新聞記事から

【報道】 新聞記事より

■NPO 税優遇消える? 大企業減税の財源に浮上(511日、東京新聞朝刊)

政府・与党内で検討が始まった法人税の実効税率引き下げ論議と並行し、NPO法人への税制優遇措置の改廃を含めた検討が進んでいる。優遇措置は、日本では立ち遅れていたNPO活動を拡大。東日本大震災後の復興に携わる活動を後押しする意味もあった。ところが、大企業の減税論議のあおりを受ける形で、優遇措置が代替財源の候補の一つに挙がっている。消費税率が上がり、資金繰りに苦労する関係者は「さらに税制のメリットを奪われたら死活問題だ」と訴えている。(以下略)

■発達障害の人、職場で支えるには 大阪のNPOが手引書(513日、朝日新聞デジタル)

発達障害の人が職場で抱える問題に、周囲はどう対応すればいいのか。大阪市のNPO法人が100人の体験をもとにマニュアルを発行した。予定外の仕事に混乱したり、複雑な業務を覚えられなかったり。その特性を知って対応に生かしてもらうのが狙いだ。(以下略)

■<障害者向け公務員採用試験>受験資格に「自力通勤」条件も(516日、毎日新聞デジタル)

◇中核市以上の7割で

障害者向け公務員採用試験を巡り、都道府県と政令指定都市、中核市の7割が自力で通勤できることを受験資格としていたことが「障害者欠格条項をなくす会」(東京都)の調査で分かった。点字受験を認めた割合も4割強にとどまる。障害者の社会参加を支援する立場の自治体が門戸を狭めている実態が浮かんだ。

調査は2013年度試験で▽47都道府県▽20政令市▽42中核市のうち、試験をしなかった那覇市を除く108自治体について、同会がホームページに掲載された受験資格などを確認した。

それによると、「自力で通勤できる」「単独で通勤できる」などと明記していたのが36都府県9政令市34中核市だった。

また、「介護者なしに職務遂行が可能」など、介助なしで仕事をこなすことも42都府県18政令市39中核市が求めていた。学校事務などを含む108自治体の計207試験全体でみると、自力通勤は148(71%)、介助なしの職務遂行は184(89%)で受験資格としていた。点字受験は207試験中91試験でしか認めていない。

同会によると、207試験は身体障害者を対象としているものがほとんど。知的障害者向けは3試験、精神障害者向けは1試験しかなく、身体、知的、精神3種を対象としているのは3試験だけだった。臼井久実子事務局長は「差別解消に向け国が現場の指針作りを進めており、私たちの声を聞いてもらいたい」と話す。【野倉恵】

■障害と差別-仙台市・禁止条例策定に向けて(上)痛み/避難所でののしられ526日、河北新報デジタル)

できれば忘れてしまいたい。2011年4月、東日本大震災の避難所となった仙台市の集会所。宮城野区の30代女性は、周囲の視線と言葉に苦しんだ。

「障害がうつる」「迷惑だ」「『あの子』と一緒に遊んじゃ駄目」

長男(5)は重い知的障害がある。避難所内を走り回ったり、深夜に大声を出したりした。女性も軽度の知的障害者。話し相手の言葉を理解するのに少し時間がかかる。

障害のことは、知人を介して周囲に伝えたはずだった。だが、冷たい物言いはエスカレートした。「あんたは親失格だ。何とかしろ」。中年男性に人前でののしられた日もあった。「すみません」。そう返すので精いっぱいだった。(抜粋)

◎河北新報では、オンラインで「障害と差別-仙台市・禁止条例策定に向けて」(上)(中)(下)を掲載。

■鉄道・バスの障害者割引 「精神障害」置き去り(526日、読売新聞デジタル)

「身体障害や知的障害なら半額になるのに、なぜ精神障害はならないの?」。障害者手帳による鉄道・バス運賃の割引には、障害の種類による扱いの差が残っている。JR・大手私鉄をはじめ、精神障害者には適用しない事業者がまだかなりある。精神障害の当事者や家族からは、切実な声が出ている。

