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【報告】 障害者差別解消条例に係る兵庫県内の動向

来年4月からの障害者差別解消法施行に向け、兵庫県内でも様々な動きがあります。他の都道府県でも、同法施行と同時に自治体独自の条例制定の動きもあり、愛知県では知事自ら条例制定に乗り出し、県議会に条例案の提案を予定していましたが、障害者団体から当事者抜きで決めるなという声が上がり、9月県議会への提案は見送られ、再度、障害者団体との協議を行っていくとのことです。

 

■兵庫県の動向/県との話し合い

兵庫県では今年6月には「県障害福祉審議会」で初めて条例が課題として上げられ、7月・9月には2回にわたり「施策等研究会」が開催され、条例の内容や名称も含め、かなり具体的な内容まで検討が進められ、ここに至れば条例制定も確実かと推測されました。しかし現時点(10月末)に至っても、県としての方向性は定まっていません。

障問連として9月14日に障害福祉課との話し合いを行った。以下、要約を報告しますが、兵庫県内では先行して明石市、続いて宝塚市で市独自の条例制定に向けて取り組まれており、ぜひ県として条例が制定されるよう強く願い、今後とも様々な機関を通じて働きかけて行きたいと思います。

〈回答の抜粋〉

○条例制定について

「全国的に、来年4月の法施行に合わせて条例を実施する都道府県もあり、これまでできた自治体も合わせ、15都道府県で条例ができる。しかし作らないと決めている自治体もある」

「条例提案があった場合のために事務方として準備検討は進めているが、条例提案は知事の専権事項である。知事も熟慮しており、先はまだ見えない」

「条例は手段であって目的ではない。仮に条例がなくても差別解消法がある。他府県の条例にはシンボル的な要素が多い。障害者団体からは法に不備があるから条例、という議論もあるが、法理論的におかしい。法に不備があるなら法律を変えるべき、それをしないのは内閣府の責任放棄」

→ 基本的に昨年度回答と変わっていない。

○差別解消法に向けた取り組み

「110番・・・4月から実施しているが当初見込みより少なくニーズが高くないのか、再度考える」

「周知取り組み・・12/9にセミナー開催。雇用促進を中心。講演2つ、企業の取り組み」

「地域協議会・・・平成28年度内に設置。審議会の活用も含め検討」

「紛争解決・・・最終的には裁判。条例ある無しに関わらず可能な範囲で実施。相談機関としては福祉事務所、法務局の人権擁護委員。外国では簡易裁判のような全国的な救済機関があるが、法務局が逃げた。準司法的な救済機関の必要」

「身近な相談機関が重要と聞いているが、現在でも県には重層的に様々な相談機関がある。それを十分にお伝えできなかった。この観点から窓口整理していきたい。」

 

■明石市では来年4月から条例が施行される予定

明石市では市長の強い意志もあり、すでに先行した形で「手話言語・障害者コミュニケーション条例」が今春4月~施行され、続けて差別解消条例の来年4月施行を目指して、着々と検討が進められています。

○市内579事業者への書面ヒアリング(157回答)。障害者雇用、業務中の障害者への対応、合理的配慮について、等のヒアリングが行われました。

○7月には市内2か所でタウンミーティグが開催されました。

そして、検討会も10月で3回目を迎え、12月5日には「市民フォーラム」開催、そして12月市議会に「条例素案」の説明、中旬にはパブリックコメント募集、3月市議会で正式に条例案が提案される予定です。

○明石市の条例・・・明石市の条例趣旨は、障害全般の理解を促進し共に暮らしやすい街づくりに向け、理解啓発、差別事案発生時の市民や民間事業者への相談支援に加え、差別解消法で重要とされる「合理的配慮」に着目し、「合理的配慮の公的支援」も行い、差別解消法を補完していく条例とされています。

また、「障害者差別解消支援地域協議会」についても、条例の中で具体的に書き込まれる予定ですが・・・

①   障害者差別に係る事案解決の仕組みを含む相談体制の整備

②   個々の障害者差別に係る事案についての解釈の物差しとなるガイドライン(指針)の作成

③   障害理解のための啓発活動

④   差別解消のための情報収集と公表等

以上4点のそれぞれの課題に応じ、地域協議会の中に、例えば部会方式による運営の在り方も選択肢として含め検討するとされています。

 

■宝塚市では「障害者差別解消を考える会」の設立

宝塚市では、市独自の差別解消に係る条例制定に向け「障害者差別解消を考える会」が設立されました。7月15日に第1回「考える会」が開催、並行して障害当事者を中心とした公募委員の募集が実施され、公募委員も含め全員が揃った第2回「考える会」が10月6日に開催されました。

「いこいの場ひょうご」精神障害当事者の高瀬さんや、「宝塚きんとーん作業所」の大谷さんも委員に選任され、大谷さんは副会長にも選任されました。

宝塚市では、条例案を制定するのは「考える会」でなく「社会福祉審議会」です。具体的には10月にも審議会の中に条例を作成するための「小委員会」が設けられます。「考える会」の役割は、7回程度「会」を開催し、当事者の意見や協議内容を「小委員会」に報告するという位置づけです。さらに、この「考える会」は来年4月~施行される差別解消法の下で設置される「差別解消支援地域協議会」の前身とされ、大きな役割として位置づけられています。

第2回の考える会では、7月末~8月末まで「差別事例、配慮された事例」の募集が行われ、98人から366件の事例が寄せられ、その報告が公表され、意見交換が行われました。次回、第3回は11月17日に市役所内で開催され、事前申し込みなしで傍聴できます。

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