事業所交流会

【報告】  「地域生活を支援する事業所連絡会」の事業所交流会の取り組み

事業所交流会司会者団

【次回/第7回事業所交流会のご案内】    是非ぜひご参加を!!

日時:8月7日(日)午後1:30~

場所:新長田勤労市民センター (※詳細は次号で案内します)

■第6回事業所交流会の報告

遅くなりましたが前回事業所交流会について各分科会ごとに下記に報告します。前半は通常の4つの分科会(経営・訪問系・通所・グループホーム)、後半は世代別(若手・中堅・ベテラン)に3つの分科会に分かれて開催しました。今回、「あなたの事業所の『うり』、あなたの『こだわり』は何ですか?」を全分科会共通テーマとして議論しましたが、さてさて・・・。

交流会も開始から約2年、前々回の続き、今後の交流会の持ち方・内容についてアンケートを実施しました。それを踏まえ、次回の交流会では、通常の分科会に加え、皆さんと今後の交流会について議論したいと思います。

 

事業種別の分科会の報告 →

■経営労務分科会 報告:田中義一(NPO法人生活支援研究会)

 

今回は、司会者含めて3名の参加ときわめてアットホームな雰囲気で行いました。少し寂しそうにまわりからは見えたかもしれませんが、一つのテーマをじっくり掘り起こすことができたように思います。そのテーマは「障害者を雇う・共に働く」でした。

働くというと、福祉的就労の話しになりがちですが、今回は地域拠点が障害をもっている方をスタッフとして雇用することに主にスポットをあてて話が展開しました。障害者と共に地域でという思いで活動をしているが、施設に行かずに生活保護をとって生活をたてるモデルはあるが、地域拠点が障害者を雇って生活をたてていくモデルは兵庫ではあまり確立されていないのではないかという問題提起から話が深まって行きました。そんなモデルが広まらなければ、目指す当事者もでてこないし、当事者運動の今後や次世代リーダーの育成を狭めているかもしれない。具体的に障害者をスタッフとして雇う場合、給料と年金の関係はどう考えればいいのか、年金こみで生活できる給料を設定するのか、年金のことは考えずに他の職員と同じ条件にするのがいいのか。一緒に働く上で配慮は必要だが、他の職員との合意はどう作っていくのがいいのか。共同体的にアプローチすることの是非などなど話しはディープに展開しました。生活保護で生活をたてて活動するより夢のある選択肢を作って実践する人が増えなくては、あとに続く人がでてこない。キーワードは、「合意形成とミッション」。健常者スタッフの納得と障害者スタッフのやりがいをきちんと育てていく必要があります。自立生活センターや共同連がどんなやり方を提唱しているのか知りたいという声も出て今後も考えていきたいテーマだと思いました。みなさん、経営分科会をこれからもどうぞよろしくお願いします<(_ _)>

 

■訪問系分科会 報告:星屋和彦(自立生活センター神戸Beすけっと)


○参加・・・9団体・12

○自己紹介と「人材募集・育成」

まず自己紹介と、訪問系では毎回のお約束になりつつある、人材募集と人材育成についての情報交換を行いました。

その中で、A事業所から、ヘルパー募集についていくつか具体的な情報提供がありました。大学が近くにあれば、その大学の生協に募集広告を出すのが有効。また、募集広告に「無資格歓迎」「週1回・月1回でもOK」「募集時間帯」など具体的に書く。そして、「泊まり介助を1泊○○円」とがっちり金額を書いて募集したとの報告がありました。もちろんお金だけが大事ではないので、理念については面接や採用後の研修でしっかり伝えていくという方針。一方、地域によっては泊まり介護が制度で保障されていないところもあり、そういう地域では少ない介護給付費収入で泊まりをやりくりしている現状で、募集に「1泊○○円」などとウリとして載せられないな、という感想もありました。

また、福祉フェアにブースを出しての求人などには端的に現れるけれど、福祉求職者にとっては、在宅支援というのは施設と違いまだまだ不安定・大変そうなイメージ。もしくはそもそも在宅支援(障害者の在宅生活)の具体的なイメージがない人も多い。安定を求める人は施設などに就職しがち。「在宅支援の良さ」「楽しさ」「やりがい」等をどう伝えていくかも重要なポイントではという指摘もありました。

