新聞記事から

【報道】 新聞記事より

■生活保護停止に審査請求 72歳女性、自動車保有で処分

福島民友ニュース 2014年8月1日

http://www.minyu-net.com/news/news/0801/news4.html

 

福島市福祉事務所から生活保護停止処分を受けたことを不服として、障害認定を受ける同市の女性(72)は31日、処分取り消しを求めて県に審査請求した。県は、処分が妥当かどうかを確認した上で速やかに判断を示す方針。

支援団体の障がい者と自動車を考える会(角野正人代表)によると、女性はリウマチによる歩行困難などで障害2級に認定され、1999(平成11)年から生活保護を受ける。通院や買い物で使うため乗用車を保有している。

生活保護受給者は原則自動車を保有できないが、障害がある受給者は通院で定期的に利用する場合などに限り例外で保有できる。

女性は同事務所から「買い物に車を使っている」などとして例外に該当しないと判断された。

 

 

■障害者の自治体採用に壁 介助なし・自力通勤

沖縄タイムス 2014年8月7日 13:01

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=79200

 

市民団体「障害者欠格条項をなくす会」は6日までに、障害者対象の採用試験を実施している自治体の多くが「介助なしで職務遂行できる」「自力で通勤できる」などの条件を受験資格にしているとの調査結果をまとめた。同会は、これらの条件が理由で障害者が受験できないとして国や自治体に改善を求めている。

調査は、2013年度に108の都道府県、政令市、中核市が行った計207の採用試験が対象。介助を必要としないことを受験資格とされた試験が89%に上り、自力通勤が求められた試験も71%あった。受験資格以外でも、点字による試験は44%と低水準にとどまった。

同会の臼井久実子事務局長は「受験資格の制限は公平性を欠くだけでなく、障害者の意欲と可能性を失わせている。今回の調査結果を、共生社会への取り組みに生かしてほしい」と訴えている。

報告書は同会のホームページに掲載。アドレスは、http://www.dpi-japan.org/friend/restrict/shiryo/tihousiken2014.pdf(共同通信)

 

 

■医療観察法、退院のハードル高く 「帰住先なく留めおく」ケースも 日本精神神経学会調査

ニュース「奈良の声」2014年8月21日 浅野詠子

http://www.ac.auone-net.jp/~nara-koe/news418.html

 

傷害や殺人などの他害行為の容疑で、不起訴や無罪になった精神病患者を強制収容する医療観察法の入院処遇をめぐり、症状が改善していたり、同法の専用病棟になじみにくい障害であっても、「地域に受け皿がない」などの理由で、退院の申し立てを裁判所が棄却する決定が相当数あることが、日本精神神経学会の調査から分かった。調査の対象になった、こうした棄却決定16件(6医療機関)のうち、裁判所の判断が「正当である」と答えた専用病棟は、わずか2件にとどまっている。

同学会の法委員会(富田三樹生委員長)に所属する太田順一郎・岡山市こころの健康センター所長ら6人の精神科医が調査や考察を担当した。本年3 月、「医療観察法の運用に関する指定入院医療機関向け調査および厚生労働省向け調査の報告」としてまとめ、「精神神経学雑誌」(第116巻・第6号)に掲載した。東京都内や奈良県内など全国28カ所の国立、府県立病棟にアンケート調査し、20の専用病棟が回答した。

医療観察法における退院の可否は、裁判官と医師(精神保健審判員)の2人の合議により裁判所が決定する。同学会の調査によると、病院側が患者の退院を申し立てていながら、地裁が認めなかった16件のケースのうち、最も多かった棄却の理由は「生活環境調整が不十分」で、8件に上った。16件の棄却に対し「正当である」と答えた専用病棟は2件だった。この2件は、退院の申し立てを行った後、患者の病状が悪化したという。

裁判所の棄却に対し、「不当だ」と明確に回答したケースは5件あった。「疾病性に疑問がある者を適切な帰住地がないとの理由から留めおくことは人権上問題がある」という声や「不当であると思うが、帰住先がなかったため、仕方がないとも思う」とのコメントがあった。

また、人身を拘束する根拠とされた精神鑑定の内容が誤っており、当初の審判では統合失調症と診断された患者が、実際には妄想性パーソナリティー障害だったケースもあった。移送先の専用病棟は投薬を中止し、精神症状は安定していたとされるが、処遇終了の退院を裁判所は認めなかった。医師の審判員が「他害のリスクがある」と主張し、強制通院命令が言い渡されたという。

