介護保障の全国的な新たな取り組み
新たな介護保障要求に関する取り組みを紹介します。11月30日に東京弁護士会館にて弁護士・障害者団体が集い「介護保障を考える弁護士と障害者の会 全国ネット」が結成されました。以下、「同全国ネット事務局」からの文章を紹介します。
「・・・ご存知のように和歌山地裁で、健常者の妻と暮らすALS患者が「1日21時間以上のヘルパー時間を出すよう」に判決が出て、22時間の支給がされるなど、弁護士が弁護団を作って最重度障害者のヘルパー支給量の交渉に関わることで、制度が大きく改善した事例が最近増えています。
和歌山の場合は市の姿勢が強硬だったためにやむなく裁判に至りましたが、他の弁護団を作って取り組んでいる多くの市町村では、弁護団を組んで支給量変更申請を行うだけで、市町村がそれまでの姿勢を変え、真摯に検討を始め、24時間やそれに近い支給を決定するなどの事例が、すでに全国各地で出ています。例えば、西日本の過疎地のA市では、24時間介護の必要な人工呼吸器利用の1人ぐらしのBさんに、1日16時間しか重度訪問介護を支給決定せず、事業所が残り8時間の空白を負担して24時間の介護を提供していましたが、6年近く市と交渉を行なって来ましたが、市は時間数を増やしませんでした。そこで、今年になって弁護団を作り支給量の変更申請を行った所、市が24時間の介護の必要性を認めました。東京都T市でも、障害者団体が交渉を続けても市が支給量の改善を認めなかった家族同居の難病患者の交渉で、弁護団を作り、変更申請をした所、市が希望する時間数を決定しました。「介護保障を考える弁護士と障害者の会 全国ネット」では、こういった新しい情報を全国各地のヘルパー支給量が足りなくて困っている重度障害者に伝えたいと考えています。」
介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット
~重度の障害がある人も地域で自立して生きていけるように~
障害者権利条約が国連で採択され、国でも障害者制度改革が行われていますが、現実に地域で生きていくことには様々な壁があります。なかでも、この会は、障害者のヘルパーの時間(「支給量」)が自立した生活 に必要なだけ保障(自立支援法2条1項)されるように、障害者団体と障害者の介護保障問題に取り組んできた弁護士らがタッグを組んで、全国各地で力を発揮したいと思っています。
全国各地に無料で支給量裁判等の経験の多い弁護士の講師を派遣し、地元弁護士向けの障害ヘルパー制度の支給量の裁判・不服審査請求・支給量の変更申請のノウハウ勉強会を行います。まずは当会にご連絡いただいたあと、地元の若手の弁護士に支給量変更申請や不服審査請求の代理を依頼し、上記勉強会への参加も依頼してください。各地弁護士への弁護士費用支払いは自己負担です。(ただし24時間介護保障のない地域での24時間重度訪問介護の申請など県内に良い影響がある地域の場合は、弁護士費用を助成できる場合があります。) ヘルパー時間が足りない障害者の支給量を増やすためのフリーダイヤルでの無料相談も行なっております。まずはご相談ください。(弁護士以外が対応。無料。通常、短時間での相談とさせて頂きます(ただし、当会の判断で、その地域の支給量水準全体に良い影響を与えるようなことが見込まれる場合は、長時間・複数回での相談対応をさせていただくことがあります)。)
介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット
事務局:〒190-0022 東京都立川市錦町3-1-29 サンハイム立川1F
相談フリーダイヤル 0120-979-197(月~金9:00~18:00)
ホームページ http://kaigohoshou.utun.net/
弁護士講師の派遣
ミニ学習会、講演会など企画段階から相談に応じます。
講師への交通費・謝礼は全国ネットが負担しますので無料です。
介護支給量に関する法の判例の動向や分析などを当事者・支援者・地元弁護士向けなどご要望に合わせて、支給量問題に取り組む弁護士が講師を務め、助言します。(地域の弁護士が参加することが条件です。地域的な重複・偏りがある場合は派遣できないことがあります)
無料相談
在宅生活のために支給量が足りない。けれど行政は冷たい。
交渉?再申請?変更申請?不服審査?仮の義務付け?訴訟?どこから手を着ければ分かりません。詳しいスタッフが無料でフリーダイヤルでお伺いします。
申請代理業務
支給申請や変更申請を代理人(弁護士)名義で行いますが肝心なのは支給量を獲得できるように申請する中身です。(当会の弁護士のいない地域では地元若手弁護士に直接依頼して頂き、当会弁護士が地元弁護士にアドバイスします。)
不服審査代理業務
申請が棄却された場合や希望の時間数でなかった場合、都道府県知事に不服審査請求を代理人弁護士が行います。(当会の弁護士のいない地域では地元若手弁護士に直接依頼して頂き、当会弁護士が地元弁護士にアドバイスします。)
1月 6, 2013