○今回のテーマ「あなたの事業所の『うり』、あなたの『こだわり』」

まず、若手含めて3人と多数参加のB事業所からお話を伺いました。ベテラン職員さんから「職員採用には、すでにヘルパーとして働いてくれている人の方が人柄もよくわかっているので、その中から事業所を担っていってくれそうな人に声をかけていっている。またすでに職員になっている人には、それぞれ自分の出身校のゼミなどに行ってもらいヘルパー募集・人材確保して、育てていっている。また就Bや生活介護など色々やっているので、それぞれが連携して若手を育成していくことができるし、働きたい人の空白時間を減らすことができる」というお話があり、全体がうまくリンクしていっているということが伝わってきました。実際に、若手お2人に就職を決めた理由を聞いてみると、「事務所の雰囲気がとても良かった」「障害をもった人が自分の住みたいところで当たり前に暮らせる、そういう在宅の良さが伝わってきたし、こうありたいという理念に向かって一致団結している感じがあって良かった」ということで、なるほど、勢いのある団体さんはやっぱり違うな〜!と感心しきりでした。

また、B事業所では職員同士のコミュニケーションを大事にしているということで、週1〜2回の会議で情報共有しているが、会議が増えすぎているので、コンパクトにしていくことが今後の課題ということでした。

就Bや生活介護は、基本、利用者と介助者が二人きりで過ごす訪問介護と違い、メンバーさんも支援者側も複数名で一緒に時間を過ごせるので、訪問介護と就Bや生活介護を同時に事業展開している団体はそういう場でお互い(利用者も介助者も)が相手とじっくり知り合っていける。事業所側も介助者の人となりを知っていったり、支援の様子を見ての指導もしやすいので、それは強みかな、という意見もありました。

C事業所の参加者で、大学時代から遊び雲で介助者のアルバイトをしていて、そのまま職員になったという方は、自分の団体のうりを「当事者メインの団体。いろんなことをやっている当事者がいて面白い!」と表現されていました。自分が学生介助者だった時に、当事者に連れられて、自分が行ったこともない場所・したこともないことに突然介助者として参加することなり、いい意味で振りまわされ、それが楽しかった。逆に「いかに振りまわされるか」が介助者としての勝負どころで、その部分こそ楽しむのが介助の醍醐味かも、と話されていました。確かに実感として、介助中の突発的なことや予定外・想定外を楽しめたり、その場ではアタフタしながらも、あとでそれを自分の中で楽しい経験や笑いに消化できる人が、介助者としては「打たれ強い」のかな、と改めて思わされました。

ただ、最近はベテラン障害者が高齢化してきて、自分でまめに介助者を育てるのがしんどくなってきた、と言う当事者が増えているのと同時に、若手障害者は「サービスの利用者」「お客さん」的な部分が強くなっている、という現状があるそうです。それは、訪問系部会に参加のベテラン障害当事者からも複数同じ指摘があったので、地域に関わらずどこでもこの同じ現状や悩みがあるようです。

その他には、「どんなに重度な障害でも、どんなに人付き合いの苦手な障害者でも地域で暮らせる、というのがうちの事業所のこだわりです!」という団体もおられました。

普段からコミュニケーションを密に取り、理念や想い、目指すものを共有しようと努力している団体は、若手職員もそれを言葉にできる。今回それが端的に表れたように思います。そして、想いを言葉に出来る、ということの大事さも強く感じました。

○その他

「知的ガイドヘルプの依頼が多いけれども、多すぎて受けきれないのが悩み(地域の事業所不足・ガイヘル事業所はどこの地域もニーズに追いつけていないのでは?)」

「介助者研修やカンファレンスなどに参加してもらった際の、お給料の扱いはどうなっているの?」→「支払えてない」「支払っているけれど最低賃金を割っているかも」

「せっかく多くの団体が交流会に集まっているので、重度訪問介護従業者養成研修やその他なんでも共有出来ること・イベントなどあればいいと思う」・・・などのご意見いただきました。

参加人数も比較的多く、自己紹介とテーマそれぞれ1人1回ずつまわして話したらもう終了時間、という感じでした。司会の力量不足は自覚しながらも、もう少し細かくグループ分けしたら1人1人たくさん話せるかな、とも感じました。

