介護保障

【ご案内】 「障害者の介護保障を考える会」第1回例会のご案内

2月8日開催されましたシンポジウムを機に、同会は発足しました。4月19日有志のメンバー、当事者、弁護士が集い、準備会が開催されました。改めて正式な第1回例会を下記のように開催いたしますので、関心のある方、介護支給量に関してお悩みの方、是非、ご参加ください。

○日時:5月24日(日)   午後1:30~4:30
○場所:神戸市立心身障害者福祉センター 大会議室
問い合わせの連絡先は、090―6067-5024 星屋

同会の力強い応援団でもある、「介護保障を考える弁護士と障害者全国ネットワーク」のメンバーであり、2/8シンポジウムの講師をお願いした長岡弁護士が支援されている北海道札幌市での介護支給を求める裁判の高裁判決が4月24日に下されました。

■月720時間以上の重度訪問介護の支給を求める札幌鬼塚訴訟の控訴審
原告の鬼塚さんは重度障害者で常時介護を必要とし、月720時間以上の重度訪問介護の支給量を求められています。しかし札幌市は、一部の最重度障害者を除き、月330時間(平成25年4月以降は540時間)を上限とする基準を設け、これに従って鬼塚さんにも月330時間(平成25年4月以降は540時間)の支給量しか認めず、残りの時間は生活介護や短期入所で賄うべしとしてきました。1審の地裁判決は鬼塚さんの主張は認められず敗訴、これを覆すべく控訴して迎えたのが今回の高裁判決。
結果は、札幌市の言い分をほぼ全面的に認める不当判決。判決の大きな理由は・・・
○実際の支給量の決定については市町村の裁量に委ねられており、そこにおいて財政事情を全く考慮に入れないことは不可能。
○障害者の生活スタイルの希望を常に完全に叶える事が総合支援法の趣旨目的とは解されない。
○控訴人(障害者)がどこで生活するかの決定を福祉サービスによって実現される事が常に保障される基本的人権であるとまでは解されない。

■当事者による大きな運動が必要
『日本は権利条約に批准しました。そこでは地域社会で暮らす平等の権利がうたわれ、障害のある人も障害のない人と同じように、どこで誰と生活するかを自ら決定できるとされています。しかし、高裁判決では、このような障害者の基本的人権に対する理解が全く見られません』と長岡弁護士は不当判決だと指摘されています。
また2/8シンポジウムで紹介された大阪高裁判決(石田訴訟)では、自立支援法は障害者の地域での自立生活を支援するという自立支援法の目的(1条)を重視し、支給量は一人ひとりの事情に即して決められるべきと、ほぼ原告の主張を認める判決が下され、現在、不当な高裁判決と評価できる高裁判決が併存している形です。鬼塚さんは「あくまで地域生活にこだわり、裁判を続けたい」と言われ、最高裁判所に上告予定、地域生活を権利として位置づけていくためにも当事者の大きな運動が必要だと長岡弁護士は言われています。私たち「考える会」が取り組む内容と全く同一の課題です。是非、共に歩み、みんなでつながり合って取組んでいきたいと思います。

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