オールラウンド交渉 国/県の制度

【報告】 11/26 兵庫県とのオールラウンド交渉の報告

11月26日、兵庫県中央労働センターにて兵庫県関係全部局が参加するオールラウンド交渉が行われました。主だった課題について報告します。また主に数値等を示した兵庫県下の各施策の状況についても、報告の後に資料として掲載しますので、是非参照して下さい。

(ウェブ版には事前の県からの資料は掲載しておりません。あしからずご了承ください)

 

■差別解消法と県障害福祉審議会について

〈県回答〉

・条例については検討中としか言えない。

・本来、障害者への差別は全国一律で国において差別の定義や解決の仕組みを法において定めるべきなのに地方に丸投げする誤った法体系が問題。ある地域では差別になるが、ある地域では差別ではない等、混乱を生じさせる可能性があり、明らかに誤りであり、全国知事会を通じてきちんとした法体系にすべきと国に働きかけている。また新たな紛争解決の仕組みについては財源の手立てもない。

・人権擁護委員の取り扱った事例はお見せできないが多くの蓄積があり合理的配慮の事例もある。県の窓口では「聞くだけ」だが、人権擁護委員には何より当事者間調整の権限を有している。

・次期からの審議会は、新たに企業関係者、法務局、当事者委員を増やす事、女性委員の増加など、課題を見極めバランスに配慮して検討したい。

→ 差別解消法が不十分な面はあるが、成立過程において、政治状況、人権問題に関する監視機関/第三者機関の設置についての消極姿勢(とりわけ安部政権)等の状況に中で成立自体が危ぶまれた背景を改めて説明し、だからこそ自治体独自の条例の必要性を要望する。県として国を批判するなら、より一層前向きに取り組むべきだろう。

 

■県職員採用から「自力通勤/自力職務遂行」条件を撤廃して下さい

〈県回答/人事委員会〉

・自力通勤については平成17年以降の募集要項の受験資格からは撤廃している

・明石市で先日募集した際に「自力職務遂行」条件が撤廃された事は承知している。具体的な内容を明石市に聞きたい。しかし地方公務員法上、守秘義務が課せられる公務員と課せられない介護員等の職員が一緒に働く事は困難、また第三次行財政改革の中では臨時職員の雇用は困難。他府県の動向も踏まえ引き続き検討したい。

→ 従来の回答を繰り返すのみ。さ来年度から施行される差別解消法に抵触するのではないかと問うと、県職員の各任命権者である知事部局/教育委員会/警察がどのように判断するのかにより、人事委員会としては判断できないと回答。改めて差別解消法との関係で障害福祉部局と人事委員会がまず協議し積極的に音頭を取り、各任命権者に働きかけて欲しいと要望した。

 

■交通/バリアフリー

○駅舎等のエレベーター設置

〈県回答〉・・・一日平均5000人以上の乗降客の駅舎は、未設置は5駅だが3駅は整備中。残りは阪急春日野道駅・高速神戸鉄道花隈駅。その2駅も構造上困難と思われたが、現在工事方法やエレベーターの小型化もあり引き続き研究している。→ 困難な2駅に、階段昇降機を常備して欲しいと要望した。

○可動式ホーム柵

→大阪のJR桜島駅で既に試験的に運用され、改善したものを六甲道駅で12月~試験的に運用される。しかし検証した結果は公表されるのか、実際に使う当事者の意見を反映させる仕組みを作って欲しいと要望、県としてどのように指導するのかと追求した。しかし、最終的に決めるのは各鉄道事業者であり、同一車両、必ず同じ位置に停車できる事等の条件がある、またホーム柵になると停車時間が長くなり本数の減も生じると回答。またバリアフリー法上義務付けられるのが一日平均乗降客数が10万人以上で、兵庫県内ではJR三宮、神戸、明石と阪急三宮、地下鉄三宮駅のみ。