 

 

■通所系分科会 報告:山田たけし(えんぴつの家)


○参加・・・6事業所 8人

僕らの仕事というか、活動というか、日常生活そのものは、時に惰性であったり、時に刺激的であったり、時に喜劇であったり、時に大荒れだったり、時に癒されたりしながら日々流れていきます。そんな流れに身をゆだねつつも、時にたちどっまって、「この場所が集う人たちにとってどういう場所なのか?」を見つめることは、とても大切だと思っています。また、自分の事業所内だけを意識しているうちはそうでもないのだけど、外の目から自分の事業所がどう見られているかを意識したり、事業所外の世界へ僕らが何を発信していくのかを考えた時、改めて問われるものもあるだろうと思います。日頃はあまり意識したり考えたりする機会の少ないこれらのことを見つめるきっかけとして、今回の分科会は、「ウチの事業所の売り」「セールスポイント」などをみんなに発言してもらいました。

このようなお題で荒っぽく投げかけたのだけど、みなさんから出される意見はとても多様でおもしろかったです。いくつかの「セールスポイント」を紹介しましょう。

○仕事に関するこだわり系

・「自然食品など環境問題を意識した販売活動をしている」

・「多様な作業を用意して選択肢を増やし、より自分に合った作業ができるようにしている」

・「作業が難しい人もできるカタログ販売」

○当事者の主体性を意識したこだわり系

・「障害当事者自身でできる仕事を大切にしている」

・「朝礼終礼を当事者で進行してもらう」

○法人内の他事業所との交流系

・「生介事業所との交流がある(混ざっている)」

・「高齢者のデイケアとの交流がある」

○楽しさを追求系

・「休憩時間に散歩やカードゲーム等をする」

・「体験で来た人などでも、誰が来ても楽しい場所」

○見捨てない姿勢、焦らさない姿勢、懐の広さ系

・「どこにも通えないような人もウェルカム」

・「生きることが仕事」

○まったり・ゆったり、自由系

・「ゆるい雰囲気」

・「プログラムがない」

○関係にこだわる系

・「職員以外との人間関係作りを応援」

・「障害者の、利用者の、ではなく、○○さんその人としてつきあう」

・「“うちのメンバー”というときに、利用者だけを意味しない」

○番外編?

・「自分たちでつくる安い昼食(200円)」

・・・などなどでした。

どうですか? なんだかどれもおもしろそうで、もっと詳しく知りたくなりませんか!?

 

これら事業所のセールスポイントの次は、各自の「自分のこだわり」「自分が大切にしていること」について語ってもらいました。もちろん法人の理念や事業所のこだわりは大切だけど、一人ひとりのこだわりを確かめ合ったり共感し合ったりすることも大切だと思います。今日は他の法人の人たちに自分のこだわりを少しずつ聞いてもらう機会でしたが、それぞれ自分の事業所内でもこのような機会が増えていけばと思います。

あまり時間がなくてさらっと一流ししただけですが、そんな「自分のこだわり」「大切にしていること」の中からいくつかを紹介します。

「分けない、一緒がいい」、「利用者の笑顔が見たい」、「ほめあえてみんなが楽しい雰囲気になるように」、「相手の気持ちを聞く、言葉を待つ」、「物ではない何かプラスのものを利用者に持って帰ってもらう」・・・などなど

 

これまでの3回は、困難ケースの話などどちらかというと大変さの共有が多かったのですが(それはそれで有意義でしたが)、今回はその事業所やその人のことをより知る機会になったと思います。「事業所のセールスポイント」や「自分のこだわり」をいきなりたずねられたのに、初参加の方やまだ若い方もいましたが、参加したみなさんがそれぞれしっかりと発言されていたのも印象に残っています・・・というか何だかうれしかったです。

参加者が個々にも交流する機会ができて、テーブルを囲んだ意見交換の場では深められなかった話ができて、お互いにもっと共感し合ったり刺激し合えるようになったらいいなと思います。

 

■グループホーム分科会 報告:栗山和久(NPO法人障害者生活支援センター遊び雲)


