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【報告/案内】 障害者の介護保障を考える会の取り組み

星屋和彦(障害者の介護保障を考える会・事務局)

 

次回介護保障を考える会・例会のご案内

日時:4月8日(土) 13時半から16時半

場所:神戸市障害者福祉センター 会議室A

興味がある方、介護のことで困っておられる方はぜひご参加ください!

初参加、歓迎です(事前に連絡いただけますと助かります)。

 

■前回の例会報告

2月26日(日)に行われた「障害者の介護保障を考える会」第11回・例会の報告です。新しく2名の弁護士の参加もあり、総勢19名での例会となりました。

 

●相談事案

相談ケース1

1人暮らしをしているが、必要がありショートステイを申し込んだ。するとショートステイ先から、「自立している障害者はショートステイを使えない」と言われた、というご相談。

弁護士からは、重度訪問介護を支給されていてもショートステイの併給はまったく問題ないとのこと。

参加者から、「受給者証にはショートステイ可となっているのならそれを施設に見てもらってはどうか」「それでもダメなら施設から役所に直接問い合わせするように、施設に言ってみてはどうか」「あまりに変な対応をされるようなら、市の差別解消窓口に相談してみる」などのアドバイスがありました。

 

相談ケース2

前回に引き続き、深夜時間帯に介護が必要なのに「1時間×3回」でしか支給決定されておらず困っているという神戸市在住の方からの経過報告とご相談。

12月が誕生月で、新たに受給者証が出た。その決定内容について区の担当者に説明を求め、以下のような話しをした。

○今まで、役所の判断で、通常の1年間の支給決定ではなく、3ヶ月ごとの支給決定をされていたが、今回ようやく1年間の支給決定がされた(ただし時間数そのものは増減なし)。

○いまの時間数に支給決定した理由を口頭ではなく文書でしっかり説明してほしい、行政手続法上も不利益処分については理由付記が義務付けられている、という審査請求をしてきたが、今回、支給決定理由について区が文書を出してきた。ただ、「この文書は、行政手続法の理由付記とは関係がない」と区の担当は文書について説明。とりあえず、文書説明は出てきたので、この点については少し前進した。

○時間数が増えなかった理由については、「トイレのような、あるかないかわからない介助内容に支給決定できない」、「待機のための見守りには支給決定できない」、「(支給決定されていない深夜の空白時間に排泄がないように)ヘルパーがいる時間に排泄を促したり、紙おむつをするなどの工夫をしてほしい」という区の判断が述べられ、話し合いは平行線に終わった。

この「理由」については、今回の例会でも、「寝返りでは時間数が支給されているが、寝返りもいつあるかわからない介助で、排泄と同じ。排泄だけはダメ、という理由に矛盾がある」、「深夜時間に介助の空きがあることで、その空きに排泄があったら、シーツを汚してしまうしか仕方ない。しかし、排泄の失敗は人間の尊厳にかかわること。こんな、排泄の失敗を含みこんだ介護プランや支給決定は違法ではないか」という意見も出た。

一方で、「深夜帯の介護内容は、排泄だけではない。いまは排泄問題のみが争点となっているが、体温調節や体位変換などいろいろな介護の必要性が積み重なっているので、排泄だけではない論点の設定をきっちりしていく必要があるのでは」、「福祉用具を使え、という行政の指示に対し、『使いたくない』だけでは水掛け論に終わる可能性がある。もちろん、『使いたくない』ということはしっかり主張したうえで、実際に使ってみた結果こんな不都合があったということを具体的に述べるという方法もある」という意見もあった。

今回出た1~12月の支給決定に対して、生活状況のさらに詳しい資料などを提出し、見守りや排せつなど時間数そのものを争点にする審査請求をおこなう予定である。ただ、その前に、もう一度、神戸市本庁を交えた交渉をおこなうかどうか考え中ということでした。

 

相談ケース3

深夜帯の時間数交渉をしてきて、深夜4.5時間抜きの支給しか認められない、ということでおととしの秋から弁護団と一緒に神戸市・区と交渉されている方の経過報告。昨年一年間交渉を続け、いろいろ考えた結果、県への審査請求を行うという判断に至ったことが前回の例会で報告されましたが、昨年末に審査請求の書類を提出したそうです。

この例会の直前、2月23日に、こちらが提出した審査請求の書類に対し、行政から9ページに及ぶ「弁明書」が出されてきました。

今後はその弁明書に対し、こちらから「反論書」を提出する予定。特に、相談ケース2の方と同じく、「単なる待機には支給決定できない」という行政の判断基準を大きな争点とし、また重度訪問介護という制度自体が比較的長時間の介護制度である、という本来の趣旨に「深夜1.5時間×3」といった細切れの支給が反しているのではないか、など、今後、早急に反論書の中身を弁護団とともに検討していくそうです。

 

相談ケース4

具体的な、特定の人の介護保障の相談ではなく、全体として、「介護保険制度と障害サービスの適用関係」についての意見交換が行われました。65歳になり、介護保険が適用されることにより、今まで使っていた福祉サービスの時間数から大きく下まわったり、長年使っていたサービスが使えなくなるなど、問題が頻発している。

神戸市では、平成29年2月1日から「障害者総合支援法における介護給付費等と介護保険との適用関係(神戸市取扱い基準)」が以下の通り改定されています。

http://www.city.kobe.lg.jp/life/community/handicap/img/kijun.pdf

ここには、「介護保険制度適用前に必要とされていたサービス量が、介護保険制度適用前後で大きく変化することは一般的には考えにくいことから、利用可能なサービス量が介護保険制度に基づ

き支援を受ける前後で大きく変化することがないよう、(中略)、支給要否及び支給量を判断し決定することとする」と明記されている。今後、どのように運用されていくかが気になるところです。

要介護度が、低く認定されることは困るが、かといって介護保険で介護度が上がって介護時間が増えると、自己負担額も増えるので、それも困る。

障害者が介護保険年齢になって、今までの介護支給時間と比べて時間数が減ったら、介護保険の「要介護度」をあげることよりも、総合支援法の障害サービスが上乗せで使える、という厚労省の通達を各自治体にきっちり守らせることが大事、という弁護士の意見がありました。

 

●考える会としての活動計画

毎年おこなわれている、「介護保障を考える弁護士と障害者の会 全国ネット」(この例会に参加していただいている弁護士の方々も所属されている)のシンポジウムを、来年はこの「障害者の介護保障を考える会」と共同開催にして、神戸でおこなうことを会として正式に決定しました。

 

日時:2017年10月28日(土)

場所:神戸市勤労会館 大ホール

 

で、開催の予定です。内容は、例年通りでいくと、介護保障を求めて交渉を行っている当事者の基調講演、その後、弁護団方式でヘルパー時間数の交渉を行っている全国の方たちの事例報告・意見交換を行う予定です。

他にも、地元の状況報告(ガイドライン問題や、現在進行中の審査請求の結果報告など)といった、どんな中身にするか、介護保障を考える会からも積極的に意見を出してほしい、と弁護団から提案がありました。

次回例会で引き続き相談していきますので、さらに詳しく決まり次第、「障害者の介護保障を考える会」のブログ(http://kaigohosho.hatenablog.com/)や、障問連ニュースでお伝えしていきます。

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