2012年度活動報告
【1】一般活動報告(2011年12月10日~2012年12月8日)
【2011年】
12月10日 第31回総会 障問連結成30周年記念イベント(ラッセホール)
16日 神戸市オールラウンド交渉(神戸市総合福祉センター)
28日 第1回事務局会議(支援研事務所)
【2012年】
1月 8日 『障問連ニュース1月号』発送
13日 第1回拡大事務局会議(於:自治労兵庫県本部)+新年会
17日 神戸市障害者施策推進会議 神戸市議会議員と面会
HIL・障問連「差別禁止条例作り」事務局会議
25日 第2回事務局会議(於:生活支援研究会/事務所)
29日 HIL・障問連「差別禁止条例作り」定例会
2月1日 兵庫県障害福祉課と積み残し課題の折衝
5日 『障問連ニュース2月号』発送
8日 東日本大震災復興支援イベント・ライブ(於:神戸市立地域人材支援センター)
10日 第2回拡大事務局会議(於:自治労兵庫県本部)
11日 DPI日本会議常任委員会に出席
15日 送迎加算問題で神戸市自立支援課に緊急要望 神戸市議会議員と面会
16日 はりま福祉ネットワーク定例会に参加(上映会の協力要請)
17日 民主党国会議員と面会 総合福祉法問題で要請
19日 民主党国会議員と面会 総合福祉法問題で要請
26日 教育集会(於:神戸市身障センター 「親のネットワーク」と合同企画)
29日 総合福祉法/全関西集会(京都) 第3回事務局会議(於:生活支援研究会)
3月7日 『障問連ニュース3月号』発送
9日 第3回拡大事務局会議(於:自治労兵庫県本部)
24日 HIL・障問連「差別禁止条例作り」定例会
25日 部落解放同盟兵庫県連合会大会
28日 第4回事務局会議(於:生活支援研究会) 十亀さん事務局アルバイト開始
31日 第24回障害者春闘(於:神戸市勤労会館)
4月11日 『障問連ニュース4月号』発送
13日 第4回拡大事務局会議(於:自治労兵庫県本部)
13~14日 DPI日本会議常任委員会
14日 精神医療人権センター学習会(三田優子さん講演)
19日 はりま福祉ネットワーク定例会に参加(上映会の共催を確認)
25日 第5回事務局会議(於:生活支援研究会)
27日 ガイドヘルプ上限問題で神戸市障害者自立支援課と事務折衝
5月 4日 『障問連ニュース5月号』発送
11日 第4回拡大事務局会議(於:自治労兵庫県本部)
18日 グループホーム問題で神戸市建築指導課と話し合い
21日 週外旅行問題で神戸市教育委員会との話し合い(親のネットワーク、参加)
22日 神戸市障害者施策推進会議・第二次制度分科会
26日 HIL・障問連「差別禁止条例作り」定例会(於:西宮メインストリーム協会)
28日 伊丹市立高校の統合負担金問題で住民監査請求
30日 第6回事務局会議 神戸市西部シンポジウム会議(於:生活支援研究会)
6月2日 要望案を添付して「代表者会議案内」を加盟団体に送付
3日 DPI日本会議全国総会 石橋事務局長が常任委員に選任
4日 関西電力の計画停電説明会(於:サンボーホール)『障問連ニュース6月号』発送
8日 第一回代表者会議(於:自治労兵庫県本部)
4日 神戸市/関西電力の説明会(サンボーホール) 『障問連ニュース6月号』発送
8日 第一回代表者会議(於:自治労兵庫県本部)
19日 神戸西部地区シンポジウム実行委員会(於:生活支援研究会)
20日 映画「精神」姫路地区上映会準備会(於:姫路市自治福祉会館)
25日 神戸市東部問題「出前トーク」(「飛行船」主催 於:六甲道勤労市民センター)
27日 第7回事務局会議(於:生活支援研究会)
7月6日 兵庫県へオールラウンド交渉要望書提出と交渉の進め方の折衝
8日 元事務局長であり障問連結成に尽力された大賀重太郎さんが亡くなられる
13日 第6回拡大事務局会議(於:自治労兵庫県本部)
23日 「チャレンジ東灘」を取材訪問
25日 第8回事務局会議(於:生活支援研究会)
28日 HIL・障問連「差別禁止条例作り」定例会(神戸東部在宅障害者センター)
8月10日 第7回拡大事務局会議 グループホーム問題で神戸市交渉
14日 神戸市に要望書提出
16日 大賀さんを偲ぶ会/第一回準備会(於:勤労会館)
18日 定時制問題/対策会議(於:宝塚市西公民館)
18~19日 DPI日本会議常任委員会 尼崎地区キャンプ
21日 神戸市施策推進会議/分科会・ヒアリング 西部地区シンポジウム実行委員会
22日 兵庫県と第一次交渉(於:兵庫県民会館)
29日 第9回事務局会議(於:生活支援研究会)
9月7日 差別禁止条例/事務局会議
8日 『障問連ニュース9月号』発送 明石地区キャンプ
14日 第8回拡大事務局会議(於:自治労兵庫県本部)
15~16日 神戸地区キャンプ(しあわせの村)
18日 神戸西部地区シンポジウム第三回実行委員会(於:生活支援研究会)
22日 映画「精神」姫路地区上映会
25日 大賀さんを偲ぶ会/第二回準備会(於:勤労会館)
26日 第10回事務局会議(於:生活支援研究会)
27日 神戸市障害者施策推進会議
29日 HIL/障問連差別禁止条例/定例会(メインストリーム協会) 西宮地区キャンプ