○参加者・・・6事業所から8(親子でのゲストあり)。

→ 今年3月から開始した事業所や他法人から移行して運営を始めた団体、他長年運営している事業所、また生活介護を行っているが医療的ケアが必要な人の暮らしとしてグループホームを考えているが・・・という団体の方など、様々な顔ぶれでの分科会になりました。

○困難な運営面の課題

とにかく世話人を募集しても来ない!!と人材確保の話題に。人材派遣会社に委託して30万円払って紹介されたが、すぐ退職した報告に、みんなびっくりしたり、やっぱり口コミの人は継続しているとか。また新規に立ち上げた事業所からは、スプリンクラー設置などの消防設備や建築基準上求められる設備改修など、多額が必要になりスタートも遅れた。他団体では、2000万円で中古一戸建てを購入したがお風呂の改修等で600万円も必要になったり、人材確保や建物確保と整備に、やっぱりハードルの高さがある事が話されました。

○職員配置

勤務を夕方~夜間、深夜~の2交代での勤務体制に工夫して活動できる支援者を9人確保している事業所、また日中活動の職員兼務している事業所も多く、それはホーム専従者が確保できないからという消極性ではなく、ある事業所では専従者が孤立してしまって退職したケースも報告され、共通して、日中事業と兼務することによりうまく連携が図られたり、利用者さんの日中には見せない表情や暮らしを知ることできたりプラス面も多く語られました。また積極的に学生ボランティアやアルバイトを入れることで、利用者が落ち着かない面もあるが、ドキドキしながらも楽しく付き合っていけるように話ししたり、こだわりとして「仕事」としてではなく、障害者と一緒に生活を楽しみ社会を変えていこうという人と一緒に活動したいとの意見もありました。

また、同法人の訪問系の職員がホームに関わると、一対一が普通の訪問系職員にとって複数対応のホームにしんどさを感じてしまっていて、ホームの魅力をどう伝えて共有できるのか、今後の課題だという事業所もありました。

○制度的な壁や矛盾

グループホームは入所施設ではない地域の生活とされながらも使える制度が限られている事、元々1人暮らししていた人がグループホームに入ると、やっぱり縛りを感じてしまう。

また、ある市では移動支援の支給時間が50時間という上限があり、通所が休みの土曜日曜に加え、病気等で通所を休まれた場合の通院に移動支援が利用できなかったり、長期に休んだ場合には、法人が持ちだして対応せざるをえない場合もある。制度面での課題はホームには多くあり、他市の状況を調べたり、国に制度改善を求めたり、みんなと一緒に取り組めるような事も必要ではないかとの意見が提案されました。

○魅力あるホーム作り

良いなぁと思うホームは、健常者もそうであるように、その人の「家」として、普通に友人がホームに遊びに来たり、その障害のある友人がうらやましく思い、「私も行きたいな」と思えるような所だったり、近所の人と一緒に集まって楽しめるような交流があるホーム。

また、なかなか他の人と仲良くなれないタイプ人が1人暮らしを目指し、サテライト型で練習を始めたり、1人1人の希望を丁寧に聞き取って、個人個人のやりたい事が実現できるホーム。

また喫煙についてはルールを作っているが、基本的にその方の「家」としてルールを設けず自由な雰囲気を大事にしているとの報告もありました。今回の総合支援法見直しの中で、軽度者は1人暮らしへという方向が出され、今後も様々にグループホーム制度の改変が予測される中、「制度的課題」「立ち上げ時の支援策」「人材確保」「運営面の工夫」「くらしの点検~本人の希望する生活の実現」・・・など課題ごとに今後とも議論を深めたいと思いました。

 

世代別の分科会の報告 →

■若手分科会報告 報告:西谷 充美 (NPO法人ウィズアス)

 

○参加者の構成: 就労  生活介護  居宅支援事業部  支援センター

経験年数: 半年から8年

○議題・・・仕事に対するこだわり、働いている職場の環境について

○意見(事業種別毎に)

