オールラウンド交渉 市・町の制度

【報告】 神戸市オールラウンド交渉

【報告】 神戸市オールラウンド交渉

星屋和彦(障問連事務局)

2014年12月12日、三宮センタープラザ西館にて行われました。

大きな進展のない回答が多かったのは確かですが、障害部局の回答は不十分ながらも、昨年度に比べ対話しようという雰囲気の中で進められたように感じられました。以下、各分野についての報告です。

○教育/付き添い問題

・通常学級に通う障害児童の親に対して付き添いが強要される問題に関して、「安易な付き添いは求めない」という市の回答に対し、「安易な付き添いはダメでも必要な付き添いはありなのか?」と現場の判断基準を確認すると「体調面で病気などであれば付き添いを求めることもある」との再回答でした。障問連からの「障害に伴う病気、継続するものは『付き添いを求める病気』に含まないという意味でよいか」という念押しに対し、「病状が安定していれば支援員や看護師対応で、付き添いなしで大丈夫」という確認を得ました。

○教育/学校の対応

特別支援学級に在籍している中学生の障害生徒に対する、支援学級担任からの数々の差別的な対応が、当日会場に来られたお母さんからの文書と発言で明らかになりました。それら数々の差別的対応が読み上げられるたびに、会場はその時代錯誤なあまりにひどい内容に対し驚き呆れ、怒りに包まれる雰囲気となりました。その根本は、お母さんからの「学校側に、『なぜ重度の子がここに(普通校)来るのか』という考えしかなく、サポートしようという気が見えない」という発言に示されている通りのひどいものでした。市は「まずは学校側に事実確認を行いたい」としたものの、「事実であればきっちり指導する」という回答でした。障問連としては、この教師だけの問題ではなく、「なぜ特別支援学校に行かないのか」という意識がこの学校中に、そして神戸市の教育現場全体にあるのではないか、障害の重さだけで決めるのではなく、親子の希望をきく姿勢が足らないのではないか、という問題提起を行いました。お母さんに学校側に対する深い不信感があることからも、今回のこの差別対応に関しては、今後の学校側と保護者との話し合いの場に、教育委員会の立ち会いを求めました。

○精神障害者問題/公営住宅・地域移行

住宅問題、特に公営住宅での生活へのサポートに関して多くの時間をとりました。精神障害者が公営住宅に住んだ際に、症状の波により自治会活動への参加が困難な場合などに、他住民との間にサポートが入ることが重要になります。公営住宅に障害者が入りやすくする「受け皿作り」も重要ですが、入ったあとのサポートがない現状は、当事者にとってかなりのしんどさがあります。また、こういったサポートのためには住宅局と福祉部局との連携が必須ですが、神戸市ではそれも見えにくいのが実情です。

これとは別に、市営住宅に精神障害者のグループホームを作る動きが神戸市にあった際に、その市営住宅住民からグループホーム設置反対の陳情がなされたということがありました。この問題に対して確認すると、市は「市が住民説明をした際に事業者がまだ決まっていなかったため、十分な説明ができなかった。まだ中止になったわけではない、これからも丁寧に説明を続けていくつもりである」という回答でした。個人でも集団でも、障害者が公営住宅に住むことへの住民の不安や不満はまだ根強いものがあり、それに対してのサポートが神戸市は非常に手薄です。障害を持つ人の生活の悩み、そして周りの住民の不安や苦情の受け口も含め、地域相談支援事業者に間に入ってもらうなど、今後の新たな展開を強く要望しました。

○街づくり・交通

障問連が長年にわたって要望している、現場運転手の各営業所での研修に、「障害当事者の講師としての参加」を引き続き強く訴えました。当日会場からは実際にあったバス運転手の不適切な対応の数々が報告され、当事者研修の必要性が改めて浮き彫りになっています。市の回答としては、西神営業所で9月30日に障害者を講師に招いての実習を試験的に行ったとのことなので、今後の動向を追いかけていく必要があります。

○自立支援分野

・介護保険問題・・・65歳になると障害者に介護保険の利用を強要し、65歳を境に介助状況や生活が後退する「介護保険問題」について、市は「介護保険対象者が『介護保険不適合』と判定された場合、一律20時間の支給」としているが、20時間と国が指定しているわけでなく市独自の判断であり、かつ特に根拠を示すことはできませんでした。そして市は介護保険問題全般に関して「今後の大きな検討課題と認識している」との見解を示しました。

・ガイドライン問題・・・深夜帯の介助について区で頭打ちにされることに関して会場から当事者の発言もあった中、市は「頭打ちにはしない、十分聞き取った上で必要なら時間数を出す」という回答でした。「入院時コミュニケーション支援」については、今年度「重度の知的障害者への運用拡大」のため新たに予算要求したが通らず、次年度も引き続き予算要求することが明らかにされています。

・通院時の中抜き問題・・・「同行援護」について、視覚障害者のガイドは「情報支援と情報提供」も含むと国もしており、病院内ではガイドを使えないとする「中抜き」の支給決定をしないように要望しました。対して市は、病院だけでは視覚障害者に十分な支援が行えないこともあると認めましたが、「診療中は算定できない」と回答。情報提供を含む支援がいつ必要になるかわからないのは診察中も同じであるし、医者や看護師が「障害者の介護」をわかっていないことも多く、診察中も含めて病院内でのガイド中抜きをしないよう求めました。

・移動支援・・・では、グループホーム入居者のガイド利用は、「社会生活上必要不可欠外出」に関しては32時間を上限としないとの市の見解が確認された。また、ホーム入居者でも、経過措置の延長で、外出を含む重度訪問介護利用は可能ということも確認されました。

・「生きる場・作業所」・・・近年指摘し続けている「生活介護事業所が西区北区に集中し、東部地域で極端に少ない」という『東部問題』について、数値を用いて市の施策の不十分さを強く問い質しました。現状では、東部地域の障害者は、親亡き後、北西部の施設に入所するしかない、という強い危機感を訴え、予算措置など新たな施策を行うよう要望しました。

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