介護保障

【報告/案内】 障害者の介護保障を考える会の取り組み

星屋和彦(障害者の介護保障を考える会・事務局)

 

第14回介護保障を考える会・例会のご案内

日時:8月27日(日) 13時半から16時半

場所:神戸市障害者福祉センター 会議室A

興味がある方、介護のことで困っておられる方などお気軽にご参加ください!初参加、歓迎です(事前に連絡いただけますと助かります)。

 

■前回の例会報告

6月25日(日)に行われた「障害者の介護保障を考える会」第13回・例会の報告です。初参加の方も含め、総勢15名での例会となりました。

 

●相談事案

 

相談ケース1

泊まり無しの朝から23時までの介助を付けているが、最近、入院したことや体調の変化があり、泊まり介助も含めた介助が必要になり、区役所と時間数交渉をしている神戸市の方からの相談。

区役所との話の中で、「生活保護の『他人介護料』の申請をしたい」というと、保護課から他人介護料はもう出ないと言われた。それは全国的に見ても、そうなのか?ということを、今回も例会に参加してくださった「介護保障を考える弁護士と障害者の会 全国ネット」の弁護士に確認してみた。

弁護士によると、他人介護料はなくなっていない、制度としてまだあるので絶対申請できる、とのこと。神戸市では、今回の相談者以外のケースでも、数年ほど前から「生活保護は『他法他施策優先の法則』があるので、福祉で介護支給量が出ている人は他人介護料を申請できなくなった。なので福祉と相談して(介護支給時間で出してもらって)」と役所やケースワーカーから言われて、他人介護料の申請も出来ずに諦めていることが複数件確認されており、参加者からは「他人介護料、なくなってないんや…」と驚きの声が上がった。

ちなみに、弁護士によると、保護課窓口では申請自体は拒めないので、「他人介護料は申請できなくなった」というようなことを窓口で言われたら、例えばその窓口で「いま厚生労働省に電話して確認してほしい」と粘ってみるとか、あるいは書留郵便ででも申請書を郵送して申請してみたらいいのでは。その上で、保護課は保護課で、福祉課の意見も参考にしながら、保護課自身で判断するので、申請したものを保護課が「必要が認められない」と却下するかどうか。他県では、今でも申請受理されている。とのことでした。

 

相談ケース2

前回に引き続き、深夜時間帯に介護が必要なのに「1時間×3回」でしか支給決定されておらず困っているという神戸市在住の方からの経過報告。

いまの時間数に支給決定した理由を口頭ではなく文書でしっかり説明してほしい、行政手続法上も不利益処分については理由付記が義務付けられている、という審査請求や、時間数そのものに対する審査請求(不服審査)をしているところ。

審査請求の結果待ちだけではなく、その他の取り組みとして、「障がい者の声を届ける会」を相談者と支援者などで立ち上げ、障がいのある人が安心・安全に、自分の暮らしたい地域で生活ができるように、ヘルパーの利用時間増の保証を求める署名活動も行い、現在で300筆以上集まっている。また、毎日新聞にも取材してもらい、「心の扉を開いて 共に生きる兵庫 第1部『地域で暮らす』」という連載の中で取り上げてもらっている、などの報告もありました。

 

相談ケース3

深夜帯の時間数交渉をしてきて、深夜4.5時間抜きの支給しか認められない、ということでおととしの秋から弁護団と一緒に神戸市・区と交渉されている方の経過報告。昨年一年間交渉を続け、いろいろ考えた結果、昨年末に県への審査請求の書類を提出。

その後のやり取りについては、2月末に、こちらが提出した審査請求の書類に対し、行政から9ページに及ぶ「弁明書」が出され、それに対し弁護団と共に「反論書」を提出。その反論書に対し、さらに行政から「再弁明書」が出されてきた。

今後はそれに対し、「再反論書」を出すかどうか、などの判断をしていく予定。また、口頭意見陳述ができるようになったという情報もあり、それを行えば本人などが直接審査官に説明できるので文書だけよりも伝わりやすいのではないか、ということでそれも検討していくことになっている。

 

●「介護保障を考える弁護士と障害者の会 全国ネット」5周年シンポジウムが神戸で開催!!

 

以前にもお伝えしたように、この例会に参加していただいている弁護士の方々も所属されている「介護保障を考える弁護士と障害者の会 全国ネット」の5周年シンポジウムを、全国ネットと、この「障害者の介護保障を考える会」との共同開催にして、神戸でおこないます。

その打ち合わせを今回の例会で少し行いました。

 

日時:10月28日(土)13時~16時30分(開場12時30分)

場所:神戸市勤労会館 7階 大ホール

 

内容:

・基調講演① 兵庫県における取り組み状況の報告

・基調講演② 介護保障ネットの5年間の歩み

・座談会  「わたしらしい自立生活の作り方」

・全国各地の介護支給量交渉報告

 

「兵庫県における取り組み状況の報告」において、この「障害者の介護保障を考える会」の成り立ちや活動内容の報告、また考える会例会に参加している方で、何人かから交渉の経過報告をする予定です。また座談会にも、兵庫から1人参加予定。

 

詳しく決まり次第、「障害者の介護保障を考える会」ブログ(http://kaigohosho.hatenablog.com/)や、障問連ニュース(http://shoumonren-hyogo.jp/)でお伝えしていきます。

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