【優生思想】 強制不妊手術判決、「違憲だが賠償責任棄却」について
障問連事務局
新聞等での報道の通り、旧優生保護法による強制不妊手術をめぐる裁判のうち、最初となる仙台地裁の判決が出ました。憲法違反と明白に述べられたことはよかったと思いますが、除訴期間を適用して損害賠償請求を退けたことに関しては遺憾であり、不当だと思います。全国優生保護法被害弁護団が出した声明に述べられていますが、「特別立法の必要性が極めて高い」にもかかわらず「立法不作為については国賠法上の違法は認められないと判断した」点、ならびに「除斥期間の規定は目的の正当性並びに合理性、必要性が認められる」とした点において、判決の不当性があると思います。
社会に著しく不正義が認められる場合など、除訴期間の適用を除外する判例もあります。「そもそも何をされたのかわからなかった」「ずっと言えなかった、言わせてもらえなかった」「言ったとしてもまともに聞いてはもらえなかった」なかにおいて、形式的に除訴期間に当てはめること、これ自体も不正義に当たると言えないでしょうか。おそらく原告は控訴するでしょう。控訴審や、また他の裁判へのご注目、ご支援もよろしくお願いします。障問連としても、「優生手術被害者と共に歩む会」に連帯し、支援していきます。
6月 12, 2019