30日 播磨地区キャンプ
10月 2日 『障問連ニュース10月号』発送
5日 第9回拡大事務局会議(於:自治労兵庫県本部)
7日 DPI日本会議常任委員会
10日 「アクセス関西ネットワーク設立集会」(於:大阪市立北区民センター)
12日 第 回拡大事務局会議(於:自治労兵庫県本部)
13日 大賀重太郎さんを偲ぶ会(於:三宮勤労会館)
19~20日 地方自治研究全国集会
21日 神戸市西部地区シンポジウム(於:須磨パティオ)
27日 部落解放研究第33回兵庫県集会(兵庫県のじぎく会館)
31日 第11回事務局会議(於:生活支援研究会)
11月3日 「ハートフェスタ2012」(於:海洋博物館ホール)
4日 『障問連ニュース11月号』印刷発送
9日 第二回代表者会議(於:自治労兵庫県本部)
10~11日 兵庫県教育研究集会(於:川西)
13日 複合差別実態調査報告(DPI女性ネット/びすけっと)
17日 総会案内等、発送作業
18日 DPI日本会議関西ブロック準備会(奈良)
20日 西宮/親の会と、高校問題で交流/意見交換(於:西宮市総合福祉センター)
21日 神戸市障害者施策推進会議
26日 対兵庫県オールラウンド交渉(於:県中央労働センター)
28日 第12回事務局会議(生活支援研究会)
12月1日 『障問連ニュース12月号』発送
1~2日 DPI日本会議政策研究集会(於;戸山サンライズ)
7日 対神戸市オールラウンド交渉(於:センタープラザ6F会議室)
【2】 一年間を振り返っての取り組み
(1)兵庫県との行政交渉
【2011年度オールラウンド交渉】
11月26日、兵庫県中央労働センターにおいて交渉が行われた。今年度初めて8月に障害福祉部局との第一次交渉を行いました。グループホームの設置基準問題では前向きな県の見解が明らかになるなど一定の成果がありました。11月のオールラウンド交渉では、第一次交渉も踏まえ前進した内容もあったが、県教委のひどい姿勢も含め、多くの課題が残され、来年1~3月には課題を整理し障害福祉部局との交渉、また県教委とは別途交渉に取り組む予定。以下、各項毎に交渉内容を報告します。
【障害者計画/障害者福祉対策審議会】~「当事者部会」設立を明言する~
○「審議会」・・・8月の第一次交渉では、審議会の任期が平成27年まであり改変は困難との回答であったが、「定数外委員」として「当事者部会」の設置に向けて検討すると回答があり大きな成果であった。定数外委員としては県教委や労働局長と同等であり最大限尊重する事、親会議と意見が対立する事があれば、親会議にオブザーバーとして参加する事も可能と回答。今後、「当事者部会」の進め方について県と協議していきたい。
○「県障害者プラン」
・基本理念の中に「最大限の能力を発揮」といった表現は、医学モデルに立脚するものと言う指摘に対して、概ね認め次期改定の際には見直す事。
・「多様な自立生活」とされながら、重度障害者が居宅介護や重度訪問介護を利用した地域での自立生活について、現プランで一言も触れられない事についても、次期改定で見直す事。
その他、概ね私たちの要望項目に沿って見直すとの回答。しかし教育に関しては、県教委方針をそのまま掲載している事に対し、審議会は行政から独立した機関であり、中央でも文科省の方針について激しく議論されているではないかと、改めて審議会の在り方について強く申し入れた。
【教育】
○「今後の方針」・・・国・文科省/特特委の最終報告に言及するが、「兵庫県としてもインクルーシブ教育システムの構築に向け国の動向を踏まえ、県第二次特別支援教育推進計画の中で、一層の充実を目指す」との回答のみで、国に方針に追随する以上に何ら具体的な回答はなかった。
○「次期推進計画」・・・「県の次期特別支援教育推進計画は、学識経験者・行政・教育関係者により検討を進めている。第二次計画の策定に当たっては保護者の代表らも意見を聞く」との回答のみで、私たちが要望する障害当事者、障害者団体から意見を聞くことは認めなかった。保護者と言っても多様であり、親のネットワークに関わる保護者や養護学校を経験した障害者の意見等、計画策定に当たってヒアリングの機会を設けるよう、今後とも強く申し入れたい。
○「医療的ケア」・・・医療的ケアの法制化を受けての県の姿勢は、「①看護師の配置 ②特別支援学校の体制整備 ③小学校・中学校は生徒数が多く施設設備の課題もあり教員は実施せず、主として看護士が当たる事が望ましい」と回答。しかし具体的に普通学校での看護士配置をどうするのか回答はなかった。
○「定時制問題」・・・今年4月に開校した阪神昆陽高等学校の分教室として、今春募集停止となった「川西高校」「宝塚良元校」に設けられた分教室の状況が以下、報告された。
・川西分教室・・・・18人(伊丹1人 宝塚6人 川西9人 猪名川町2人)
・宝塚良元分教室・・20人(西宮8人 宝塚12人)
私たちは地域に存在する学校として分教室を年限を設けずに存続するよう要望し、昨年度回答は「3年後の状況を見て検討」であったが、今回の回答は「分教室は経過措置として設けている」「猪名川・川西からも本校に通える。猪名川からの生徒も部活動をしても余裕を持って通学できている」との理由で分教室の3年での廃止を明言した。障問連から強く抗議した。
