差別問題一般

【報告/生活保護問題】 おかしい「確認書」の運用?!!

【報告/生活保護問題】 おかしい「確認書」の運用?!!

障問連事務局

昨年度から加盟団体「NPO法人らいふすけっと」理事長の高田耕志さんより、生活保護の運用に関し、意見と取り組みの要請をいただいていました。事務局の多忙もあり、なかなか取り組めませんでしたが、5月7日、高田さん、福永代表、事務局で兵庫県生活支援課を訪問し話し合いました。

 

■当事者にとって屈辱的な「確認書」

加古川市では毎年1回、下記のような内容も含めた15項目の「確認書」が、世帯者全員の署名・捺印も伴い、十分な説明もなく義務付けられており、「確認書」の項目も以前より多くなっていること、また「確認書」の中には生活保護受給者の尊厳を傷つける内容もある事、以上の理由により高田さんは取組まれ始め、1月9日に加古川市福祉事務所に質問状を提出されました。

〈確認書  抜粋〉

・最低限度の生活の維持のためには活用できる資力・能力を活用しなければならないこと

・節約を図り、生活の維持向上に努めなければならないこと。

・今後、世帯員も含めて暴力団に加入したり、反社会的活動に従事しないこと。

このような文面は当事者の尊厳を傷つけるものです。高田さんは、とりわけ「反社会的活動」は非常に抽象的で、かつて戦前には「反戦」と言うだけで投獄された人もおり思想・言論の自由のための活動が時に「反社会的」とされかねず疑問を投げかけられました。

加古川市は指摘を受け「反社会的活動という文言は削除する」と文書で2月18日に回答しました。しかし、「項目の多さ」「毎年確認の義務付け」について、加古川市は「県からの指導によるもの」と回答したため、今回、兵庫県と話し合いました。

 

■国は「収入の確認」を求めているだけなのに・・・

高田さんが集められた資料によると、厚労省社会援護局保護課長名の平成24年7月23日付「社援保発0723第1号」によると、会計検査院から収入申告や収入があった場合の返還が十分されていないと指摘を受けたため、改めて被保護者に周知するように、そのような内容であり、参考資料として添付される「確認書」は収入に関する4項目だけの簡易なものです。

それでは、何故兵庫県では国の示した確認書より多くの項目が入ったものになっているのか、この点が争点になりました。兵庫県の担当者は「もともと兵庫県として確認書例を作っていた。平成24年の国の通知を受け、それを各市町の福祉事務所担当者も交えて見直しに向け検討し、新たな書式を提示することとなったが、各市町に対しては義務付けていない」と回答しました。神戸市や西宮市では、このような内容で毎年の確認書は取られていないこと、生活保護ケースワーカーは「援助」が本来の仕事なのに、「指導」になっている等の意見を述べ、それに対し兵庫県は「見直しした際の議論の経過を、もう一度確認したい。県として強制的に求めているものではないので」、とし話し合いを終えました。

 

■住宅扶助の削減について

話し合い後、この7月から実施される「住宅扶助の削減」についても若干話し合いました。今年4月14日付けの厚労省援護局長名から兵庫県知事あての通知を示しました。兵庫県としては障害者等、特別の事情がある場合には、当然に配慮されるとし、大きな問題という認識はありませんでした。資料だけでは不明な点もあり、今後も確認していきたいと思います。

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