〈就労〉

・作業に対する共通認識を持つ。

・先輩が今まで行って来た伝統を引き継ぎながら支援をする。

・笑顔を大切に一日の過ごし方を皆で決めるようにしている。

・当事者のその日の状況に合わせて臨機応変な対応をする。

・日中活動中、当事者が不穏にならないように気をつけている。

・ご家族によって何を大切にして欲しいか、どのような支援をして欲しいのかをノートに書いてくれる。

・当事者とご家族の意向、意見の相違がある時は話をする機会を設ける事が大切である。

・職場の人間関係で意見を述べる時に不安を感じる時がある。

〈生活介護〉

・各々、好きな事をその人がその人らしく。こちらで決めた事を押し付けるのではなく、当事者のやりたい事を行う。外に出る機会を設ける。

・大学に週1回、当事者とヘルパーで学食を食べに行く。

・プログラムが無い事で直ぐにしたい事が出来る。臨機応変さがある。

・職員、バイトなどそこに来る人が自分らしく居れる場所。

・障がいで判断するのではなく、~さんはこういう人だ。という捉え方をしている。

〈支援センター〉

・制度がない時代の当事者から若い当事者に支援者との関わり方などを引き継いで行く必要性がある事を知って欲しい。

・当事者と自分自身が楽しむ事が大切である。

・障害があると言う事だけで判断や決めつけをせず、一個人でその人らしさがある事を知って欲しい。

〈居宅介護〉

・重度訪問介護従業者養成研修や大学との繋がりなどを利用し、はば広く支援者を増やす。

・支援者が繋がれば当事者、支援者を全力でサポート出来る。

・当事者の今後の生活を皆で一緒に考える事が出来る。

・言葉使いや当事者との関係性に気をつけている。

○まとめ

他事業所の意見を聞いた上で参考に出来る事や共有できる事などがたくさん有り、交流会に参加出来て良かったとの意見がたくさんありました。

 

 

■中堅分科会報告 報告:星屋和彦(自立生活センター神戸Beすけっと)


○参加・・・10団体から13名。

○職員間のコミュニケーション方法

まずはA事業所からの発信で、普段のコミュニケーションの話しになりました。特に中堅は、ベテランと若手に挟まれ、それぞれとコミュニケーション取りながら間をつないでいく役目もあるし・・・と気になるところのようでした。

B事業所やD事業所からは、コミュニケーションの重要性はよくわかっているので意識して会議をするが、回数が増え過ぎたり、みんなが集まれる時間帯ということで夜開催になったり、「コミュニケーションとることでの負担」も出てきているという報告。

特に訪問系では直行直帰も多いのでコミュニケーションがなおさらとりにくい。そんな中、「朝会」や「昼礼」など定期的に時間を決めて、その場にいる人中心に情報交換する、という他団体の試みも報告されました。

その他には、「会議だけではなく、ちょっとした普段のコミュニケーションも大事。ご飯食べにいくとか」「忙しいからメールだけのやり取りになりがちだけど微妙なニュアンスは伝わりにくいし、長いメールは読むのを後回しにしがち。会って話すことも必要」「一人しか知らない、一人だけがやっている仕事は減らして、チームでやっていってアイデアを出し合えば上手くいったり効率的になったりする」「これがしたいからこれをする、という部分を丁寧に伝えるのが大事」などの意見がありました。

○そもそも「中堅って?」

前回の中堅部会でもそうでしたが、「中堅って何?」という自問自答。今回は特に、「どちらかというと新人だけど、中堅部会が気になって」というE事業所の方から、「改めて中堅ってなんですか?」と問いかけがあり、それを受けF事業所の方が中堅のモヤモヤした気持ちを上手く伝えてくださったように思います。

曰く、ミスしても「まぁまぁ」と許してもらえる世代でもない、上の世代から指示をされてそのまま何も考えずに言われたことだけをするのではなくこっちでちょっとアレンジするだけの知識や経験はある、団体の理念は(たぶん)若手よりは伝わっているけど「利用者主体」だけでは事業の運営的には上手くいかないこともあるよねというシニカルな面も持っている、かといってすべてを「仕事でしょ」と割り切ることもできない・・・という複雑な中堅ごころ。自分を振り返ってみると、ベテランではないよな、という自信のなさや逃げもないわけではないですが、そういう後ろ向きの部分だけではない。運動を作り出し、いまだ現役で担っているベテラン世代への尊敬の念や、「真似できへんなー」という気持ちを持ちながら、いつの間にか後輩も増えていつまでも若手のままではいけないと自分の立ち位置を前向きに探り、ベテランと後輩の橋渡し的な役割を担っていこうとしている。そういう中堅ならではの意義もあるような気はしています。