大阪府河内長野市の社会福祉法人「つばさの会」と同市の精神障害者家族会は昨年秋から、南海バスに精神障害者の運賃割引を求める署名活動を展開している。医療機関や日中の活動場所へ通うのに、バスを利用する精神障害者が多い。障害年金とわずかな工賃で暮らしている人が大半なので、交通費の負担は重い。

つばさの会の施設で部品の組み立てなどの作業をする女性(45)は「工賃は月8000円ほど。でも、ここへ通うバス代が往復で340円かかり、大半が消えてしまう。てんかんで、自転車も乗れないので、バス代を浮かすために歩いたりします」と話す。一緒に働くそううつ病の女性(45)は、バス2路線を乗り継ぎ、片道530円かけて通っている。

「たまには大阪市内や観光地にも行きたい。電車が割引になったら、出かけるんやけど……」

身体・知的障害は、鉄道・バスのどの社も基本的に5割引き。しかし関西の鉄道で、精神障害者を割引対象にしている社はない。大阪市、神戸市、京都市は福祉予算で市内在住の障害者に地下鉄・バスの無料パスを発行するが、市外からの利用客への割引は身体・知的障害だけ。大阪・兵庫の大手私鉄系バスも精神障害者には割引していない。

なぜ精神障害だけ、割引適用が遅れているのか。身体障害者手帳は1950年にでき、国鉄(当時)などの運賃割引が始まった。知的障害者の手帳は73年に設けられ、関係団体の運動で91年になってJRなどの運賃割引が適用された。

精神障害者の手帳は、それより遅れて95年にスタート。広島県では98年度から、県などの働きかけで、県内のバス全社と広島電鉄が精神障害者への割引適用を始めた。だが、他の地域はなかなか進まなかった。当初は精神障害者の手帳に写真がなく、不正を防ぎにくいというのが理由の一つ。06年秋に写真貼り付けが始まってから、適用するバス事業者が増えてきた。奈良県では当事者や家族会が運動し、奈良交通のバスが08年度から精神障害も割引対象にした。県精神障害者家族会連合会事務局長の奥田和男さん(72)は「統合失調症の息子は病院のデイケアに毎日、バスで通っている。外へ出かけて友人もでき、病状が良くなった。近鉄やJRの電車に割引があれば、もっと行動範囲が広がる」と言う。

都道府県の障害者福祉担当課など、行政の取り組みも大きい。岡山県では県の働きかけで08年度からバス全社が割引を始め、中国地方の路線バスはすべて適用になった。和歌山県内のバスも県の要望で12年秋から2社を除く9社が適用した。一方で、事業者ごとの割引状況を把握していない府県もある。

国土交通省は「精神障害者にも割引するのが望ましい」とする。JR、大手私鉄に適用しない理由を尋ねると「新たな福祉施策は国・自治体の負担でやってほしい」と、どこも似たような答えが返ってきた。大手私鉄系のバス会社も「経営が苦しい中で新たな割引は難しい」とする。だが、もっと経営の苦しい地方の中小私鉄や中小のバスでも、精神障害者に適用している事業者は少なくない。

障害者手帳を持つ人の数は身体障害523万人、知的障害90万人に対し、精神障害は69万人(13年3月末)。それほど大きな規模ではない。病院を出て地域で暮らす精神障害者が多くなり、就労する人も増えている。社会生活を支える「足」は重要だ。政府が公共交通機関に助成するのも一つの考え方だが、割引をすれば、これまで乗らなかった人が乗り、利用が増える面もあるはずだ。(編集委員 原昌平)

■持病で免許取り消し急増…来月の改正法施行前に(528日、読売新聞デジタル)

てんかんや統合失調症などの病状を理由に、運転免許を持っている人が免許の取り消しや停止などの処分を受けたケースが昨年1年間で2754件に上ることが警察庁のまとめでわかった。(以下略)

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