新聞記事から

【報道】 新聞記事より

【報道】 新聞記事より


■多動性ある子の口に粘着テープ 京都の小学校

2014年6月5日12時13分朝日新聞デジタル

http://www.asahi.com/articles/ASG653F59G65PLZB003.html

 

京都市山科区の市立小学校で、授業中に騒いだ多動性のある1年生の男児(6)に対し、担任の20代の女性教諭が粘着テープを示し、男児がそのテープを口に貼った状態で計2回、授業を受けていたことがわかった。保護者が学校に抗議し、校長と担任は謝罪したという。

京都市教委によると、入学したばかりの男児が4月の授業中に歩き回ったり、大声をあげたりしたため、担任が「これを貼らなあかんかな」などと言って粘着テープを持ち出したという。学校側は「担任はテープの切れ端を男児の机に貼り、口に貼ったのは男児」と説明し、保護者側は「担任が口に貼った」と訴えているという。両者で話し合い、学校側が「テープを持ち出したこと自体、不適切だった」として、保護者に謝罪した。

児童は入学前の検診で多動性があるなどと診断された。保護者が普通学級を希望し、通っていたという。

 

■新型出生前検査、確定診断受けず中絶 「陽性」2人 病気でない可能性も

2014年6月11日 読売新聞

 

妊婦の採血でダウン症などの胎児の病気を調べる新型出生前検査で、病気の疑いがある「陽性」と判定された妊婦2人がその後の確定診断を受けずに人工妊娠中絶をしていたことが読売新聞の取材でわかった。

新型検査は「陽性」と出ても実際には病気ではないことがあり、検査指針で「医師が十分説明し、理解を得ること」と定めている。検査実施病院を認定する日本医学会は事態を重く見て、病院に詳細な報告を求めた。今後、再発防止に向けた対応を協議する。

新型検査は例えばダウン症の場合、「陽性」と出ても35歳の妊婦なら20%が、42歳では5%は実際にはダウン症ではないとされる。確定には羊水検査など 腹部に針を刺して調べる検査が必要だが、従来の血液検査に比べて精度が高いため、新型検査の結果のみで中絶する恐れが懸念されていた。

2例はいずれも、新型検査を受けた認定病院とは別の産院で中絶が行われていた。うち1人の検査を行った認定病院では、判定後、結果の説明などのために遺伝カウンセリングを実施、羊水検査の予約も受けたが、当日、妊婦が受診しなかった。その後、妊婦健診で通院していた産院で中絶が行われたという。

新型検査は昨年4月から国内で実施され、1年間で約7800人が検査を受け、少なくとも141人が陽性と判定された。

日本医学会検討委員会の福嶋義光委員長(信州大教授)は、「本来は起きてはならないことだ。遺伝カウンセリングが適切だったのかなどを検証し、再発防止に努めたい」と話す。

新型出生前検査…妊婦の血液中にある微量の胎児のDNAを分析し、ダウン症など3種類の染色体の病気を調べる。胎児に病気のリスクの高い高齢の妊婦などが対象。

 

 


■(声)障害理由の中絶、認めていいのか 医師・作家 松永正訓(ただし)(千葉県 52)

2014年6月11日朝日新聞デジタル

http://digital.asahi.com/articles/DA3S11183020.html

 

 

 

北海道の産婦人科医院で2011年、羊水検査を受けた妊婦が、院長から間違った検査結果を伝えられた。胎児はダウン症だったが、院長は胎児に異常はないと説明していた。生まれた赤ちゃんは生後約3カ月でダウン症の合併症で死亡。両親は「中絶するかどうかを選ぶ機会を奪われた」と訴訟を起こした。函館地裁は5日、両親の訴えを認める判決を出した。

判決の論理に従えば、妊婦には、ダウン症など胎児の障害を理由に中絶する権利があることになる。これはおかしい。我が国には堕胎罪がある。人工妊娠中絶の例外として母体保護法があり、経済的理由などが認められている。しかし、胎児の障害を理由とした中絶、いわゆる胎児条項は議論の末に法律から削除された歴史的経緯がある。

判決を受けて最も傷ついたのはダウン症の人たちや家族だろう。間違って伝えた医師の責任が重いことは言うまでもないが、司法が障害胎児を中絶する権利を認めるのは、法的にも倫理的にも問題が大き過ぎる。

この判決によって、ダウン症だからと中絶を選ぶことへの私たちの心理的ハードルが低くならないか。優生思想が社会全体へ広がることに大きな危惧を抱かざるを得ない。

 

 

