事務局より

【巻頭】 コロナ禍での重度障害者の入院~感染予防と必要な介護支援~

野橋順子(障問連事務局次長)

 

皆さんこんにちは。9月も終わり10月になり今年もあと残すところ3ヶ月になりました。今年の初めは、そまさかコロナウィルスがこんなにも大きな影響を与えるとは思っていませんでした。

今なお収束がわからないコロナウィルス。私は毎日ドキドキしながら暮らしています。

先日私の知り合いで大先輩であり友人でもあった重度障害者の女性がお亡くなりになりました。私は彼女とは30年近くの付き合いがあり本当に悲しみに暮れています。彼女は去年の今頃は元気に神戸地区のハッピーキャンプに参加していました。昨年末から急変して入退院を繰り返していました。当初は重度訪問介護を入院中も利用し、一日も早く家に帰りたいと彼女は訴え、退院後の医療的ケアの体制も事業所として準備していました。しかしコロナウィルスの第二波、7月中旬以降は、ヘルパーが病室に入ることすらできませんでした。重度障害者にとってこんなに怖い事はありません。言語障害があり自分の意思を慣れているヘルパーでないと伝えられない彼女、看護師は常時いません。ナースコールも押せません。1人で痛みや苦しさを我慢するしかなく本当に苦しかったと思います。何度も病院にヘルパーを短時間でも入れさせて欲しいとお願いしても感染予防上できないと断られました。同時期に入院している人の場合、病院にヘルパーが入ることができました。

感染予防と重度障害者が安心して入院できるために必要な介護を受けることは両立するべきです。

9月初旬、容態は急変し、最後は家に帰ろうと医師と話した翌日に亡くなられました。本当に必要な支援や医療が提供されていたのか、私は病院に殺されたようなものだとの思いが消えません。ほんとにほんとに悔しいです。重度障害者が、このコロナウィルスの中で入院した時の介護体制については今後の課題だと私は思います。ぜひ皆さんも一緒に考えてください。

兵庫県にオールラウンド要望書を提出しました。また10月22日には介護保障の「理由付記裁判」の判決が下されます。引き続き、ご支援をお願いします。

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