新聞記事から

【報道】 新聞記事より

■「地域で学ぶ」セミナー 障害ある子も希望校に あす西宮 /兵庫

毎日新聞2018年2月16日 地方版

https://mainichi.jp/articles/20180216/ddl/k28/100/372000c

 

セミナーの打ち合わせをする目良さん(左から2人目)と次女の柑凪さん(同3人目)ら=兵庫県西宮市で、田辺佑介撮影

障害の有無にかかわらず地域の学校で学べる社会について考えるセミナー「インクルーシブな社会をめざして~地域で生きる、学ぶとは?」が17日、西宮市で開かれる。障害のある子供の保護者や支援者らでつくる市民団体「インクルーシブ教育をすすめるネットワークin西宮」の主催。車椅子利用者や小学校教諭、障害のある子供の保護者らがパネリストとして参加し意見を交わす。【田辺佑介】

「インクルーシブ(inclusive)」の意味は「包括的な」。日本も批准する障害者の権利条約は「障害者を包容するあらゆる段階の教育制度」の確保を求めている。文部科学省は2016年から公立小中学校で障害のある児童をサポートする看護師を配置する補助金の支出を始めた。

団体代表の目良知美さん(42)は、「CFC症候群」という先天性の難病がある次女の柑凪(かんな)さん(7)がこの補助金を活用し、市立甲東小学校に通っている。同小には特別支援学級もあるが、2年生のクラスで友達と一緒に学んでいる。

柑凪さんは知的障害と身体障害があり、口から食事を取りにくいためチューブで直接、胃に栄養を送る「胃ろう」が欠かせない。学校では看護師が、教室で給食をすりつぶして食べさせ、胃ろうの注入もしてくれる。目良さんは「先生も周りの子供たちも娘を支えてくれる」と話す。

しかし、入学前は市教委から支援学級への通学を勧められた。目良さんは「地元の学校で地域の友達と一緒に学ばせたい」と市教育委員会と協議を重ね、看護師を自分で見つけて配置してもらい、入学が認められた。

目良さんは「必要な支援があればどこでも学べる。最初から分けるのではなく、学びたい学校で学べる社会になれば」と話し、パネリストそれぞれの体験を共有してもらうつもりだ。

セミナーは17日午後1時から、西宮市立こども未来センター(市高畑町)4階会議室で。資料代300円。申し込みは「インクルーシブ教育をすすめるネットワークin西宮」の栗山和久・事務局長。

 

 

 

■泉北NT 空き家をグループホームに 障害者向け改修

毎日新聞2018年2月24日 13時16分(最終更新 2月24日 13時55分)

https://mainichi.jp/articles/20180224/k00/00e/040/347000c

 

大阪府南部の泉北ニュータウン(NT)に来月、戸建ての空き家を改修した障害者向けグループホームがオープンする。昨年、街開き50周年を迎えた泉北NTでは増加する空き家対策が課題になっているが、こうした改修は初めてとみられる。開設に携わったNPO法人は「街の再生に向けた新たな解決策になれば」と意気込んでいる。

泉北NTの大部分を占める堺市によると、地区には戸建て住宅が約1万6700戸あり、うち空き家は768戸(2016年3月末時点)で4.6%を占める。08年は2.5%だった。

グループホームを開設するのは空き家率が5.9%に上る堺市南区槙塚台。建物は築43年の鉄骨2階建てで延べ約150平方メートル。地元のNPO法人「すまいるセンター」が市外に住む所有者との間で定期借地権契約などを結んだ。法人代表理事で1級建築士の西上孔雄(にしがみよしお)さん(50)が増築と耐震補強を施し、地元の社会福祉法人「コスモス」が知的障害と身体障害のある6人のグループホームとしての活用を申し出た。現在、車椅子用スロープなどの設置工事もほぼ終わり、3月上旬に入居を始める。

コスモスによると、入居者は老朽化で取り壊し予定の泉北NTの団地の住民や、高齢でエレベーターのない団地での生活が難しくなった人たち。西上さんは「空き家が再生して社会の役に立ち、所有者は家賃収入も得られる」とメリットを強調。コスモス職員で施設管理者の前原由里子さん(52)は「身寄りのない高齢者も家庭的に過ごせる場が欲しかった。6人が通う作業所も近く、住み慣れた街で長く暮らしてもらえる。同様の施設をもっと増やしたい」と話している。【山下貴史】

 

 

■現場から・ひょうご 共生タウン、明石市の取り組み 障害者の“本音”を形に /兵庫

毎日新聞2018年2月21日 地方版

https://mainichi.jp/articles/20180221/ddl/k28/010/461000c

 