■国連障害者権利条約会議 日本が初参加

2014年6月11日 10時03分NHKニュース

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140611/t10015130781000.html

 

障害者の尊厳と権利を保障する国連の障害者権利条約の会議が、ニューヨークで始まり、ことし締約国となった日本は、市民社会と協力して障害者への差別をなくしていくことや、自然災害の被災地で障害者を保護することの重要性を訴えました。

国連の障害者権利条約は、障害に基づくあらゆる差別を禁止し、障害者の社会参加を促進することを定めたもので10日、ニューヨークの国連本部で条約の締約国の会議が始まり、146か国から障害者団体の代表を含むおよそ700人が参加しました。

ことし締約国になった日本も初めて参加し、国連日本代表部の吉川元偉大使は日本が市民社会と協力して国内法を整備してきた経緯や、東日本大震災などの自然災害の際に障害者がより深刻な被害を受けてきたことを踏まえて、災害対策基本法を改正したことなどを紹介しました。

会議に参加した日本障害フォーラムの藤井克徳幹事会議長は、「条約の批准は、日本を障害者が住みやすい社会にする足がかりになる。日本は先進的な福祉工学などの分野で世界に貢献できる」と話していました。

会議は3日間にわたって開かれ、今後の国連の持続可能な開発目標の中に障害者への支援が盛り込まれることを目指しています。

 

 

■生活保護160万世帯突破 3月、受給者も最多更新

2014年6月4日 東京新聞夕刊

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014060402000255.html

 

厚生労働省は四日、全国で生活保護を受けている世帯が三月時点で百六十万二千百六十三世帯となり、初めて百六十万世帯を超えて過去最多となったと発表した。前月から三千三百四十五世帯増えた。

受給者は前月比四千七百五十八人増の二百十七万一千百三十九人で、過去最多を更新した。受給世帯、受給者ともに二月には、就職が決まりやすい三~四月を除いて十七年ぶりに減少し、これまでの増加基調が変わるか注目されたが、再び増加に転じた。

厚労省は「景気回復で雇用に改善傾向はみられるが、高齢者がただちに就職できる状況にはなっておらず、生活保護の減少につながる可能性は低い」と分析している。

受給世帯、受給者とも過去最多だが、リーマン・ショック後に急増した時期に比べると、伸び率は低くなっている。

世帯別でみると、六十五歳以上の高齢者世帯が前月比二万二百三十四世帯増の七十四万四千三百五十五世帯で、全体の46・7%を占める。無年金や低年金などの影響で生活に困り保護に頼る高齢者が増えている。

働ける世帯を含む「その他の世帯」は前月比千五百六十七世帯減の二十八万六千三世帯だった。母子世帯や傷病者・障害者世帯も前月より減った。

 

 

 

■在宅の重度障害者 たん吸引、ヘルパー不足 有資格者32市町村でゼロ、解決策なく家族に負担/茨城

2014年06月24日毎日新聞地方版

http://mainichi.jp/area/ibaraki/news/20140624ddlk08100165000c.html

 

人工呼吸器を装着している在宅の重度障害者が欠かせない「たん吸引」。呼吸確保のため必要な医療行為だが、県内では在宅の重度障害者にたん吸引を行える介護職員(ヘルパー)は2014年4月現在、12市町135人にとどまっており、32市町村ではゼロとなっている。家族がたん吸引を行わざるを得ないケースが多く、重い負担を強いられている。【蒔田備憲】

◇母が常に見守り

結城市で暮らす特別支援学校高等部1年生、石塚昂大さん(15)は先天性の筋疾患「ネマリンミオパチー」を抱える。手足を自力で動かすことはできず、食事、風呂、トイレなど24時間全介助が必要。呼吸する筋力も弱く、生後1歳を過ぎたころに気管を切開し、人工呼吸器を装着した。呼吸する筋力が弱まると、たんを自力で排出できなくなり、定期的に吸引器で取り除く必要がある。

石塚さんの場合、母(42)が口や鼻を数分に1回吸引し、気管も日中に数回吸引。2〜3年前までは、古河市の介護事業所からたん吸引を行えるヘルパーを派遣してもらっていたが、担当のヘルパーが退職後、派遣はストップ。以後1カ月に2日間ある看護師の訪問日以外、母が常に見守っている状態だ。

通学時はもちろん同行が必要となり、ちょっとした買い物などもままならない。母は「1時間でも2時間でもいい。見守ってもらえる態勢がほしい」。多くの患者家族にとって、24時間全介助が最大の負担になっている。

