【報道】 新聞記事より
■障害者施設でも介護サービス 厚労省 水戸部六美、河合達郎
朝日新聞 2016年9月14日08時10分
http://www.asahi.com/articles/ASJ9G2J83J9GUBQU002.html
高齢になった障害者が通い慣れた障害福祉サービス事業所でも介護サービスを受けられるように、厚生労働省は事業所の指定基準などを見直す方針を固めた。高齢者と障害者向けのサービスを一体化させる「共生型サービス」(仮称)として、2018年度の導入をめざす。
対象となるのはデイサービスやショートステイなど。現行では障害福祉事業所より介護事業所の方が指定基準が厳しく、障害福祉事業所の指定だけでは介護保険のサービスを提供できない。その結果、障害のある人は高齢になると介護事業所に移らないと介護サービスを受けられなくなる。
一方、障害のある人が介護事業所でサービスを受ける場合、市町村長の判断で障害福祉サービスも受けられるが、事業所への報酬額は低い。共生型サービスではこうしたケースも例外扱いせず利用しやすくする。
障害者も高齢者も子どもも一体となった地域作りを進める「地域共生社会」の実現に向けた取り組みの一環。人口減が進む中、別々にサービスを提供するよりも定員の空きが出にくいといったメリットもある。今後、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の介護給付費分科会などで議論する。
■災害公営住宅の空室を障害者ホームに活用 岩手県
日本経済新聞 2016/9/14 9:41
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG13H5L_U6A910C1000000/
東日本大震災の被災者のために整備された災害公営住宅の空室を、岩手県が知的障害者のグループホームとして、同県陸前高田市の社会福祉法人に貸し出すことが14日までに分かった。災害公営をグループホームに使うのは全国初とみられる。
県によると、陸前高田市の県営災害公営住宅「栃ケ沢アパート」2棟の7部屋を社会福祉法人「愛育会」に貸し出し、知的障害者11人が、共同生活する予定。
この11人も被災しているが、個々に災害公営住宅に入居するとばらばらになるため十分なケアが受けられない恐れがあった。
法人は震災前、市内の6カ所の空き家を借りてグループホームを運営していたが、津波で全て流された。
県と市は、被災者への意向調査の上、陸前高田市内に計761戸の災害公営住宅を整備したが、8月末時点で178戸が空室となっている。〔共同〕
■障害者向けネット119番、新システム導入 神戸
神戸新聞NEXT 2016/9/2 21:30
http://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/201609/0009450261.shtml
聴覚、言語障害者が消防・救急通報時に利用できる「NET119」=神戸市消防局
神戸市消防局は、聴覚、音声・言語に障害がある人がスマートフォンを使って消防・救急通報できる新たなシステムを導入した。市内の地図情報システム会社「ドーン」が開発した「NET119」。全国標準のシステムで、神戸市以外の地域でも、導入している消防本部があれば直接通報が届くようになった。
事前登録制で、専用画面から「救急」「火事」「その他」のボタンを選んで押して通報する。衛星利用測位システム(GPS)による位置の特定、チャット機能を使ってより具体的な通報内容の伝達もできる。
市消防局は2012年度から同様の機能があるドーン開発の「Web119」を導入したが、いったん神戸市で登録すると、市外から発信しても市消防局経由で現地の消防に通報が入る仕組みだった。
同社は、総務省消防庁の検討を受けて改良し、15年4月から「NET-」の運用を開始した。現在、全国で約70の消防本部が導入し、県内では4月から姫路市消防局が始めた。
このシステム以外で聴覚、音声・言語障害者が通報する際は、ファクスが一般的。「Web-」の登場で、自宅以外から通報しやすくなると期待されたが、現在の市内の登録者は約70人にとどまる。「NET-」は操作を覚えるためのテスト通報ができるなどほかにも改良された。
市消防局司令課の担当者は「本人以外が外出先で『人が倒れている』と通報したケースもあった。普及を進めたい」とする。
22日午前10時から市役所危機管理センターで新システムの説明、登録会を開く。申し込みは14日まで。同課TEL078・325・8519(若林幹夫)
