今委員になっている医師と相談し、そのような事を知事に申し上げる中で、全ての措置入院者がこの第三者機関を通らなければ解除されないわけではない。ただ難しい案件、指定医師が判断に迷うのであれば、より専門的な機関に相談することができるという形で設置した。

【精神障害者の介護保障等、地域生活】

〈要望〉:精神障害者に特化した居宅介護、移動支援、グループホームの2016年度の各市町毎の利用者数・利用時間について資料で持って回答してください。

〈回答〉:別紙資料参照

【長期在院者の地域移行について】

〈要望〉:長期在院者の減少率は全国比で兵庫県は低位、今後の方針を聞きたい。

〈回答〉:県全体を見ると一年以上の長期在院者は減少傾向にあるが、圏域ごと病院ごとに見ると差異がある。原因は入院者の年齢構成、疾患の状況、地域の社会資源、地域移行地域定着支援の利用率等が考えられる。今年度からより一層の推進を図るため、地域移行地域定着推進事業として、芦屋・加古川・豊岡・朝来の4圏域の健康福祉事務所で国の補助事業という形で事業を行う。関係者が集まり課題抽出し、また入院者に退院喚起するよう個別面談を行うプログラム、精神科病院職員への研修を行う。これらの圏域以外でも地域移行は進めていく。第5期計画の地域移行の数値目標は、国が定める推計式に則り定めること、また保健医療福祉関係者による協議の場の設置を第5次計画にあげ取り組みを進める。

 

【長期在院者の退院率/退院先について】

〈回答〉:

・兵庫県下の精神科病院における長期(1年以上)在院者については、2016年6月末時点で6,286人となっており、前年度の同時点の6,486人と比べて減少している。

・また、2015年6月に入院した患者の退院先の内訳は、家庭復帰等73.6%、グループホーム・ケアホーム・社会復帰施設等12.5%、転院・院内転科10.7%、死亡3.2%となっている

 

【重度かつ慢性について】

〈要望〉:国の「あり方検討会」での「重度かつ慢性」に対する兵庫県の認識を聞く

〈回答〉:「重度かつ慢性」は国の厚生労働科学研究費により組織された研究班が作成した基準。精神科病院に入院した後に、適切な入院治療を継続して受けたにもかかわらず、1年を越えて引き続き在院された方のうち精神症状が一定以上の重症度を示し行動障害もしくは生活障害のいずれか、両方が基準以上の場合に「重度かつ慢性」の基準を満たすとされている。同時に平成29年2月にとりまとめられた「これからの精神保健福祉のあり方検討会」報告書では、「重度かつ慢性」については、より配慮された名称、適切な基準になるよう常に検討が必要と付言されている。兵庫県として、国が示す「重度かつ慢性」の基準を満たしているというからといって、地域移行の対象から外すということはあってはならず、あくまでご本人の状態に応じて適切な治療により、できる限り退院に近づけていく必要があると考えている。

 

【精神医療審査会について】

〈要望〉:兵庫県の精神医療審査会の2016年度の開催回数と審査件数について。

〈文書回答〉:合議体による審査を45回開催し、延7,710件の審査を実施しました。

→1回あたり平均約170件の審査になるが時間は?

〈口頭回答〉→「1回3時間程度。書類による審査と退院請求や処遇改善請求があった場合には、合議体の5人の医師のうち2人が病院に行き聞き取り調査があり、それについての結果の審議をしないといけないので、それがある場合にはもう少し時間がかかる」

 

【精神科病院での身体拘束について】

〈要望〉:平成28年度の「身体拘束」を行った精神科病院数と身体拘束の件数について報告ください。

〈文書回答〉:平成28年度精神保健福祉資料(630調査)では、県下29病院(神戸市除く)のうち22病院が身体拘束を実施しており、総数は209件となっています。身体拘束については、自殺企図または自傷行為が著しく切迫している場合、多動又は不穏が顕著である場合や、その他放置すれば生命に危険が及ぶおそれがある場合のみ行動を制限できることとされました。

〈口頭回答〉→ご本人に生命の危険、病状が悪く不穏な状況でその方の安全を守るため以外での身体拘束はないと考えていますし、身体拘束する場合でも、いくらその方の精神症状が悪い状態であったとしても、きっちりと指定医が説明し解除にあたっても説明し、拘束中は頻回に観察する。630調査は病院からの回答なので、そこまでは分からないが、年1回は実地指導・審査により保険所が入るので、隔離拘束されている患者さんを診たり話をするので、そこでチェックする。基本的には隔離拘束がない状態が望ましいが、それができない場合に最小限の期間でと考えている。

 

【就労・障害年金】

〈要望〉:生活障害や実態に即した、手帳/年金の等級判定を要望する。

〈回答〉:手帳の診断書の記入は国でマニュアルがあり全国的な基準があり専門的な知見に基づき判断されているものと考えています。障害年金については、都道府県下の格差の状況を注視していきたい。

 

【重度障害者医療費助成】

〈要望〉:重度障害者医療費助成の精神障害2級拡大について

〈回答〉:精神保健福祉手帳1級に該当する状態は「日常生活の用を弁ずることを不能足らしめる程度の者」とされ、本県の重度医療費助成は身体障害では1級2級、療育手帳ではA判定、精神は1級を対象とし基準とし、全ての市町に共通な基盤的な制度として創設された。持続的な観点から現在の枠組みを継続していきたい。精神障害の方を取り巻く環境は色んなご要望、意見を聞き、今後とも県として必要な措置を講じていきたい。

 

【公営住宅での啓発】

〈要望〉:管理業者への精神障害に関する積極的な啓発を要望

〈代読回答〉:自治会に対し、精神障害をお持ちの方に対して役員就任や作業が困難な方の参加等は配慮しており、役員に対し説明すれば理解は得られるものと考えています。なお昨年度の障害者差別解消法の制定を踏まえ、今年度、県営住宅の指定管理者に対し、県としても同法の趣旨に基づく施策を推進するために、県差別解消推進要綱や職員向け対応要領を定めるとともに県民事業所ガイドラインを策定していることと合わせ、事業者に合理的配慮の提供が求められていることを周知しました。今後とも指定管理者には法に基づくよう指導していく所存です。

 

※紙媒体では、県からの資料回答を掲載しています。PDFで必要な方・団体は、事務局(info@shoumonren-hyogo.jp)までご連絡ください。ファイルを送付させていただきます。

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