【報告/教育】 6/25西宮で「インクルーシブ教育セミナー」開催 テーマ:「就学」
栗山和久(事務局)
この間、宝塚市、西宮市で就学支援に取り組みました。西宮では様々な団体や保護者と出会い、「インクルネット西宮」が立ち上げられ、別紙のように6/25セミナーが開催されます。ぜひご参加ください。5月の第2回例会には初参加のお母さん達からの相談もありました。「通常学級では迷惑にならないか」「学校ともめるようなことは・・・」、また人工呼吸器を利用する車椅子のお母さんからは、就学前の通所施設も週1日しか行けない、幼稚園は保護者付きの交流すら断わられたり・・・それでも2年後、是非地域の学校に行かせたいと考えておられます。
障問連として「地域の学校で共に生き共に学ぶ」と求め続けて35年になりますが、特別支援学校の増加は止まりません。就学前の保護者、就学前に障害児童と関わる人たちにアプローチできないかと、「親のネットワーク・兵庫」の例会でも議論されましたが、6月西宮セミナーは主にこれからの就学に悩む保護者を対象にしています。
学校現場はどうなっているの???子どもたちと付き合う時間もないほど業務に追われる先生たち・・・そんな中に障害のある児童が入って行く事は難しいかもしれませんが、今年4月西宮で地域の学校の通常学級に入学したKちゃんは、とっても素敵な先生や何より同じクラスの子どもたちに囲まれ、元気に過ごしていると嬉しい報告も聞きました。けれど、色んな厳しい話しが淡路、明石、神戸などから寄せられています。「看護師が退職して学校に行けない」「自然学校に他の児童と同じ様に参加できない」「うちの高校は障害のある子どもが来るところではありません」。差別解消法が始まっているのに???粘り強くつながって取り組むしかありません。
以下、新聞等からのとっても気になる情報です。学校にもそれぞれの障害に応じた合理的配慮の提供は義務付けられています。同じ場所で、必要な支援を受けながら、一緒に学ぶことが、なぜできないのでしょうか。
■「子の障害カルテ義務化 ~文科省/小中高一貫 2020年以降に ~〈朝日新聞5/15〉
障害のある子どもを小学校から高校まで一貫して支援し進学や就労につなげるため、文科省は進学先にも引き継げる「個別カルテ(仮称)」を各校に義務付ける方針を固めた。今でも「個別の指導計画」はあるが義務化でなく、公立小中学校では9割だが高校では6割しか作成しておらず、また進学先に引き継ぐかどうかは各校の判断だった。
(※別項で紹介する「発達障害者支援法」改正での「切れ目のない支援」と同一の動きです)
■高校にも「通級」導入へ・・・ 〈福祉新聞3/14〉
文科省は、障害のある子どもが通常の学級に在籍しながら障害に応じた特別指導を受ける「通級指導」について、高校にも導入する方針を固めた。
■通級9万人に急増 ~文科省調査 言語障害の子4割 ~ 〈福祉新聞5/23〉
文科省は「2015年度通級による指導状況」調査結果を公表し、小中学校で通級による指導を受けている生徒が、10年前に比べ、5万人以上増の9万270人と急増している。
障害種別では言語障害(39%)、注意欠陥多動症(16%)、自閉症(16%)、学習障害(15%)、情緒障害(12%)。
2016年度 第1回インクルーシブ教育セミナー in西宮
みんなと一緒に“楽しい春”を迎えましょう!
~ 就学先の決定にあたり大切に考えたい事 ~
日 時: 6月25日(土)午後1時30分~4時30分
場 所: こども未来センター 4F会議室2,3
(西宮市高畑町2番77号 阪急西宮ガーデンズ南側)
シンポジスト:
増田真樹子さん(障害者総合相談支援センターにしのみや相談員)
畑中稔さん(障害児学校教員、芦屋市教育委員会指導主事、
芦屋市特別支援教育センター長などを歴任)
保護者数人(就学児童の保護者、これから就学予定の保護者)
資料代: 300円(当日受付で集めます)
学校への入学・・・ランドセルを背負った「ピッカピカの1年生」の姿には誰もが心なごませます。けれど、障害のある児童の保護者は、
「うちの子どもに合う学校はどこかな?」
「障害を理解してちゃんと見てくれるのかな?」
「地域の学校に行かせたいけれど無理かな?」といろいろな悩みがあります。
就学までにも、深く悩み、傷つき、しんどいことも数多く経験してきました。学校生活は児童の成長期にとても大切だけど、小学校就学だけでなく、中学への入学、高校進学と、ますます心配なことが多くて・・・。でも、障害のある児童一人ひとりが学校生活において、本当に生き生きと、いろんな経験を積み重ねていける環境を作るのは社会の責任!
「“インクルーシブ教育の推進”って言われるけれど??」
「障害者差別解消法が始まり学校でも合理的配慮をしてくれるって言うけれど??」
このように法律や制度が変わった事も踏まえ、改めて就学のあり方、何を大切に考えれば良いのか、皆さんと意見を交わしたいと思います。
本セミナーでは、長年の教育現場で多くの経験をお持ちの畑中さん、福祉サイドで障害児童と保護者に寄り添い数々の相談支援に携わってこられた増田さんからお話しを頂くとともに、保護者としての悩みや意見も交えたシンポジウムを開催します。また、就学に関する個別相談のコーナーも時間の許す限り設けたいと思います。
私たち「インクルネット西宮」は3月に発足したばかりの会ですが、インクルーシブな社会の実現を目指し、就学・学校生活等に関する相談や、毎月の例会、セミナーの開催などに取り組んでいます。
主 催: 「インクルーシブ教育をすすめるネットワークin西宮」
連絡先窓口 TEL:090-6980-5426(栗山) E-mail:shichikuri1961@ezweb.ne.jp
6月 1, 2016