事務局より

編集後記

この時期「今年の〇冊」というのを選ぶのですが、今年は北村小夜さんの『慈愛による差別――象徴天皇制・教育勅語・パラリンピック(新装増補版)』を推したいと思います。1991年の復刻版なところが変則的ですが、この時世に復刊した梨の木舎にも拍手を送りたいと思います。「東日本大震災と五輪誘致で「みんな化」が進み、日本中に同調圧力と忖度が拡がっている。象徴天皇制化の天皇の「巡行」のなかでなされる「慈愛」による差別、今も教育勅語から抜けられない日本人、健常者を奨励し障害者を差別するパラリンピック」という紹介があります。天皇制の中で巧妙に「慈愛」が差別の根幹であることが隠される論理と、能力主義の中で障害のある子とない子とが分けられてしまう論理とを並行して描いておられます。ぜひご一読を。(NZ)

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