○「伊丹高校との統合/負担金」・・・平成20年3月に伊丹市教育長から県が新設する多部制高校への統合の申し入れがあったことから応分の負担を前提として再編成する事が決まった。経費は20年分。
○「阪神昆陽特別支援学校」・・・「ふれあいを通じた豊かな人間性を育むノーマライゼーションの進展の礎との趣旨に則り、両校の校長が兼務し校歌も同じ一体的運営、食堂や図書室の共用等、自然な交流、一部部活の合同。来年度から特別支援学校の生徒が本校でも受講できる科目の設定」
⇒阪神昆陽高校に一挙移転させられた市立伊丹高校に在籍する車椅子の生徒がエレベーター使用したくても拒まれている実態が指摘された。以上の県教委からの回答に対し、時間がなくほとんど議論できず、今日の回答を踏まえ、別途の交渉を強く申し入れた。
【交通/バリアフリー関係】
○「淡路から神戸の車椅子のバス乗車問題」・・・前年度回答から微妙に変化し、高速バスの構造上の課題を指摘しながらも主に事業者の費用面から今後も検討するとの回答。しかし、一般的な高速道路運行の問題でなく、淡路島と本島を結び通学や通勤、買い物等に利用され日常生活に大きな影響を与える事を強く指摘した。県土整備部が主管するハード面だけでなく障害福祉部局として、例えば別途タクシーチケットを当該市町(淡路市等)と県が協議して支給するなどソフト面での対応、また「公共交通事業者部会」にバス協会も今後参加する事を受け、そこでの協議や「バリアフリー基本構想」の中にこの問題を盛り込む事など、事態の重要性を認識するよう強く要望したが平行線に終わった。
○「駅舎のバリアフリー化」・・・別掲資料のように進められているが、一日平均乗降客数が3000人以下でも、バリアフリー化は必要であり、今後の課題となった。また、駅舎の構造上(ホームが狭い/隣接ビルとの関係)、花隈駅、阪急春日野道駅のエレベーター設置は困難と回答されたが、引き続き要望していきたい。
○「可動柵・ホーム柵」・・・前年度回答と同じ回答で、様々な異なる車両に対応したホーム柵の設置は費用面で困難との回答。ただ、JR西日本では簡易な方法(上下するロープ柵等)が検討されていたり、神戸製鋼等により車両に応じて移動できる可動柵が研究される事も指摘した。
○「ノンステップバスの各社/各市の導入率」・・・今回初めて別掲資料のように明らかになった。が、適用除外される車両(空港のリムジンバスや高速バス)が大半を占めるバス会社もあり、単純には評価できない旨の説明があった。
○「精神障害者の割引問題」・・・標準約款(乗合バスやタクシーを業とする事業者に対して国が示す運営基準)が9月30日に変更され、乗合バスの精神障害者への運賃割引が含まれる事になったと報告された。ただ事業者への義務付けではないため、県として県バス協会に「お願い」しており、バス協会を通じて各事業者がどうするのか、情報提供を受けたいと回答された。
○「公共交通事業者部会」・・・兵庫県バス協会が部会に参加する事になり12月に第一回会合が開催される。「神戸市交通局、あわじ交通、全但、神姫、阪急、阪神」の6社が参加。ユニバーサル社会の推進への共通理解を計り情報提供する場。ここでお聞きした意見や要望は議題の一つとして各事業者には提供できるが、何か決定する事はできない。
【生活保護問題】
この間の国やマスコミ/世論の状況を踏まえ要望し、初めて社会援護課が出席して回答した。何ら従来施策から変更はない事、扶養義務者が可能な範囲で援助する事など法に則った運用が基本であるが、一律に扶養義務者の所得により保護を認めないといった対応はあってはならず、本人の自立支援に向けた援助、本人の状況により援助する事を基本とすると回答。改めて国への要望や各市町への通知はしないと回答したが、昨今の扶養義務の強化は障害者の自立生活を脅かす恐れがあると強く指摘し、今後の国における生活保護施策の改変も見据えながら引き続き要望していきたい。
【労働】
○「自力勤務条件の撤廃問題」・・・前年度回答から、「介護者の位置付けや雇用の仕方について、どのような方法があるのか各任命権者と意見交換したい」と変化した。要望に挙げた前年度回答の法的根拠等については何も触れられなかったため、再度の回答を求めた。
○「離職者」・・・就労移行が困難な中、せっかく一般就労できても離職者数が「県計画」でも課題として取り上げている問題について、計画に示される数値は推測で根拠がないもの、離職理由までは不明との回答。計画で離職対策を上げながらも理由も明確でなければ取組みようがないと指摘した。
【精神障害者問題】
前年度回答を踏襲するものであったが、別途事前資料提供の中で、精神障害者の居宅介護/ガイドヘルプ/グループホームに関して、別掲のように大きな地域格差が判明した。「実施していない」地域も多くあり、これでは地域移行どころか社会的入院の歯止めにもならない状況であり、障問連としての取り組みを改めて検討しつつ、県に対する要望内容を改めて検討したい。
【介護保障/その他】
