差別禁止条例 市・町の制度

【差別解消条例】 差別解消法と県下の条例

障問連事務局
 

ご承知のように、この4月から障害者差別解消法が施行されます。私たちが望んでいる障害者差別のない社会へ、ようやくスタート地点に立てたという感じです。法施行は喜ばしいことではありますが、法そのものの問題点も指摘されたり、果たして法制定によって差別がなくなっていくのかなど、同時に懸念もあると思います。

マスコミもこの差別解消法施行を目前にして、話題として取り上げはじめています。毎日新聞2月20日地方版では、鹿児島県で2月8日に行われたフォーラムを引き合いに、「行政機関や民間企業に対して過重な負担にならない限りはバリアフリー化など十分な配慮を求めている」こと、そして「行政には、法施行のPRだけでなく、相互理解促進の場を提供するなどの対応が求められている」という指摘が掲載されています。また、高知新聞2月22日においては、差別解消法の周知の不徹底を指摘、「義務化の対象である小中学校の教員でも「内容を含め知っている」のは16%止まりで、「知らない」は39%に上った」と、数値を挙げて述べています。

東京新聞2月12日では、「障害者差別解消法は民間事業者にも、努力義務として障害を理由にした差別を禁じる」として、ファミリーレストランの設備の遅れを指摘したり、教育現場において「特別支援教育以外の現場では「一部の子を特別扱いしない」との発想が強く、障害のある子の学習環境は後回しになりがちだ」と述べたりもしています。記事にはありませんが、従来の「同じように扱うことが平等である」という理解から、「必要な支援を得ながら、障害のない者と変わりなく社会生活を営めるような社会こそが平等である」という理解への転換を促すという、障害者権利条約の精神が求められるものだとも読み取れるでしょう。

兵庫県における差別解消条例の現状としては、県は制定に向けて尽力していたにもかかわらず一転、白紙に戻りました。ニュース発送と同日に行われる県の審議会にも、障問連として傍聴に行きますので、後日報告します。一方、県下の明石市、宝塚市、神戸市においては、差別解消条例の制定に向けて動き始めています。明石市においては差別解消法と日を同じくして条例の施行予定、宝塚市も2017年度を目途に条例制定、神戸市も5年以内には条例制定は揺るぎない、としています。とりわけ明石市においては、以下の新聞記事にあるように、地方公務員法で禁じられている被後見人や被保佐人の自治体職員採用の道を開こうとしており、画期的です。現在、大阪府吹田市で成年後見制度を利用し被保佐人となったために市職員を解雇された塩田さんが復職を求めて裁判をされていますが、明石市でそのような条例が制定されれば、それが突破口になり、全国的にもそうした動きが波及していくのではないでしょうか。紛争解決システムに新たな相談窓口を設けるなど、明石市の取り組みは今後も注目していきたいと思います。

 

■被後見人も市職員に、明石市が条例案提出へ

読売新聞 2016年02月18日

http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20160218-OYO1T50008.html

 

兵庫県明石市は17日、知的障害などのため、成年後見制度に基づく後見や保佐を受けている人について、市職員として採用可能とする条例案を19日開会の市議会に提出すると発表した。こうした人は地方公務員法で、条例を定めない限り自治体職員になれないとされているが、同市によると、実際に条例が制定されれば全国初という。

成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などで判断能力が不十分とされた人を支援するため、家庭裁判所で選ばれた人が財産管理を担う仕組み。支援の必要性が高い順に「後見」「保佐」「補助」がある。

地方公務員法の規定では、条例で定める場合を除き、後見や保佐を受けている人は職員の欠格条項にあたり、職員が後見人や保佐人をつけた場合は失職する。

一方、同市は障害者対象の採用試験を行うなどしており、同制度を利用する障害者にも採用の道を開くため、条例案を決めた。泉房穂市長は「公園の管理や清掃など、技能に応じて働く場を確保し、周囲の職員がサポートする態勢も整えたい」と話している。

 

 

■明石市 障害者と共生へ 条例案を発表 障壁除去費用を補助/差別解決に相談窓口 /兵庫

毎日新聞2016年2月19日 地方版

http://mainichi.jp/articles/20160219/ddl/k28/010/423000c

 

明石市は、障害者の社会参加を妨げる「障壁」を取り除くための取り組みを支援する助成制度創設を盛り込んだ「共生のまちづくり条例」案を発表した。19日開会の市議会に提出し、4月1日施行を目指す。市によると、こうした助成制度は全国の自治体では初という。

4月に施行される障害者差別解消法では、「障壁」を可能な限り取り除く「合理的配慮」が求められており、助成制度で市民や民間事業者らが過重な負担を理由に「配慮」を断念しないよう応援する。市は補助対象となる事例として、飲食店の点字メニューなど点字による情報保障に必要な器具や費用▽筆談に必要な器具▽知的障害者への情報保障に必要な器具や写真やイラストによるコミュニケーションに要する費用▽段差解消のためのスロープ設置費用−−などを挙げている。

また、条例のもう一つの柱として「障害理解の促進」を掲げ、同法に明示されていない相談時の差別事案解決システムとして、障害を理由とする差別が発生した場合に対応できる相談窓口を設置する。相談を受けても相手の事業者らが応じない場合には、同法に基づく地域づくり協議会によるあっせん手続き、勧告・公表などの措置も定める。

どのようなケースが障害を理由とした差別に当たるのか基準を示すガイドラインや市職員の対応要領も作成する。【駒崎秀樹】

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