事務局より

編集後記

6/21、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(略称:読書バリアフリー法)」が成立しました。2018年に批准した「マラケシュ条約」にもとづき、先般の著作権法改正とともに、読書に困難がある障害者に対し、著作物を利用する機会を促進しようとする内容です。一定の要件をクリアすれば、著作権者の許諾を得なくても、読書に困難がある障害者のために通常の活字図書を電子データ化したり、拡大したり、音訳したりし提供することが可能になったのです。確実に、法律は動いているし、動かせるのです。

こうした一方、安倍首相は6/28、G20サミットの夕食会で「大阪城の再建の際、エレベーターをつけたのは「ミス」であった」旨の発言をしました。名古屋城のエレベーター問題もあるなか、一国の長がバリアフリーを否定するような発言を行ったことは、とんでもないことだと考えます。改正バリアフリー法や障害者差別解消法の理念に反し、文化庁が推進している「文化財の活用のためのバリアフリー化」にも逆行するものです。このような発言を、G20各国首脳はどのように受け止めたのでしょうか。

参議院選挙の投票が7/21に予定されています。山本太郎氏の「れいわ新選組」が、全国公的介護保障要求者組合等で活動されている木村英子氏、ALS患者の舩後靖彦氏を擁立、介助が必要な重度の障害者が国政選挙に挑戦します。読書バリアフリー法の成立の一方、バリアフリーを否定する首相、障害当事者の出馬…私たちも、政治とは無縁でいられません。選挙権のある方は、ぜひ、その権利を行使していただければと思います。 (NZ)

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