○「ガイドライン等」・・・県としては各市町で支給基準を設ける必要性はありつつ、あくまで基準であり上限ではない事を、各市町の課長会議では説明している事、また国庫負担基準の引き上げも各市町に情報提供している事等、県としては私たちの要望に沿った見解を示した。しかし、現実的には基準が上限になっている実態、重度訪問介護の誤った運用等、国が示す運用すらなされていない実態があり、当事者としては不服審査請求しか手立てがなく、県として各市町を強く指導する事を改めて申し入れた。
○「入院時問題/入所者の移動支援」・・・別掲の資料にあるよう実施市町が少ない上に、実施市町でも大きな格差がある事が判明した。しかし、時間なく議論できず。
【グループホーム等の設置基準条例】
要望書には上げなかったが、今回の交渉で大きなテーマとなって議論された。地域移行は当然推進されるべきだが、入所施設/病院の敷地内での設置を、今回、兵庫県として一定の条件の下で認める条例を決定した事に強く抗議した。
県の回答は、「グループホーム等は平成26年に2793人を目標としているが平成23年で1773人で数が少ない。どう増やしていくのかが大きな課題。だから敷地内も認めるのでなく、敷地内と言っても様々、考え方として一定の要件を課している。①地域の交流②建物の独立性。これをクリアーしなければならずハードルは高い。文章でなく実地調査も含め厳正に審査する」。
県として慎重に運用する事は理解できるが、しかし「禁じ手」だろう、どこでどう歯止めをかけるのか、そもそも入所施設は山間部等に多く存在しており、敷地内は地域から隔絶される事が多い実態を踏まえるなら、到底、認めることはできない。さらに、敷地外で小規模でも多くのグループホーム等が設置できる条件整備こそ求められるのであり、一方で建築基準の関係で民間アパート等では認可されない課題の解決も図られておらず、このような条例は認められないと強く抗議の声が上げられた。
(2)神戸市との行政交渉
※オールラウンド交渉については、12/7開催のため口頭で報告します。
個別課題について加盟団体と協議/連携し以下のように積極的に取り組み、また神戸市障害者施策推進協議会に石橋事務局長が参加しました。
●介護保障の課題
①ガイドライン問題
ガイドライン問題は神戸市の姿勢は頑なであり、交渉での進展はありませんが、兵庫区や長田区での24時間介護保障を要望する当事者との相談を継続し、対行政要求へと結び付けて行けるよう取り組みました。
② 入院時コミュニケーション支援
大きな進展はないが、県下に先がけて制度化されたが対象者と条件が厳しく、また各区役所での硬直した制度運用により利用が促進されていないため、事務局で課題を整理し粘り強く折衝を継続しました。
③ 介護保険適用問題
65歳になったSさんの個別課題。本人の「介護保険を使わない」との意思に基づき折衝を継続し粘り勝ちで介護保険適用されず重度訪問介護利用が2年目も継続している。その他、個別に折衝を継続し、不利益を被らないよう要望しました。
④ ガイドヘルプの上限問題
昨年度オールラウンド交渉で、必要不可欠外出については上限を撤廃するとの回答を得ました、それを受けて加盟団体が関わる知的障害者の個別課題を中央区区役所に持ち込みましたが、認められませんでした。グループホーム利用者でもあったため、グループホームで支援すべき事であると回答されましたが、グループホームでの低額な報酬では対応できないことは明らかであり、改めて課題を整理し取組む必要があります。
●グループホームが寄宿舎扱いされる課題
昨年度交渉で加盟団体「シティライト」がグループホームの指定申請を受ける際に建築基準を盾に寄宿舎扱いされ認可されなかった緊急課題について大きな課題になりました。その後も今年度に入り、加盟団体「えんぴつの家」に次々と、ホームを設置したいが寄宿舎扱いされ認められない事例の相談が寄せられ、障問連を窓口として障害福祉部局そして建築指導課も交えた交渉を粘り強く継続しました。何ら根拠のない「安全性」を盾に平行線になりましたが、県の回答も踏まえ、オールラウンド交渉で、改めて協議を継続したいと思います。神戸市でも独自基準条例で入所施設等の敷地内設置を認める等、私たちの要望する、当たり前に地域で小規模でも生活する「家」としてのホームとは乖離する神戸市の施策を糺さなければなりません。
●東部問題
神戸市は一貫して小規模作業所施策の後退、実質廃止の方向に対して反対し、同時に神戸市は極めて地域偏在があり、入所施設群が多くある西区・北区に生活介護事業所が集中しており、人口過密な東部地区に少ない課題について、特別支援学校の重度障害者の卒業後の行き場が無い課題について、加盟団体「飛行船」として自ら新規事業場の新設を決意され、障問連として支援し、また同時に神戸市に対する要求活動を連携して取り組みました。マスコミにも取り上げられ、また6月25日には「出前トーク」として特別支援学校保護者が20人以上集まり、実質、行政の認識や施策を糺す交渉になりました。
(3)障害者春闘