○理念をどう伝えるか

若手世代に理念を伝える大切さはわかっているものの、日々忙しくそれをする時間がなかなかない・・・という悩み。対していくつか取り組み報告がありました。

H事業所は、生活介護やグループホームなど全事業で、また学生ボラやアルバイトも含めて全員で年に1回は必ず研修旅行をして、楽しく過ごす中で理念なども伝えているそうです。かつ、そういう場も含めて、いろんな遊びイベントも行い、そこに関わってくれる学生に何年もかけてじわじわ理念を伝えていって、これはという学生さんを職員に誘うという感じだそうです。

F事業所は、もし若手から「国がダメと言ってるのだから、それはしてはいけないのでは」という制度重視の意見があれば、団体の歴史から始めて、「それは違うよ、うちの団体は障害者の『生活』を支えてるんだから」ということをきっちり伝えて何らかの対応を一緒に考えていくようにしている。ただ、すぐに理念を、というより、若手にはまずはメンバーさんとの生活を楽しんでほしい。楽しんできたら、理念を伝えていくというスタンスだそうです。

D事業所は、理念を伝えるにあたって若手にも入っていきやすいように、普段の会話の端々に理念を挟み込む。例えば「ご近所さんになるべく挨拶をきっちりしてね。うちは『地域で共に生きていこう』っていう団体なんだから」というふうに。

それぞれの団体が、日々忙しい中、そして迷いながらも工夫して理念を伝えていっていることがわかりました。

○中堅として・・・

最後に、「外からみてると面白そうだったのに、入ってみると働く人があまり楽しそうではない。支援者も『自分たちのケア』をもっと大事にしていかないといけないのでは」とか、「中堅としては、今も辞めずに活動を続けている自分自身の『理由』を折に触れ自分なりに振り返ったり、それを言葉にしていかなければいけないのでは」という、今後につながるような意見をいただきました。

 

 

■ベテラン分科会報告


○参加・・・7事業所

「職員の面接したら、給与が少ない!休みが無い!と不満をダッーと言われる・・・」から始まり、「ついつい職員の顔色をうかがってしまう」「役職とキャラクターがマッチすれば良いが、抜擢するのは苦手」「どうするのか考えてと指示すると、『上の人が決めて下さい』と言われる」など、管理職の立場でのしんどさや困りごとから始まりました。

小規模作業所時代から約30年経験している人と若手ではとってもギャップがあるが、次世代リーダー育成を意識して各事業ごとの責任者を決め会議を活性化して取り組んでいるとの報告もありました。

また障害当事者で法人理事長をされている方からは、「若い障害者が現在の生活に満足していて事業や運動を担おうという当事者が出て来ない」、また「保護者の意識も以前のようなつながりや信頼関係が希薄になってきた」という意見もあり、いずれも時代や制度の変化に伴い、「サービス」を介在した「職員=労働者」と「利用者」「保護者」の一方向の関係性に固定化されている。それをいかに崩し「一緒に作って行く」関係、それは「双方向の関係性」=職員も当事者も保護者も「エンパワーメント」される関係性へと変えていくためには、何か仕掛けが必要だろう・・・そんな意見も出ました。

またサービス提供現場での様々な保護者との軋轢、時に子どもの自立を阻害しかねない面もありますが、しかし一方では施設への入所希望する保護者は多く、日々の暮らしのしんどさや地域生活基盤が極めてぜい弱な中で、いかに親と共闘していけるのかも重要だと熱く議論しました。

とりとめのない話になりましたが、参加者全員、制度的保障が極めて不十分な中で、共に生きようと悪戦苦闘してきた人たちですが、「志」は忘れないと思いつつ、では後輩職員たちにどれだけ「志」を伝えているの???と振り返らなくては・・・との思いで、以下の宿題を次回には話し合いましょう、とうことで終わりました。

・自分の事業所の大事にすべきこだわりは何ですか?

・それを現場で、どう表現していますか?

・それは、後輩職員たちに伝わっていますか?

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