■淡路の障害者施設で虐待 入所者を平手打ち
神戸新聞NEXT 2016/9/9 07:10
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201609/0009469878.shtml
兵庫県淡路市野島貴船の障害者支援施設「フローラほくだん」で、複数の職員が身体障害のある入所者を平手でたたくなどの虐待をしていたことが、兵庫県洲本健康福祉事務所への取材で分かった。同事務所は今年6月に施設を運営する社会福祉法人「淡鳳(たんほう)会」に改善勧告を行い、改善報告書の提出を受けた。
同事務所などによると、虐待はいずれも介助中に発生し、2014年3月に入所者の男性が男性職員から手で額をたたかれた。今年3月には別の入所者の男性が別の男性職員から平手で頬をたたかれたという。いずれも大きなけがはなかった。同法人は虐待の事実を認めているという。
洲本、南あわじ市に通報があり、両市が虐待と認定。同事務所も監査(立ち入り検査)を実施し、文書・口頭で是正・改善を指導した。しかし、その後の監査で「実効ある対策が十分でない」として勧告に踏み切った。
勧告によると、14年1月から通報や相談が相次いでいたといい、「虐待防止に取り組む積極的な姿勢が乏しい」などと指摘。同法人の担当者は「今後は絶対に虐待を起こさないよう対策をしている」と話している。
県内では12年10月の障害者虐待防止法の施行以降、福祉施設での職員による虐待件数は14年度末現在で計30件。うち28件が文書・口頭での指導で、より重い勧告は2件だった。改善命令や指定停止・取り消しに至った例はない。(切貫滋巨)
■障害者の雇用拡大要請 兵庫県経営者協会に県
神戸新聞NEXT 2016/9/14 07:00
http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/201609/0009486003.shtml
兵庫県経営者協会の三原修二会長(左)に要請書を手渡す小林健兵庫労働局長(右から2番目)ら=神戸市中央区京町、兵庫県経営者協会
9月の障害者雇用支援月間に合わせて、兵庫労働局と兵庫県、県教育委員会はこのほど、兵庫県経営者協会に障害者雇用の拡大を要請した。
2015年6月1日現在の県内企業の障害者雇用率は14年比0・07ポイント増の1・97%で、全国平均の1・88%を上回り、法定雇用率2・0%に迫る勢い。同雇用率の達成企業割合も51・8%と、初めて半数を超えた。
しかし、14年度の特別支援学校高等部の卒業生の就職率は18・3%で、全国平均を10ポイント下回るなど課題も多い。
15年度からは、雇用率未達成の際に納付金を納める制度の対象が、従業員200人以上から100人以上の企業まで拡大。企業の理解と協力を広げるため、同協会を含め県内の経済団体など17団体に、さらなる雇用確保を要請することにした。
小林健局長、金沢和夫副知事、高井芳朗教育長が、同協会を訪れ、三原修二会長に要請書を手渡した。三原会長は「就労体験の受け入れなどを通じて、理解を深め、積極的に取り組んでいきたい」と応じた。(中務庸子)
■ホーム転落防止で要望書提出 県に視覚障害者団体
神戸新聞NEXT 2016/9/13 07:00
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201609/0009483131.shtml
兵庫県の関孝和・障害福祉局長(右)に要望書を手渡す田中環・県視覚障害者福祉協会長(中央)と奥本一夫・神戸市視覚障害者福祉協会長(左)=兵庫県庁
8月に東京の地下鉄駅で視覚障害者の男性がホームから転落し、電車にはねられ死亡した事故を受け、兵庫県視覚障害者福祉協会と神戸市視覚障害者福祉協会は12日、転落防止対策や障害者の安全についての啓発を求める井戸敏三知事あての要望書を県に提出した。
県協会の田中環(たまき)会長と神戸市協会の奥本一夫会長が県障害福祉局の関孝和局長を訪問した。スマートフォン向け人気ゲーム「ポケモンGO」の流行で歩きスマホが増えていることも「障害者や高齢者の外出時に大きな不安をもたらしている」と、注意喚起を要請した。
田中会長は「視覚障害者の多くがホームから転落した経験を持っている。一方で、一人で歩きたいという思いも理解してほしい」。関局長は「転落対策はホームドアの設置が理想だが、関西は遅れている。公共交通事業者に強く求めていきたい」と話した。(森本尚樹)
10月 8, 2016