3月31日(土)、第24回障害者春闘が神戸市勤労会館にて開催されました。総合福祉法問題に大きな焦点をあて、国の制度改革と連動した地方での取り組み・課題について、福岡県大牟田市議会議員で障害当事者でり、「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」事務局も務められる古庄和秀さんを招き、開催しました。天候が悪く危惧されましたが、幸い午後には雨が止みデモを行いましたが、強風のため「のぼり」の数を減らしての行進となりました。古庄さんを先頭に初参加の車椅子の方、尼崎から「チンドン」さんもお二人急きょ参加し盛り上げていただきました。
集会は石橋事務局長の司会で進められ、冒頭、水岡俊一参議院議員(民主党:総理大臣補佐官)からの「第24回を迎える障害者春闘、参加された皆さんご苦労様です。全ての人が希望を持って共に生き学び働く社会を目指し、今後とも共に努力してまいりましょう」とのメッセージが紹介されました。その後、古庄さんの講演に入り、休憩をはさみ総合支援法問題について司会から古庄さんに質問、そして会場からの質疑応答と続きました。
(4) 教育の取り組み
教育問題については、阪神間の定時制高校の募集停止が3月に強行され、同時に多部制単位制の阪神昆陽高校が4月に開校、同じ敷地内に職業指導を重視した阪神昆陽特別支援学校高等部も開校しました。また、市立伊丹高校は在校生が一挙に新設校へ移らされ、多くの生徒が通学できなくなり辞めざるを得なくなったと報告されています。さらに市立伊丹高校の統合について昨年12月伊丹市議会で統合負担金として約3億円を伊丹市が県に支払う事が昨年12月伊丹市議会で初めて報告され、一旦否決される事態にまで至りました。生徒の事など微塵も考慮せず経済効率と能力主義的な高校教育再編に奔走する県教委の姿勢ですが、今年度オールラウンド交渉以外の取り組みはできませんでした。今後、さらに「通学区域拡大」も開始され、高校教育全体が大きく再編されていきます。神戸市での特別支援学校の再編問題とも合わせ、私たちが求める、障害児をはじめとした全ての生徒のインクルーシブ教育とは逆行した状況です。
文科省の「特別支援教育の在り方を検討する特別委員会」(特特委)の最終報告が出され、当初「就学基準の見直し」案が夏には出される予定だったが、今なお発表されていません。障害者政策委員会/差別禁止部会では文科省と議論が継続しています。
今年度のオールラウンド交渉でも、阪神昆陽高校の川西・宝塚分教室を3年で打ち切ると、昨年度から後退した許せない回答があり、今後の特別支援推進計画の作成にあたり障害当事者・障害者団体からのヒアリングの開催を強く求め、定時制高校の問題も含め、別途県教委交渉を2013年度に実現したいと思います。
前年度からの継続課題として淡路特別支援学校の生徒がスクールバスに乗車できない問題について、1年後の今年春にようやく解決しました。「医療的ケアが必要」を理由に拒否、それが解決されても条件整備が難しいと時間を費やし、県教委は自らの非は一切認めていません。
また昨年度交渉で課題に上がった、修学旅行の親の付き添い問題について、「親のネットワーク」の方々と神戸市教委と別途交渉を5月21日に行った。今後こういう事が無いように強く申し入れました。
(5) みんなでハッピーキャンプ 2012(第29期)報告
今年も障害者が地域で共に生きる事を目指し、その仲間のネットワークを広げるために、第29期「みんなでハッピーキャンプ」を開催しました。
今年のキャンプは、西宮地区と芦屋地区の合同キャンプとなり、久々に一泊のキャンプが実現できました。播磨地区は今年も「ひびき作業所」のイベントと一緒になりました。
一方、神戸地区ではキャンプの終わりかけに、行方不明者が出て、見つかったのは夜中の2次でした。そのことで、実行委員たちは12時間以上探しました。反省点としては、警察に届けるのが遅かったと思います。やはり人手不足に悩んでいます。神戸地区でも今キャンプを続けるか検討している最中です。今年もTシャツを「有限会社スリーリッチ研究所」(旧 百番目のTシャツ)にしてもらいました。
■ 開催日程と会場
開 催 日 程 | 会 場 | |
神戸地区 | 9月15日(土)~16日(日) | 神戸市立しあわせの村 |
明石地区 | 9月8日(土) | 神戸海洋博物館・グリコピア神戸 |
西宮・芦屋地区 | 9月29日(土)~30日(日) | 三田市立野外活動センター |
尼崎地区 | 8月18日(土)~19日(日) | 篠山市 後川(しつかわ) |
播磨地区 | 9月30日(日) | ひびき福祉会 |
■ 各地区参加費(交通費・記念Tシャツ代込み)
神戸地区 | 大人4500円・中高生3500円・小学生2500円 | |
明石地区 | 大人2500円 | |
西宮・芦屋地区 | 大人1500円・介護者1000円 | |
尼崎地区 | 大人5000円・高校生3000円・小学生2000円 | |
播磨地区 | 全員無料 |
■ 各地区の参加状況
参加者総数 | 障 害 者 | 男 性 | 女 性 | |||||
神戸地区 | 152 | 64 | 99 | 53 | ||||
明石地区 | 53 | 37 | 29 | 24 | ||||
西宮・芦屋地区 | 32 | 17 | 18 | 14 | ||||
尼崎地区 | 39 | 15 | 27 | 12 | ||||
