オールラウンド交渉

対兵庫県 2014年度 精神障害者問題に関する要望書

2014年度  精神障害者問題に関する要望書

 

【1.地域移行~退院促進】

①  グループホームの設置が進まない現状があるが、精神障害者のグループホームは、平成25年度末の時点で、各市町毎に何ヶ所あり、何人利用しているのか、資料を持って回答して下さい。

②    兵庫県において公営住宅を活用したグループホーム設置はどのような状況にあるのか、昨年度からの進捗状況を報告して下さい。

③  公営住宅は、精神障害者にとって社会的入院解消のための地域の受け皿として重要なだけでなく、精神病の病状・症状そして経済的困窮度の高い当事者には重要である。精神障害者の公営住宅入居について積極的な施策を講じて下さい。

④  公営住宅に入居した精神障害者が自治会の役員や掃除を担う事は困難で症状悪化になる場合もあるが、断れば近隣住民との関係が悪化しかねません。公営住宅としての公的責任を果たし、居住サポート事業を活用し、このような課題についても支援して下さい。

⑤  「病棟転換型居住系施設」は、障害者権利条約の第19条「すべての障害者が他の者と平等の選択の機会をもって地域社会で生活する平等の権利を有する事を認める」に違反していると考えます。精神病棟を新手の入居施設に模様替えしただけの同施設は、精神障害者を新たに拘束するもので許せません。兵庫県下の精神科病院で、そのような事がないように指導して下さい。

 

【精神障害者の介護保障等、地域生活】

①    平成25年度の精神障害者に特化した居宅介護等の各市町毎の利用者数・利用時間について資料で持って回答されたい。また、どのような地域格差があるのか、その実態についてどう分析されるのか回答されると共に、制度自体の周知徹底ならびに効果的な利用促進策を回答して下さい。

②    精神障害者の移動支援(ガイドヘルプ)についても、精神障害者に特化した平成25年度の各市町の利用者数と利用時間について資料で持って回答されたい。地域生活に欠かせない支援として、当事者からも、通院や買い物、娯楽や社会参加等、幅広くニーズが高いが、各市町により運用に格差があります。兵庫県としての見解をお示し下さい。

 

【就労】

① 障害者雇用促進法の改正、平成30年度から精神障害者の雇用義務化が始まります。精神障害者が働きや

すい環境作り、短時間労働やフレックスタイム制など、具体的に各企業に対しどのような施策を講じられ

るのか、回答して下さい。

② 障害者差別解消法が平成28年度施行、平成27年度は周知期間です。雇用については障害者雇用促進法

による施策として実施される見込みですが、各障害種別ごとの雇用における合理的配慮について、兵庫県

の考えと今後の具体的施策について、回答して下さい。

③ 症状によって線引きせず、中度、重度の精神障害者でも症状が安定している人の就労について、どのよう

に促進されるのか、併せて回答して下さい。

④ 「ひょうご障害者プラン」にも「障害年金と給料で生活できる一般就労の場の確保」とされています。し

かし近年、精神障害者の障害年金支給に関し、少しでも就労していたり毎日通所している事を理由に年金

不支給になるケースが増加しています。せっかく頑張っても自立できなくなります。他障害では考えられ

ない事です。県としての認識と解決策について回答して下さい。

 

【保健・医療・衛生について】

①  「社会的入院」はなかなか解消されません。精神保健福祉法の今般の改正により新規入院者に対しては3カ月、1年と期限を設け、長期入院に至らないようになっていますが、改正前の長期入院者には該当されず、国においても総枠の削減数値しか示されていません。兵庫県として「社会的入院の早期解消」のため、どのように実効性ある施策を今後講じられるのか、回答して下さい。

②  精神保健福祉法「改正」に関して、保護者になりえる人の優先順位がなくなるため、一人の親族が同意しただけで病院に入れられてしまう危険性があります。相続問題の延長で、こっそり入院に同意してしまう問題も起きかねない。実際に県内の病院では、両親の意向を無視し親族が勝手に入院させた事例も聞きます。このような「改正」によって強制入院の増加という不安があり、大きな人権問題です。兵庫県としての見解とこのような事がないよう、精神科病院等に周知徹底して下さい。

③  精神科病院で、面接・面会を拒まず外出を認めるよう指導して下さい。加盟団体の「兵庫県精神医療人権センター」の電話相談では、揖保川病院に長期入院される方から、「退院したい」と頻繁に連絡があります。しかし医師の判断により外出もできない状況です。その方の過去の経歴等を理由に「社会には出せない」と医師が言っているとも聞きます。それでは一生出られません。医師の判断の正当性はどのように担保されるのでしょうか。本人の意見がきちんと聴取され退院支援が正当に行われるよう人権に配慮した実地指導をして下さい。

④    西宮市では重度障害者医療費助成を精神障害2級まで拡大しました。兵庫県として対象拡大されるとともにについて他の各市町に指導して下さい。

⑤    精神疾患治療のための入院費を助成して下さい。

⑥    精神科救急医療体制・初期救急を具体的にどのように今後充実されるのか、回答して下さい。

⑦    精神障害者が地域で生活し続けるために、国における精神保健医療福祉改革のビジョンにおいても、アウトリーチ支援が検討されています。兵庫県としての考え方を回答して頂き、次期計画の中で、どのように取り扱われるのか、回答して下さい。

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