○精神障害者の割引問題

→県として各事業者に要望しているが「全但バス」以外は導入されていないと昨年度回答と同じ。

○明石海峡大橋を運行するバスに車椅子のまま乗車できない問題

→主管する県土整備部の回答は全く昨年度と同じ。現在は平成32年までの中間地点に当たり後半年度の地域別の課題の重点に考えたいと回答。また差別解消法との関係で、この問題は「過重な負担」になるのか等を聞くと、それは障害者支援課が主管する「公共交通事業者部会」で取り上げるべきことと回答。

→「公共交通事業者部会」としては、聴覚障害者向けのテレビ電話付きのインターフォンを駅舎に設置する取り組み、駅員のサービス介助員の資格取得の推進等の取り組み報告。

○その他の要望

→要望書にはなかった事例として、災害・事故時の振り替え輸送の際に、視覚障害者がホームで孤立したり、振替先の駅舎までの移動の確保がない、振替先の駅舎がバリアフリーでない等の実例を障問連から報告し、混乱した状況になるが、障害者への必要な配慮を要望した。県として新たに認識でき各事業者に周知したいと回答した。

 

■自立生活支援に関して

○相談支援/サービス等利用計画

〈県回答〉

・基幹型相談支援事業所の設置市町は、41市町のうち7市町しかない。義務化されていない問題があり位置付けの明確化を国に要望している。

・サービス等利用計画・・・障害者39,3% 障害児32,9% → 全国で下位10位。姫路市を除く政令都市・中核市は厳しい。県として個別に対応している。来年4月以降は体制整備が急務。

・相談支援員の人員不足と言うより、資格を持っていても従事していない人が多い。また神戸市は各区のセンターを重視しており相談支援事業者が少ないことが課題。

・サービス等利用計画作成が義務付けられ、福祉サービスの支給量は計画を勘案して決定する。基準を越える場合は審査会に諮る。

○重度訪問介護の対象拡大

〈県回答〉・・・兵庫県下 7人(西宮市4人 篠山市2人 芦屋市1人)。人材養成が重要で県として強度行動障害者研修を実施する。

○同行援護/通院時の中抜き問題

〈県回答〉・・・根本的な解釈は病院敷地内は原則利用できない。やむを得ない場合には個別事情を勘案して報酬算定できるようにするが、「診察・検査」等の直接的な医療報酬算定される時間帯は認められないのが原則。重度訪問介護/居宅介護でも同様と回答。

→ 現場で起こっている事例、事業者の対応、診察や検査時、介護度の重い人に医師・看護師だけでは対応できない現実があること等の実情を訴え、厳しいやりとりになる。

○難病者の障害福祉サービス利用・・・県回答では、利用者は県下60人(政令/中核市除く)

○介護保険問題

→高砂市でそれまで移動支援利用していた障害者が利用できず、最重度の障害者しか認められない事例を報告し県に見解を質したところ、「不適切」と回答。しかし移動支援は各市町による地域生活支援事業のため、県としては強く指導できないと回答。

○グループホームに関わる課題

・夜間配置/宿直について・・・「夜間の深夜割増等の賃金割増等のみで判断せず、宿直手当として支給していても夜勤の実態があるなら夜勤配置区分として認めるよう各県民局に指導している」と回答した。

・グループホームの建築基準・・・基準に緩和に関して国土交通省の構造改革特区申請したが認められなかった。安全性を第一に考え「寄宿舎でない」とはできないが、引き続き基準の緩和に向けて検討すると回答。→鳥取県・愛知県のような「寄宿舎」でない県独自の施策を改めて要望した。

・グループホーム/スプリンクラー・・・障害支援区分4以上の利用者が8割以上なら義務づけ。6月に県が実態調査したところ、スプリンクラー設置20%、簡易式10%と回答。

・移動支援・・・南あわじ市ではホーム入居者の移動支援が認められない事例を報告し県の見解を聞いたところ、「不適切」と回答し、みなみあわじ市に問い合わせると回答した。

・基準条例を適用したホームは1件。外見を変え直接外に出入りできるようにして認可した。

○医療的ケア

・2014年度研修希望者は324施設から503人のところ募集人数は150人(不特定)、同じく不特定の者への研修希望者は275事業所から620人と回答。不足しているのは明らか。