播磨地区 | 85 | 20 | 37 | 48 | ||||
合 計 | 361 | 153 | 210 | 151 | ||||
(6) 兵庫県での差別禁止条例制定に向けた取り組み
●《HIL&障問連 条例づくり活動報告》
全国各地で制定される差別禁止条例を兵庫県でも制定するため、精力的に取り組んでいるHIL(兵庫自立生活センター協議会)と連携し共に下記のように取り組みました。ただ、今年は予算が無かったので、大きな講演会などは出来ず、また予算は各団体からその規模に合わせて拠出して貰いました。定例会は無料で借りられる会場かメインストリーム協会の事務所で行うようにしました。
神戸市は政令指定都市でもあり、また石橋事務局長も委員である「神戸市障害者施策推進会議」では、分科会も設けて条例制定を検討され、また各区フォーラムの開催も予定されており神戸市での条例制定に向けた取り組みを強化したい。しかし一方兵庫県は、「国の差別禁止法の動向を見守る」という姿勢で消極的、また県下の垣根を越えた障害者団体の連携も模索しているが困難な状況にあり、国における法案成立に向けたロビー活動等に取り組んでいく。また、来年度のDPI日本会議総会が神戸で行われるため、その実行委員会として準備していく事も確認されました。
[定例会&会議]
☆HIL定例会 講師:佐藤 聡氏(メインストリーム協会事務局長)
2012年1月29日(日)13:30~16:00 場所:あすてっぷKOBE
内容:八王子市で12月に差別禁止条例が成立し学習会も行いました
条例が良いかどうかは三つのポイントがある。①障害の定義②差別の定義③救済の仕組み。この三つで見ると、障害の定義は基本法のまま。差別の定義は不十分。救済の仕組みは非常にいい。と言う感じです。これまで国内で出来た六つの条例の中では一番良いと思います。特に救済の仕組みがしっかり出来ているのが素晴らしいところです。
☆2012年3月24日(土)13:30~16:30 場所:メインストリーム協会
障害者総合支援法学習会 講師:佐藤 聡氏
2011年度決算、2012年予算、会費のあり方など
内容:佐藤氏が「障害者総合支援法」についての経過・法案等の解説を行いました
会費の事は各センターの予算に合わせて負担して貰う事に決定。推進会議は3/12(第38回)をもって終了。4月からは「障害者政策委員会」(内閣府)へ移行。差別禁止部会の方は月二回ペースで行っている。アクセス関西ネットワークについては11月2月に開催の「第5回バリアフリー当事者リーダー養成研修」が終了し実行委員会も解散。それに辺り今後に繋げて行く意味で「関西2府4県バリアフリーネットワーク(仮称)」を作ることにした。次回は10/10に設立集会の予定。
☆5月26日(土)13:30~16:30 場所:メインストリーム協会
情勢報告、差別事例の分類、会費集め
内容:情報・中央の動き・障害者総合支援法(案)・会計について等の話し合いを行い会費の集め方を決め差別事例分析を行う。
☆7月28日(土)13:30~16:30 場所:神戸市立東部在宅障害者福祉センター
情勢報告、差別事例の分類作業
「差別禁止部会」委員が人気作家の大野更紗さん等が加わり19人に部会としての骨格提言のようなまとめを9月に出す。「障害者政策委員会」30人の委員で7/23に立ち上がりました。今後は障害者福祉計画を策定します。関西地区の取り組みにてアクセス関西ネットワークを設立・関西2府4県の当事者団体のネットワークを作りました。
「差別事例の分類」前回の続きを4グループで行う
「兵庫県差別禁止条例づくり運動」はきょうされんの担当者が変わり再開されていません
☆9月29日(土)13:30~17:00 場所:メインストリーム
情勢報告、今後の定例会の動き 差別禁止部会の意見書
神戸市差別禁止条例作りのこれまでの動きと今後の展開
[ワークショップ]
☆4月7日(土)伊丹市スワンホール
(7) 広報活動
2012年度も毎月一度、機関誌『障問連ニュース』を発行しました。障問連の取り組み以外にも、《国の制度状況》を直近の情報を掲載し、また尊厳死問題や出生前診断等、優生思想を巡る緊迫した諸状況も取り上げました。また、8月~ホームページを立ち上げました。通信/HPを通じて県下に様々な情報を提供し、つながって行きたいと思います。
(8) 県下、各地域での取り組み
●淡路
1、作業所職員交流会
淡路島内の事業所(旧作業所)職員が、2ヶ月に1回の集まりを続けている。
2、淡路市の動き
1月、「障がい者基本計画」と「障がい者福祉計画」の改定案のパブリックコメント。
5月~7月、「地域福祉計画」の見直しについて、当事者や事業所スタッフが、市民・事業所のそれぞれのワークショップに参加し、意見を述べた。
また、行政・学識経験者(教員OB)・教員・自治会などで行う「淡路地区人権教育研究協議会」の会議や研修活動に参加し、提案。
3、兵教組津名支部との関係
支部主催の講演会(10月8日)、共に生きるつどい(11月18日)に各障害者事業所がバザー等で参加。
4、ぶったぁの取り組み
10月よりケアホームが増設、本来ぶったぁにいた利用者が家庭の事情により地域を離れ施設を利用していたが、家に帰らずとも岩屋地域で生活を続けていくため。
