交通バリアフリー

【報告】 バリアフリー部会 第5弾 淡路島へ6月9日に行って来ました!

長岡彰子(バリアフリー部会)

神戸から淡路島への交通手段は、ジェノバラインという明石港から船で行くか、高速バスです。障問連としては、明石海峡大橋ができ、格段に行きやすくなったけれど、高速バスに車いすのまま乗車できない問題に、長年にわたって兵庫県に要望してきましたが一向に解決しません。世の中ではオリパラの中で首都圏でのバリアフリーは進んでいますが、兵庫県下ではさっぱり・・・。解決へのとっかかりもない中、「ダメかもしれないが、とにかくチャレンジしよう」、その中で具体的な課題を見出し要望につなげようとの思いで企画しました。

 

◆事前に高速バスとの協議を行う~明らかになった課題

「行けるかな?」という不安の中、今年度から部会メンバーになった山根さんからいろいろ提案してもらいました。それが運行する全バス会社との事前協議です。神戸から淡路島に乗り入れているバス会社は、「淡路交通・神姫バス・本四海峡バス・JR西日本バス・山陽バス」です。事前に文章で、今回の企画案、調査依頼と協議の場の設定をお願いしました。それを元に車いすメンバーも積極的に参加して協議に行きました。

協議の中でいろんな課題が明らかになりました。最も大きな課題として、車いすのまま乗車できなかったら、身体だけ抱えたり支えながら乗る事になります。乗降の際に運転手またはバス会社から介助等をしてもらえるのかどうか? 結論としては「人員がいない」「介助等の研修も不十分」との理由で私たちの要望は認められませんでした。しかし今回の協議を通じ、バス会社としても課題として認識し、今後協議していく道は残されました。今回、それぞれの障害者が利用する事業所の協力もあって全員に2人の介護者がついて参加しましたが、日常的にこんなことはできません。国の通知でも乗降介助はすべきとされており、「人員不足」は理由になりません。それ以外には、車いすをトランクに入るかどうか。車いすの大きさや形状によれば入らない場合もあります。明らかになった課題を今後の協議につなげていく事ができ、大きな意義がありました。

問題点をまとめると・・・

・高速バスの入り口が狭い、段差きつい為、二人介護でも厳しいこと。

・予約制ではないので乗るときに一番手前にいつも乗れると限らない。

・運転手は介助を手伝うかどうか・・・基本的に介助すべきだが、意見交換では高速バスの車高が高く階段もステップが高く危険がある事は指摘された。

・車椅子が荷物入れに入るかどうか。幅と高さ

・事前の協議では、バス会社は丁寧に対応したが、今後どうつなげていくのか。

 

◆やっぱり、リフト付きバスは必要です

今年度から部会に参加している西宮の古川さん。古川さんはストレッチャー式の車いすを利用され、座位も難しい人です。会議でも、乗れるかどうかみんなで考えました。でもやってみないと分からないよねと、ポートアイランドにあるJRバス神戸営業所まで行き試乗にチャレンジしました。車椅子ユーザー、支援者総勢10人近くになりました。JRの方も乗務員を始め多くの人が話しを聞いて下さったり、バスの試乗を手伝ってくれたり、トランクに車椅子を入れるのに意見交換したり、全員汗だくでした。介護者からも提案してもらったりしましたが、しかし結果的に古川さんは乗れませんでした。乗車口が狭いこと、段差が高いこと、運賃箱があり入れない事、仮に座席に座れても前が狭く身体への負担が強いこと、本当に残念でしたが古川さんだけが、高速バスでなく、明石からジェノバラインに乗り、岩屋港から党内の路線バスで行く事になりました。他5人の車いすユーザーは何とか乗れましたが、乗車口の段差が高く介護者の負担がかなり強く、障害者も身体に痛み等が生じる等、交流会で報告されました。やっばりリフト付きバスが必要です。

 

◆交流会では・・・

地元の淡路島から車椅子を利用される方2人と障問連加盟団体のぶったぁの2人の仲間が参加しました。で作業所で仕事をしている仲間とぶったあの仲間と交流しました。淡路島で生活していて公共のバス利用はどうなのか?島外への移動手段は?? 地元の人からは運転手の心無い発言に文句を言った事などが報告されましたが、1人の方から「淡路島には映画館がない。高速バスに乗れたら三宮のすぐ前のミント神戸の映画館に行ける。その夢の実現が近づいた感じがする。皆さんの行動に勇気づけられました」と感想をいただきました。

神戸から参加したメンバーからそれぞれ、初めて乗車してみての感想などが報告されました。

 

◆今後の課題

未熟な歩みのバリアフリー部会は、今回とても良い経験をしました。さて次はどこに行く?兵庫県は広いから、出会いを求めて考えましょう。公共交通機関を使う意義、色々な障害を持つ人と交流して自分たち抜きでバリアフリーの事を決めないで、これからはユニバーサルな時代を目指し当事者参加は必然で、是非私達も参加したい。それとともに、ハード面だけでなく、ソフト面に当事者参加で学習会、試乗企画を望んでアクセス関西への参加と神戸市でのバリアフリーを考える会に参加したいと思っています。オリンピックや万博の為ではなく、そこにいる人が主人公の交通機関、建築物になって欲しいと願っています。

つぶやき・・・今回も女性の参加は二人でした。女性の目線欲しいなあ。私は、行きは海岸線を走って進むので砂綺麗  海いいなあ。帰りは山側見て玉ねぎの花やー琵琶もある。淡路島っていいとこやって満足でした。個人的な意見が入り過ぎの報告になりました。

今回企画の資料は保管しています。山根さんが書いて下さった「車椅子ユーザーの高速バス利用実現~(提案)~継続して円滑な高速バス利用の仕組み作り」・・・次号のニュースで紹介します。身近な問題であり、課題も多いバリアフリー問題です。多くの人から意見を頂き進めて行きたいと思います。

(※ 写真は試乗にチャレンジする古川格士さん。ポートアイランドにあるJR西日本神戸営業所にて)

 

« »