◇135人どまり

石塚さんの母が参加する家族会「人工呼吸器をつけた子の親の会(バクバクの会)茨城支部」は12年8月、医療的なケアができる介護事業所を増やすよう県に要望。県は当時、「12年度までにたん吸引ができるヘルパーを約350人養成する」と回答した。県によると、研修を受けた有資格者は13年度までに約500人。しかし、実際に在宅の重度障害者にたん吸引を行っているのは135人にとどまっている。

135人がケアしている重度障害者も約60人に過ぎない。ヘルパー数人が交代でケアしているからだ。在宅の重度障害者でたん吸引を必要とする障害者数は県も把握していないが、県は「潜在的ニーズもある。足りていないのは事実」とヘルパー不足を認める。

在宅の重度障害者は本人や家族の希望で自宅で療養しているケースもある。施設への短期入所などを希望しても、たん吸引を必要とする重度障害者の場合、たん吸引をできるヘルパー不足や、長時間の見守りを必要とすることから、受け入れを断られることもあるという。

◇「リスク高い」

たん吸引を行えるヘルパーが増えない理由について、ある福祉関係者は「たん吸引は命に関わる作業。ヘルパーを雇う事業所側にとってメリットは低く、リスクが高い。積極的に受けづらいのではないか」と指摘。たんが詰まっていることを見逃せば、死につながるからだ。

リスクの高さとは裏腹に、介護事業所に支払われる自立支援給付金加算額は「1回1000円」。低報酬がネックとなり、たん吸引に取り組む事業所が増えない一方、登録ヘルパーを擁する事業所には派遣要請が殺到する。たん吸引の可能なヘルパーが所属する那珂市の介護事業所「えくぼ」の持田恭正社長(42)は「人繰りが難しく、断っているケースも多い」と唇をかむ。

こうした現状に対し、厚生労働省福祉基盤課は「各自治体に(増員の)努力をお願いしたい」と打開策はなく、県障害福祉課も「各介護事業所の判断に任せるしかない。国の制度改正などを注視しながら対応したい」と及び腰。患者や家族の安心にほど遠い現状にもかかわらず、具体的な対策が取れていないのが現状だ。

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■ことば

◇ヘルパーによるたん吸引

本来は医師や看護師しか行えない医療行為だが、療養現場の現状を勘案し、厚生労働省は通知で介護職員(ヘルパー)による吸引を限定容認していた。「社会福祉士および介護福祉士法」の一部改正(2012年4月施行)で、都道府県への登録制を導入。研修や講義などを受けたヘルパーが実施できるよう、法的位置付けを明確化した。

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◇たん吸引を行えるヘルパー数◇

つくば市 43人(7)/水戸市 38人(5)/日立市 16人(4)/下妻市 11人(1)/古河市 8人(1)/那珂市 7人(1)/土浦市 4人(2)/龍ケ崎市 2人(1)/常陸大宮市 2人(1)/神栖市 2人(2)/鹿嶋市 1人(1)/茨城町 1人(1) 計135人(27)

※2014年4月現在、県まとめ。カッコ内は事業所数。

 

 

■新型出生前診断、異常確定のうち97%が中絶

2014年6月28日05時45分朝日新聞デジタル

http://www.asahi.com/articles/ASG6W6636G6WULBJ013.html

 

妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断を実施している病院のグループは27日、導入から1年間で陽性と判定された142人のうち、113人の異常が確定し、97%に当たる110人が人工妊娠中絶したと発表した。残る3人は流産したり、妊娠を続けたりしている。

新型出生前診断は昨年4月、35歳以上の妊婦らを対象とした臨床研究として始まった。胎児にダウン症など3種類の染色体異常があるかどうかを調べている。全国37病院での1年間の実績を集計した結果が明らかにされた。

集計によると、診断を受けたのは7740人で、このうち異常の可能性がある陽性と判定されたのは142人(1・8%)だった。この検査では、異常がないのに陽性と判定される「偽陽性」が出ることがあるため、確定診断には羊水検査が必要になる。しかし、3人が羊水検査を受けずに中絶していた。

また、新型出生前診断で陰性と判定されたものの、出産後に染色体異常が確認された人が少なくとも1人いた。

実施病院でつくる「NIPTコンソーシアム」の事務局長、関沢明彦・昭和大教授は「妊婦は悩んで何度もカウンセリングを受けて決めている。安易に(中絶に)流れているとは考えていない」と話した。コンソーシアムは今後、ダウン症の子どもを育てている親の話なども、新型出生前診断を受ける人が聞ける環境を整えたいとしている。(合田禄)

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