一方で、「重篤な精神障害を持つ患者に対し、重点的に医療を行う仕組みが国内にはまだない」などの理由を挙げて、退院申し立てを裁判所が棄却することに一定の理解を示す回答もあった。

法施行から5年を経た2010年の段階で国は、運用の状況を国会に報告した。しかし実態はよく分からず、同学会は今回の調査を実施した。厚生労働省に対しては、処遇を終えた人のその後の実態についてなど17項目の質問をしたが、回答は3項目にとどまった。強制治療を受けた患者の自殺、病死、行方不明者についての回答も得られなかった。調査報告書は「より実態を把握できるようなデータの公表が望まれる」としている。

◇視点 精神障害者が地域で暮らす上で大切な訪問看護や地域医療、グループホームなどの福祉資源は偏在しており、国政や地方自治の課題と言える。臨床的には病状の改善が得られ、退院できるはずの人々が、「帰るところがない」などの理由で長期に収容されている。

医療観察法は入院期限に上限がなく、患者の平均在院日数は長期化している。憲法上、正当な理由のない人身の拘束は許されないが、まして国は国連障害者の権利条約を批准しており、不透明な刑期なき収容は国際的にも通用しなくなる。

 

 

■医療費:都道府県に支出目標 抑制目指し来年度にも

毎日新聞 2014年08月09日 15時00分

http://mainichi.jp/select/news/20140809k0000e010224000c.html

 

◇当面はペナルティーないが、改善策の策定を義務づけ

政府は各都道府県に対し、2015年度にも医療と介護費に関する1年間の「支出目標」(上限額)を設定させる方針を決めた。医療機関が請求するレセプト(医療費の内訳を記した診療報酬明細書)や特定健診などのデータに基づき算出し、膨らみ続ける医療、介護費の抑制を目指す。11日以降、有識者による専門調査会で具体的な検討を始める。

税と保険料で賄った12年度の医療費(自己負担分は除く)は35兆1000億円で、介護費(同)は8兆4000億円。団塊の世代が全員75歳以上となる25年度には、それぞれ54兆円と19兆8000億円に膨らむと推計されている。国の財政を圧迫する最大要因と言え、支出目標の設定は6月に閣議決定された経済財政運営の基本方針「骨太の方針」に盛り込まれた。

目標設定に当たってはレセプトのほか、価格の安い後発医薬品の普及率▽平均入院日数▽高齢者数などの人口構成−−などの指標を使い、複数の市町村にまたがる地域ごとに「妥当な医療費」を算出。医療費の低い地域を「標準集団」と位置づけ、都道府県が妥当な支出目標を決める。

国は目標を超えた都道府県に対し、当面はペナルティーを設けない方向だ。ただし原因の分析と具体的な改善策の策定を義務づけ、支出の抑制を促すことになりそうだ。

議論は、社会保障制度改革推進本部(本部長・安倍晋三首相)の下に設置した専門調査会で始める。算出方法を巡っては、産業医科大学(福岡県)の松田晋哉教授らが開発した、診療科別の入院患者数▽救急車による平均搬送時間▽人口構成−−などを基に地域単位で合理的な医療費を推計するシステムがベースとなる見通しだ。【中島和哉】

 

 

■地方議員の会が質問状 佐賀市障害者不採用問題

佐賀新聞 2014年08月22日 09時45分

http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/96406

 

佐賀市が職員採用試験で身体障害者枠を受験した男性(25)に合格通知を出した後、不採用にした問題で、障害のある全国の地方議員約40人でつくる「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」が21日、市に公開質問状を提出した。

質問は、障害者採用の目的や求める能力のほか、合格通知を出した後の面接でトイレに1人で行けるかどうか質問した理由など32項目。9月12日までの回答を求めている。

メンバーの古庄和秀・大牟田市議は「今回の問題は障害に対する無理解が原因。障害のある議員がもの申すことで、市が障害者への理解に目覚めてくれたら」と話した。

 

 

■県障害者条例、差別相談の体制整備 検討委、改正案に明記へ/山梨

山梨日日新聞2014年8月27日 樋川 義樹

http://www.sannichi.co.jp/local/news/2014/08/27/6.html

 