また、ぶったぁで「震災復興!!元気もちつき大会」(1月14日)、「東日本大震災復興支援バザー」(7月28日)を行った。 (凪裕之/NPO法人ぶったぁ福祉会)
●阪神間各市
《宝塚~伊丹》
・宝塚市小規模作業所連絡会としては、市に対して授産活動の拡充として仕事受注の要望が行われました。
・定時制高校問題について、加盟団体の「障害児者問題何でも話す会」が中心となり、状況は厳しいですが、継続して取組まれました。伊丹市立高校の一挙移転問題、県への統合負担金問題についても伊丹市への住民監査請求、伊丹市議会への働きかけに取り組みました。
・伊丹市では計画策定に向けた自立支援協議会の中に検討会が設けられ、支給基準のガイドラインが若干改善される成果がありました。検討会終了後も有志が集まり「懇談会」が継続しています。
・「スカイ宝塚」(精神障害当事者グループ)の定例会が開催された。
《西宮》
・2月には阪神大震災17年と東日本大震災をつなぐ震災支援イベントを加盟団体が中心となり、神戸で開催されました。また11月には原発被害の報告集会が開催されました。
・全体的な行政施策に大きな変化はありませんが、自立支援協議会の各部会により取組まれていますが、地域移行部会として先進地域の取り組みを視察したり地域移行コーディネーターにより移行希望調査、入所施設職員への働きかけなど取組まれています。
●姫路 はりま福祉ネットワーク/ひびき福祉会
【社会福祉法人ひびき福祉会キャンプ】
9月30日(日)に「みんなでハッピーキャンプ」を行いました。
台風の影響で雨が降りましたが、警報は出なかったので室内で行いました。
参加者は80名ほどの人たちが来てくださいました。イベントはスムーズに進みました。
(社会福祉法人 ひびき福祉会 草津良)
【はりま福祉ネットワーク活動】
1.毎月第3木曜日午後1時より姫路自治福祉会館で5団体の代表10名前後のメンバーで行政交渉の準備やイベントの企画などを話し合っています。
2.9月22日(土)他団体との交流会を行いました。いこいの場・ひょうごさんからの提案があり、”精神”の映画上映会を自治福祉会館で行いました。120名くらいの参加をいただきました。
3.姫路市にも障がい者差別禁止条例を作りたく、市議会議員さんと11月5日(月)に
勉強会を行いました。6名の議員さんの参加をいただきました。こちらからは12名が
参加しました。
今のところ差別禁止条例については、地道に議員さんと継続して話し合いを進めていく予定です。
(はりま福祉ネットワーク 事務局 草津良)
●神戸
・10/21 西部地区シンポジウムの開催
ガイドライン問題は神戸市の姿勢は頑なであり、交渉での進展は見通せないため、自立生活運動が低調で各区役所対応も悪い西部地区を焦点として、玉木幸則さんの講演を中心としたシンポジウムを10月21日に開催しました。自立生活を目指そうと当事者が元気になるよう企画し、約70名が参加し成功裏に開催できました。
・神戸市障害者施策推進協議会
第三次障害福祉計画の策定と並行して、神戸市での差別禁止条例の制定に向けた分科会、そして「福祉乗車証制度」を財政負担の効率化を主目的とした課題についても、同協議会で新たな「移動支援」分科会が立ちあげられました。いずれにも石橋事務局長が委員として参加して取り組みました。
(9) 精神障害者権利実現への取り組み
当会は精神障害者当事者会として2000年のクリスマス会で、セルフヘルプグループとして発足しました。活動内容は、花見会、「精神障害者が思いを語る~何でも言いたい放題」、「ハートフェスタ」実行委員会への参加、クリスマス会、機関誌『いこいの場だより』の年三回発行、ピアカウンセリング等です。2012年度「ハートフェスタ」では玉木幸則さんをゲストに差別禁止法に関する講演を私たちが中心となって実現しました。また2012年度、精神医療の空白地帯とされている西播磨地域、姫路市で地元の「家族会 ひめかれん」、はりま福祉ネットワークの方々にご支援いただき、映画「精神」上映会を100名を越える参加により成功のうち開催する事ができました。
当会は、セルフヘルプグループとして「利益を与える側も受ける側も平等」「組織より人を大切に」等の理念を持った集まりとして、また病気の症状と服薬による副作用とを抱えていますので、私たちのペースを大切にしつつ、障問連の加盟団体として「ゆっくり、ボチボチと」ではありますが、粘り強い歩を続けていきます。 (高瀬建三 いこいの場ひょうご)
(10) 共闘の課題
主な共闘の課題の報告は下記の通りです。
その他、約20年間取り組まれている「障害年金の国籍条項を撤廃させる会」の方々が障問連の取り組みにご支援いただきながら、「撤廃させる会」の行政交渉等に障問連として関われず申し訳なく思います。20年の成果として勝ち取った成果は大きいですが、県下各市町での要求は前進しているものの、兵庫県が障害年金2級相当のて対象者に県として半額支給していない状況が続いています。高齢者もそして障害者も対象者が次々に亡くなられていく現状の中、早急な解決が求められます。
■人権教育ひょうご
(1)「人権教育ひょうご」春季学習会