→当事者の家族から、一日も早く介護者に来て欲しいが研修がなかなか受けられないこと、兵庫県で受講できないので大阪で受講せざるを得ないこと、実施事業所が少なく撤退する事業所もあり代わりの事業所を探すのも大変、事務的な煩雑さもあり事業所に負担感があること等、様々に実情を訴えられました。

 

■生きる場/作業所

・小規模作業所・・・平成25年度の小規模作業所補助金は約1866万円。尼崎市/宝塚市/西脇市/川西市/宍粟市にある。行財政改革の見直しはあるが今事業は継続する。

・就労継続B型事業利用のアセスメント・・・新卒者が利用する際の就労移行支援事業者によるアセスメントの義務付けについては、平成28年3月卒業者から義務付けになる。在学中に就労移行支援事業者にアセスメント(能力評価)していただく。しかし、移行支援事業者が少ない地域もあり、北播磨圏域3ヶ所 但馬圏域3ヶ所しかない。そのため玉津の能力開発センターに指定を取っていただき実施できるようにしたい。

 

■精神障害者問題に関する要望

○精神障害者の県内のグループホーム数/居宅介護・移動支援利用状況・・・別紙参照

→郡部等では、「ゼロ」が多く、大きな地域格差がある。「ゼロだが他市町のホームに入居している例はある」と回答したが、住み慣れた地域にホームがあるべき事を要望した。

○公営住宅を活用したグループホーム

〈県回答〉・・・平成20年から県営住宅を活用したマッチング事業を3回実施。平成25年度には51戸、138人分を指定済み。平成26年度も既に4戸、さらに5戸は調整中。

→県営住宅では取り組まれているが市町営住宅では立ち遅れている、県として指導するよう要望する。

→神戸市須磨区の住民反対の事例のような事が、県のマッチング事業ではないのかと聞くと、「昨年度、自治会への説明で強い反対があり事業所が辞退した事例が1件ある。しかし粘り強く説明して実現できたケースもあり、説得に時間を要しても住宅部局にも了解してもらい、県としては粘り強く説得していくのが基本方針」と回答。住民反対については、当該地域の自立支援協議会に問題を投げかける等の取り組みについて要望する。

○公営住宅への入居促進と支援

〈県回答〉・・・原則世帯だが要件を満たす精神障害者には単身入居も認め収入要件も緩和し、優先入居枠を設けている。また知っている限りでは自治会活動等への参加については配慮されており、自治会に説明してもらったら良い。

→グループホームの設置反対を自治会として上げられる事例など差別偏見は厳しく、精神障害であることを明かす事すら困難であり、回答は現状認識できていない。本来あるべき居住サポート事業が相談支援の再編もあり何ら機能していないと指摘する。

○病棟転換型居住系施設について

〈県回答〉・・・厚労省の検討会の中で示されたが反対意見もあることは承知している。県としては今後の動向を見守りたい。

○就労について

〈県回答〉・・・改正雇用促進法に基づき、今後示される合理的配慮の事例を見ていく事、先進企業の取組みを事業者に説明し、障害特性に応じた配慮、県として配慮事例のガイドブック配布し、働きやすい環境整備に努めること、平成25年から週10~20時間雇用に助成制度を設けている。

○社会的入院について

〈県回答〉・・・従来施策が長期入院であった。望まない必要のない入院を余儀なくされているのは重大な問題。

○保護者制度の改正について

〈県回答〉・・・強制入院の要否の判断は県が行い法改正によっても変わらず適正に指導している。法改正以降、特に退院促進に向けて重点指導している。

○重度障害者医療費助成について

〈県回答〉・・・全国的に半数が実施。厳しい財政であり現行制度の維持。安定性のため2級まで拡大する事は困難。

→ 就労を理由に年金が切られるケースもあり、雇用されても短時間労働なら生活できる賃金は難しく、全体的に考えて欲しいと改めて要望する。

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