障害者の社会参加に向けた施策を盛り込んだ県障害者幸住条例の改正を検討する委員会(委員長・早川正秋弁護士)は26日、甲府・県防災新館で第2回部会を開き、県側が障害を理由に差別を受けた際の相談に応じる体制整備を改正条例案に示す方針を示した。委員13人が出席。年度内にまとめる予定の改正条例の素案で、新たに県が障害を理由とする差別の禁止、障害者差別に関する相談・紛争の防止の項目を盛り込む。県障害福祉課によると、県が差別を受けた障害者の相談に応じたり、紛争の防止、解決に向けた人員体制整備を条例改正案に明記する。障害者差別解消法では、地方公共団体に必要な相談体制の整備を規定している。一方、県担当者は禁止する障害者差別の内容について、(1)障害者の意に反して福祉施設への入所を強制する(2)福祉サービス、普段の買い物、不動産取引 の場面で事業者がサービスの提供を拒む(3)事業者が雇用時に応募や採用、賃金などで不利益な扱いをする-など条例に規定する事務局案を説明した。


■精神障害者医療費助成:早期実現を 精神障害者ら、奈良で緊急集会/奈良

毎日新聞 2014年08月28日 地方版

http://mainichi.jp/area/nara/news/20140828ddlk29010557000c.html

 

精神障害者の医療費自己負担分への助成の早期実現を求める緊急集会が27日、奈良市登大路町の県文化会館で開かれた。約350人が参加した。

助成は、県が精神障害者健康福祉手帳の1、2級保持者(計約7200人見込み)に対し、市町村と費用を折半する形で2014年度当初予算に1億 6000万円を計上し、10月開始を予定していた。しかし、県市長会(12市)は対象を1級保持者からとし、10月開始は間に合わないと県に伝えた。一 方、ほとんどの町村は1、2級保持者を対象に10月から始める見込み。

集会を開いた「精神障害者の福祉医療を実現する県会議」の栃本一弥共同代表は「1~3級で福祉医療実現を求めてきたのは生活実態に差がないから」 と理解を求めた。同じく奥田和男さんは「約10年間訴えて、県議会で予算化していただいた時は小躍りして喜んだ。残念なことに市で対象者抑制の動きがあ り、生活実態をみた制度づくりを実現させたい」と話した。各市の9月議会で取り上げられるよう、議員に働きかける。【松本博子】

 

 

■出生前診断の倫理的課題、病院側の説明不十分 厚労省

朝日新聞デジタル2014年8月7日08時22分

http://www.asahi.com/articles/ASG7L5SF2G7LULBJ00R.html

 

約20年前に国内で導入された出生前診断について、「命の選別」につながりかねないという指摘があることなど倫理的な課題を説明している医療機関は約4割だったとする調査結果を厚生労働省研究班がまとめた。出生前診断は事前の説明が欠かせないが、不十分なまま広がっていると研究班はみている。出生前診断には、妊婦の血液を調べて胎児にダウン症が出る確率を示す「母体血清マーカー」や、羊水から胎児の異常の有無を確定する「羊水検査」があり、それぞれ1990年代、60年代に始まった。両検査とも年間約2万人が受けているとされるが、実態はわかっていなかった。

研究班は、両検査の実施状況などを尋ねる調査票を日本産婦人科医会に所属する5622施設へ昨秋送り、41%の2295施設から回答があった。2295施設のうち、血清マーカーを実施していたのは38%の864施設、羊水検査は27%の619施設だった。血清マーカーの実施施設のうち、検査前の説明時間は5~14分と短いところが58%を占めた。倫理的な課題の説明をしていたのは42%、ダウン症など病気の説明をしていたのは58%だった。学会が認定した臨床遺伝専門医か遺伝カウンセラーのどちらかがいるのは11%に過ぎなかった。

羊水検査は、血清マーカーに比べて規模が大きい施設で行われていることから、倫理的な説明は61%、病気の説明は71%が実施していた。

昨年4月に始まった新型出生前診断は妊婦の血液を調べる方法で、血清マーカーより精度が高いとされる。実施する医療機関は相談体制が整った施設に限られている。検査前にカウンセリングをし、検査でわかる病気や、病気の状況、倫理的問題などを十分に説明することになっている。

主任研究者を務めた東京都立墨東病院の久具宏司・産婦人科部長は「遺伝カウンセラーは全国に150人程度しかおらず、すぐに増やすことは難しい。どの施設でも標準的な説明が受けられるよう、国はマニュアルなどを整備すべきだ」と話している。(岡崎明子)

« »