平昌(ピョンチャン)冬季五輪・パラリンピックに続く、2年後の東京夏季大会へ向け、国は昨年12月、障害者を含めて誰もが暮らしやすいまちづくりを進める「共生社会ホストタウン」として関西で唯一、明石市を登録した。市は課題を広く把握するため、障害のある市民25人にまちのモニターを委嘱するなどさっそく動き始めた。「やさしいまち」を目指す取り組みを追った。【浜本年弘】

○「気付き」を生かす

今月半ばに市役所であったモニター委嘱式には、障害者15人が出席した。一人一人の抱負に耳を傾け、委嘱状を手渡した泉房穂市長は「モニターは明石の未来につながる仕事。率直に本音を伝えてほしい」と激励した。障害者からの意見は施設や交通網、情報の伝え方を見直す「気付き」や進め方のヒントにもつながる。

モニターに応募した明石市の藤戸昭子さん(62)は脳出血を転機に自ら「気付いた」一人だった。神戸市内で保育士として働いていた3年半前に倒れ、車いす生活を経て今も左半身が不自由だという。バリアフリーの住まいを探して引っ越しも経験した。「(倒れるまで)何気なく過ごしていたが、今は遠回りになっても階段を避けている。ベビーカーを使う多くの親も同じ苦労があると思う」とモニター活動に積極的だ。

○パラ選手も参加

ユニバーサルモニターとして兵庫県明石市への提言を依頼された車いす卓球選手の別所キミヱさん(右から2人目)らと市幹部や学識者=同市役所で、浜本年弘撮影

委嘱式にはモニター第1号で、04年からパラリンピック4大会連続出場の車いす卓球選手、別所キミヱさん(70)=明石市=も出席し見守った。韓国の車いす卓球選手と親交があり、市は選手と市民との交流も計画する。ホストタウン登録では、東京パラリンピック出場選手や、過去のパラリンピック出場経験者と住民との交流をきっかけに、誰もが暮らしやすいまちづくりへ向け国が後押しする。

○学び、広げる

一方、市は既に、障害者差別解消法の施行(2016年4月)に合わせ、障害者にとっても暮らしやすいように、バリアフリーの設備、物品をそろえる業者や団体に対して最大20万円を助成する制度を、全国に先駆けて創設している。点字メニューや筆談ボードなど、申請は約250件にのぼっており、市はホストタウン登録を機にさらに広がりに弾みをつけたい考えだ。

市ではまた、今月、泉市長や市議、市幹部らが「見えにくさ」「聞こえにくさ」「歩きにくさ」といったさまざまな障害について体験を交えて学び、支援に生かすため「ユニバーサルマナー検定」を受講。さらに、市の管理職約250人が同法やバリアフリー化の実例を学ぶ研修と、飲食店などの事業者が障害者への配慮について意見交換する会合も相次いで開いた。

市の障害者施策担当者は「建築、道路部門などのハード面でも、まちづくりに関わる各部署で理解が進み、業務との関わりが生まれるような広がりは欠かせない」と話す。共生「タウン」へ向けて点が線になり、そして面へ広がるためには、多方面からの取り組みの行方にかかっている。

○ことば 障害者差別解消法

自治体や民間事業者などに対して障害を理由にした不当な差別の禁止を定め、共生社会の実現を目的に2016年4月に施行。費用や人手が負担になりすぎない範囲で、車椅子利用や点字の活用、筆談対応をするための設備や物品を整えたりサービスを提供したり、障害者の生活にさまざまな制限をもららすバリアー(障壁)を取り除く「合理的配慮」も規定。自治体には法的な義務、事業者には努力義務として、幅広い取り組みが期待されている。

 

 

■兵庫県内の障害者虐待68件、支援員が「ラリアット」暴行のケースも…平成28年度、過去2番目の多さ

産経West 2018.2.20 08:41更新

http://www.sankei.com/west/news/180220/wst1802200018-n1.html

 

兵庫県や県内各市町に平成28年度に寄せられた障害者への虐待通報のうち、県や市町が虐待と認定したのは68件だったことが、県のまとめで分かった。数値の公表が始まった24年度以降、27年度(69件)に次いで2番目に多かった。

県によると、28年度に県や市町に相談や通報、届け出のあった件数は310件(前年度比4件減)。このうち68件が目撃情報や証拠などから虐待と認められた。加害者の内訳は家族や親類などが48件、福祉施設職員らが17件、企業の雇用主などが3件だった。

福祉施設職員による虐待では、支援員がプロレス技の「ラリアット」を障害者に打ち付ける暴行を加えたり、障害者を転倒させて引きずりながら別室に連れていったケースもあった。

