教育

【報告】 「障害児」の高校進学を実現する全国交流集会in大阪に参加して

栗山和久

8月27~28日にエル大阪にて表記の全国集会が開催された。障問連として、北田万壽夫さんと私が分科会報告者として参加し、以下、栗山の感想も含め報告します。

兵庫県では定時制高校の統廃合以降、障問連として高校入学の取り組みはできていません。この間、小中学校への就学相談・支援を通じ、インクルネット西宮の立ち上げや、医療的ケアが必要な児童の入学も実現してきましたが、選抜制度と言う高校の壁の厚さ、保護者と共にどう高校へと向かって行くのか、まだまだ力量が無く、改めて全国各地の取組みに学び直す意味で、私自身、参加しました。

 

■大阪、愛知では障害の重い児童も元気に高校へ

大阪では高校受験に際して「前例が無い」と中学教師から言われながらも、受験上の配慮が認められ現在、全日制の松原高校2年生として元気に通学する脳性マヒのM君。また、映画「風は生きよという」にも出演される人工呼吸器を利用するA君は中学から地域の学校に転校し、「障害のない生徒と一緒に過ごす事の刺激、楽しさ」から本人が地域の高校に行きたいと意思表示し、問題文の代読、代筆、看護士や中学教師の同室配置により受験され、定時制の大阪府立春日丘高校2年生として、部活動にも参加し、元気に通学されているという報告。

■岡山、北海道での定員内不合格とそれに対する闘い

また愛知県でも点数が取れない知的障害のあるY君が定員割れした全日制公立高校に合格し、保護者が希望しない支援員の介入、留年の可能性など困難な中、本人が頑張り成長する中で見事卒業したと言う報告。しかし、その一方で岡山県、北海道では定員が割れているにもかかわらず不合格になり、それに対して粘り強く抗議の取組みが報告されました。いずれも高校の「適格者主義」が貫かれ、受験の配慮も不十分、それは差別解消法の合理的配慮の提供義務に違反していること、根本的にインクルーシブ教育に反する高校の姿勢があり、北海道では道議会での質問、弁護団も入って取り組まれています。また定員内不合格の問題は千葉県でも顕在化し、2015年度入試では延べ168人も出ている現状が報告されていました。

■自治体独自の高校での知的障害児受け入れ制度と課題 ~ 大阪府、神奈川県 ~

大阪府では2006年から独自の「知的障害生徒に対する高校入学制度」があり、府下11高校で「自立支援推進校」、府下8高校で「共生推進校」として、各学年3名の知的障害生徒が全日制の公立高校で学んでいる。そして新たに神奈川県でも「平成28年度から始まる県立高校改革において、知的障害のある生徒が高校教育を受ける機会を拡大するため、インクルーシブ教育実践推進校を指定することとしました」と、「インクルーシブ教育実践推進校」(パイロット校)は3高校(将来的に拡大)、募集人数は各校21名、1学級に3名程度ずつ在籍、とされています。全国的には大阪以外には例のない取組という意義もある一方、志願資格として「療育手帳B2程度」「医療的ケアを要さない生徒」「集団学習、自力通学が可能」などの条件があり、それは新たな分離になり、また「連携型中高一貫教育」による高校での通級制度の導入など、神奈川県の障害者団体から逆行するのではないかと抗議の申し入れが行われています。この神奈川県や大阪府の制度について、どう評価し兵庫県の取組みに生かせれるのかも含め考えていきたいと思います。今回参加し、何より高校に通う若い障害のある人たちのパワーを感じました。兵庫でも、少しずつ頑張りたいと思います。

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