と き 2月25日(土)
ところ ラッセホール
内 容 ①「人権教育ひょうごスタディーツアーin長崎」報告
②学習会
講演 「わたしたちは何を大切に障害のある子どもの教育を考えようとしているのか」
~特別支援教育の現状とインクルーシヴ教育への転換をめざして~
講 師 佐藤 豊 さん(兵庫県教職員組合障害児教育部副部長)
参加者 74人
(2)「人権教育ひょうご」第15回総会
と き 5月26日(土)
ところ ラッセホール
内 容 記念講演「『まけないぞう』がつなぐ想い ~KOBEから東北へ~」
講 師:増島 智子さん(被災地NGO恊働センター) 参加者 71人
(3)人権教育ひょうごスタディツアーin加古川
と き 8月3日(金)
ところ 加古川市内(食肉センター、鶴林寺、教照寺)
内 容 食肉センター、鶴林寺、教照寺のフィールドワーク 参加者 41人
(4)人権教育ひょうごスタディツアーinおおさか
と き 10月13日(土)
ところ 大阪府(リバティおおさか、コリアタウン)
内 容 リバティおおさかの見学、コリアタウンのフィールドワーク 参加者 40人
2.今後の予定
(1)「人権教育ひょうご」春季学習会
と き 2013年 2月23日(土)
ところ ラッセホール 5F会議室「サンフラワー」
内 容 講演会(テーマ等は未定)
■部落解放・人権政策確立要求兵庫県実行委員
衆議院が11月16日に解散し、現在、選挙戦の真最中となっています。11月9日、一旦は閣議決定された「人権委員会設置法案」も、この解散を受けて廃案となりました。3年前の政権交代時、私たちは「今こそ人権侵害救済関する制度実現への最大のチャンスである」と、これまで以上に取り組みに力を注いできただけに、野田政権のもとでこの法案が政争の具として取り扱われたことが非常に残念でなりません。
今日でも、土地差別調査事件や戸籍等不正取得事件をはじめ、インターネット上では部落出身者、障害者、在日外国人を誹謗中傷する差別が氾濫しています。これらの状況を放置していることは、国の政治責任の放棄だと言わざるをえません。また、たび重なる国連人権条約機関から勧告、指摘を受けていながらも、いっこうに改善しようと市政は国際社会の合意、国際的責務をないがしろにしています。
今後、私たちにとって非常に厳しい政治状況が続くことが予想されますが、粘り強く人権侵害救済に関する法整備を求め、「差別禁止法」の制定を見据えた新たな取り組みを進めていきます。
■部落解放研究兵庫県集会実行委員会
日本で最初の人権宣言である水平社宣言が高らかに謳われた「水平社創立大会」から90年を迎えた今年の集会は、「水平社90年、今こそ人の世に熱と光を~『人権侵害救済法』の早期制定と『狭山事件』の再審をめざす」をテーマに、10月27日、兵庫県立のじぎく会館を主会場に開催され、県内から約500人が参加した。
集会全体会では、作家の五木寛之さんの講演のほか、大阪市立大学教員の阿久澤麻里子さんより「兵庫県内自治体の市民意識調査」が特別報告としておこなわれた。
分科会では、戸籍謄本や住民票の不正取得の抑止力が期待される「本人通知制度」(現在兵庫県内では丹波市、多可町、加東市、三田市、三木市、加西市の5市1町で実施)についてや、各種相談事業や人権啓発活動の拠点となっている隣保館の今後の役割を考えるなど、5つに分かれて熱心な討議がおこなわれた。
■兵庫県精神医療人権センター
1、電話相談―件数は、全体として少ないものの、少しずつ相談件数は増えています。入院している精神障がい者を退院させたいという相談があります。特定の方からの電話相談もあります。なかなか退院には結びつかず、苦労しています。また、兵庫県、神戸市への情報公開の要請が実現しました。
2、病院訪問―これまでの件数は22件で、県下病院総数(38病院)の過半数となり、去年は高岡病院の訪問が実現しました。今年は訪問できていません。「ぶらり訪問」と称して、予約なしでの訪問も行っており、今後も続けていきます。
3、学習会―4月14日(土)に新長田勤労市民センターにおいて、三田優子氏(厚生省障がい者制度改革推進会議総合福祉部会委員)をお招きして「障がい者の福祉政策はどこに行くのか」という題で、講演会を開きました。
最後に「風通しの良い精神医療」の実現を目指して粘り強い取り組みを続けていきたいと思います。
■大賀重太郎さんを偲ぶ会
障問連の結成をはじめ、それ以前から兵庫における障害者解放運動の土台を作り、その後も全障連の専従、また様々な全国的な活動、そして震災後の被災地障害者センターの活動と、数多くの業績を残された大賀さんが残念ながら亡くなられました。
障問連と加盟団体「拓人こうべ」が中心となり、姫路「ひびき福祉会」や大阪の「ゆめ風基金」や「関西障害者定期刊行物協会」の方々と準備会を重ね、10月13日に神戸市勤労会館にて「偲ぶ会」を開催しました。全国各地から130名を越える人が参加し、それぞれの思いを語り合いました。
障問連としても大賀さんの歩みは障問連の歴史でもあり、故人の追悼だけでなく、障問連活動の財産として資料を改めて整理し、今後の活動に活かしたいと思います。
12月 9, 2012