虐待の種類別(重複あり)では暴行などの身体的虐待が35件と全体の41・7%を占めた。暴言などの心理的虐待が22件、貯金の使い込みなどの経済的虐待が15件、育児放棄が7件、性的虐待が5件。障害者の障害別(同)では、知的障害が全体の58・1%の43件と最多。身体障害が21件、精神障害が10件だった。発達障害はなかった。

県の担当者は「施設職員の研修などで障害者虐待への意識が高まっていることが300件を超える通報につながったのではないか。今後は保護者向けの説明会で具体的な虐待事例を説明し、被害の減少につなげたい」と話した。

平成24年10月に施行された障害者虐待防止法は、障害者への虐待を発見した場合に県や市町への通報を義務づけている。

 

 

■障害者施設職員が暴言、兵庫 男子中学生に

西日本新聞 2018年02月10日 13時00分

https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/393160/

 

兵庫県明石市の障害児通所施設「児童デイサービス遊」で昨年11月下旬、40代の女性支援員が男子中学生に対し、「死んでも生きてもどうでもいい」「うそつき野郎」などと暴言を吐いていたことが10日、運営会社への取材で分かった。同社によると、市の調査を踏まえ、1月に県から改善勧告が出された。

運営する合同会社「iST」(同市)によると、支援員は、男子生徒が支給されたおやつに不満を訴え、感情を高ぶらせた様子だったため、いさめる目的で発言した。「がきんちょに権利はない」などの暴言もあり、1時間近くにわたったという。その場には他の支援員もいた。

 

 

■手話フォンで楽に会話 聴覚障害者用公衆電話設置

神戸新聞NEXT  2018/2/6 05:30

https://www.kobe-np.co.jp/news/akashi/201802/0010960411.shtml

 

聴覚障害者が手話を使って通話ができる公衆電話ボックス「手話フォン」が兵庫県明石市大明石町1のあかし市民広場(パピオスあかし2階)に設置され、5日、記念式典が開かれた。国内では羽田空港(東京)、筑波技術大学(茨城)に続き3カ所目で、自治体が設置するのは全国で初めて。市内の聴覚障害者が早速、試していた。

手話フォンは、聴覚障害者がボックス内のモニターから相手先の電話番号を掛けると、テレビ電話を通じてオペレーターが手話で同時通訳し、その音声を相手方に伝える。相手方からの話はオペレーターが、手話で通話者に伝える。

これまで聴覚障害者はファクスや電子メールで用件を伝えたり、手話通訳者を呼んで通話を代行してもらったりするなど、意思伝達に手間が掛かっていた。手話フォンでは、手話通訳者への依頼など事前の準備がなくても電話することが可能。設置を進めている日本財団の石井靖乃公益事業部長は「急用でもすぐ相手先に連絡できる。家族らの手助けがなくても通話できる。精神的負担がなくなり、障害者に自立の感情も出てくる」という。設置費用約200万円と月々の通信費などは同財団が負担する。

式典で泉房穂市長は「社会が変われば聴覚障害者の暮らしも変わる。どんどん使ってほしい」などとあいさつ。また、明石ろうあ協会の家根谷靖彦会長は「B-1グランプリ西日本大会では、人のつながりの大切さを実感した。手話フォンの設置が共生社会の実現につながれば」と話した。

手話フォンを利用した男性(73)=大久保町松陰=は「テレビの修理を頼むのに使ってみた。あっという間に、楽に会話できた」と喜んでいた。

午前8時から午後9時まで、無料で利用できる。(吉本晃司)

 

 

■神戸三宮駅にホームドア設置へ 阪急で県内初、20年度

神戸新聞NEXT  2018/2/20 06:20

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201802/0011001405.shtml

 

阪急電鉄が、神戸三宮駅にホームドアを設置することが分かった。兵庫県と神戸市が設置費用を補助する。2018年度から設計に入り、20年度中の完成を目指す。阪急の駅への設置は兵庫県内では初めて。

同駅の乗降客は1日約11万人。神戸市によると、同駅に2面あるホームのそれぞれ両側に10両分のホームドアを設置。電車の到着に合わせてドアが左右に開く「スライド式」を採用する予定という。

総事業費は十数億円規模で、設計費の約8千万円のうち、18年度は県が12分の1を、神戸市が6分の1をそれぞれ助成する。

県内では、JR西日本が六甲道駅(神戸市灘区)に既に導入しているほか、三ノ宮、神戸、姫路、明石、西明石駅で整備する方針を示している。神戸市交通局は、市営地下鉄西神・山手線の三宮駅で3月から稼働させる。(若林幹夫)

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