事務局より

編集後記

京都新聞6月1日付記事「外出自粛が解除されても 「筋ジス病棟」の孤絶 ネット環境の保障を緊急要望」を読みました。冒頭、「外出自粛が解除されても、外出させてもらえない人たちがいる。年数回の外出で、人生のほとんどを過ごす人たちにとって、ネットは社会とつながる命綱だが、ケアする側の都合で著しく制限されている」と始まります。「全国26カ所の「筋ジス病棟」には、筋肉が徐々に動かなくなる筋ジストロフィーなど神経難病の患者ら約1800人が暮らす。たん吸引など全介助が必要で、人工呼吸器を使う人も発語などコミュニケーションに障害がある人も多数を占める。10年以上入院している人が4割以上で、20年、30年と人生のほとんどをベッドで過ごす人も多い」、「そもそも新型コロナウイルス禍がなくても、ネットは入所者にとって数少ない外部と連絡をとる手段でした」。ヘルパー等の社会資源がないことを理由に、「国療」に入院させられている筋ジス患者。施設や病院に収容されていたり、親元で暮らさざるを得ない障害者の多くは、コロナ禍がなくても外出自粛にかかわらず生活そのものが「自粛させられている」と言わざるを得ません。コロナ禍による外出自粛は、そのような障害者・難病患者の実態を改めて浮き彫りにしたと言えると思います。(NZ)

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