生きる場/作業所

社会福祉法人シティライトのグループホーム問題

前回の神戸市建築部局との話し合いから、検討課題への回答は一カ月を過ぎてもなく、催促すると「いつ回答できるかを検討して回答する」???。ようやく7月初旬に連絡があったが、「大勢で来てもらっても良いが、良いお返事はできません」。しかし、新たに神戸市垂水区でグループホーム開設を目指す団体から、「寄宿舎扱い」され認められないとの連絡と相談が、社会福祉法人「えんぴつの家」を通じて寄せられています。部局ごとの縦割りの判断でなく、神戸市として障害者の地域生活、地域移行のために行政自身が計画の中でグループホームの増設を掲げており、部局を越えた神戸市としての英断を求め、8月お盆前には話し合いの場を設定し、今後とも粘り強く取り組んでいきたいと思います。以下、加盟団体である社会福祉法人「シティライト」からの訴えを紹介します。

 

私たちの地域生活、このままでは暮らす家がない

社会福祉法人シティライト 施設長 山田弥生

「女子のグループホーム開設に向けて」

2009年にホーム「ててる」の開設ができ、メンバーさんや世話人や支援員に手伝ってもらいながら暮らす様子を見て、次は女性も仲間と一緒に暮らせる家が欲しいという要望が出てきました。障害者基本法で、どこで誰と暮らしたいか選べる権利があるとうたっています。障害者自立支援法でも、障害のある人も社会の中で仕事をし、生きがいを持っていつまでも地域で暮らせるよう理念を打ち出し、これまでの入所施設も縮小の傾向にあります。一人で暮らす人、気の合った仲間と暮らす人、そんな家が街の中にいっぱいできるのが私たちの夢です。そんな先輩を見て若い人たちもいつまでも地域の中で仕事をしたり、暮らしたいと考えています。

 

「グループホームが寄宿舎扱い?」

昨年、さあ、いよいよ「女子ててる」を作るぞと、まず利用者3名の宿泊訓練から始めました。同時に物件を探しもしたのですが、なかなか貸してもらえる家がありませんでした。何軒目かでやっとマンションが見つかり、神戸市自立支援課に連絡しました。ところが、消防署はもとより建築安全課に行くよう指導され、そこで言われたのが「グループホームは『寄宿舎』ですから・・・」と。「えっ、何の事?」。何を言われているのか分かりませんでした。障害者が共同で生活する家は「寄宿舎」にあたるので、建築基準もそれで判断するようになったと言われました。何の前触れも通知もなく。障害がある人たちが安全に暮らすためには、既存の住宅では基準に合うように改修しないとグループホームはできないと言われても納得いきません。グループホームは、普通の家やマンションで共同生活する人たちを、世話人や支援員が援助して見守って生活するのですからかえって安心です。いつまでも地域で暮らしたい人、施設を出たい人たちの受け皿はどこに作るのでしょう。ご両親が亡くなった人や高齢の人、希望されている3名の将来はどうなるのでしょうか?

先日も、障害者問題を考える兵庫県連絡会議の人たちと、建築部局担当者との話し合いの場が持たれましたが、「寄宿舎」扱いとしないとの回答はもらえませんでした。それでも、私たちは根気よく地域で既存の家を借りてグループホームができるよう求めていきます。この件で、他の地域や県での見解や取り組みの情報等がありましたら教えて下さい。よろしくお願いします。

(『シティライトだより』VOL9より転載)

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