【国の動向】 社保審障害者部会、障害者政策委員会の動き
■社会保障審議会障害者部会の動向
11月25日(火)に開かれたようです。この日は、1.報酬改定チームの議論について、2.総合支援法3年目に向けた見直しについて、それぞれ議論がなされたようです。
1.報酬改定に関してですが、①障害福祉従事者の処遇改善、②グループホームにおける重度者支援の充実、③地域移行に向けた支援の充実、④就労移行後の定着実績の評価、⑤計画相談支援の強化、⑥強度行動障害を有する者に対する適切な対応、⑦障害児支援の充実、⑧サービスの適正な実施等、について、チームごとの報告がなされています。
また、2.総合支援法の見直しに関してですが、①常時介護を要する障害者等に対する支援、障害者等の移動の支援、障害者の就労の支援その他の障害福祉サービスの在り方、②障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方、③障害者の意思決定支援の在り方、障害福祉サービスの利用の観点からの成年後見制度の利用促進の在り方、④手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等に対する支援の在り方、⑤精神障害者及び高齢の障害者に対する支援の在り方、の5つの点が議題に出されています。
今回の部会においては、各チームの報告が主なものであったと思われるため、今後の方針についての具体的な記述は見当たりませんでした。しかしたとえば、重度訪問介護の見直しにおける国庫負担基準の考え方や、介護保険と障害福祉の適用関係の記述に見られるように、国の方針としては、かならずしも障害者本人のサービス利用を抑えようとはしていない、少なくともそのように読める記述がなされています。一方で、障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言の概要も示されており、総合福祉法の理念がどれだけ具体的に総合支援法に反映されるかなど、今後の動向が注目されます。
■内閣府障害者政策委員会の動向
11月10日(月)、第18回障害者政策委員会が開かれました。今回、素案をもとにしつつ、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(案)」が事務局から出されました。それについて、「不当な差別的取扱いとは何か」、「障害女性と障害児について記述があったのはよいが、さらなる踏み込んだ表現を」、「高齢の障害者についての記述を」、「交流学習や特別支援学校との共同学習がインクルーシブ教育ではない」、「出生前診断について記述してほしい」など、さまざまな意見が寄せられた模様です。また、紛争解決のための新機関の設置に関する議論もあったようです。これらの意見ならびにパブリックコメントをもとに、次回政策委員会が開催される予定です。
▽国のパブリックコメントに意見を送りましょう△
上で述べたように、差別解消に向けた基本方針に対するパブコメ募集、ならびに総合支援法に基づくサービス改変に向けたパブコメ募集がなされています。ぜひ、意見を送りましょう。
・障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準の一部を改正する省令(案)の御意見の募集について
(2014年12月16日まで)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495140300&Mode=0
・障害者差別解消法に基づく基本方針(原案)に関する意見募集について(2014年12月25日まで)
http://www8.cao.go.jp/shougai/kihonhoushin_iken.html
12月 5, 2014