事務局より

【巻頭】 介護保障~教育などの要望活動/来年度からの報酬改定が第二ラウンド

障問連事務局

ある新聞のコラムに「国難で悪かったなと高齢者」との川柳が紹介されていました。少子高齢化、とりわけ介護を必要とする「障害のある」高齢者の存在を「国難」と言う首相。社会保障を高齢/介護・医療から教育無償等、若年世代へとシフトさせる事が総選挙で喧伝され、幼児教育の無償化/2兆円の政策を首相が打ち出したことにより、介護事業経営実態調査結果では利益率が大幅に下がったにも関わらず、財務省は更なる報酬削減をより一層求めています。そのような中、障害福祉サービスも含めた報酬改定の議論は「第二ラウンド」を迎え、年内には骨格が示されます。

しかし少子高齢化の要因は非正規雇用の増大などの働く環境の悪化により将来を見通せない格差社会、そして保育所待機児童の増加や高額な保育料など、一貫して子育ては女性が担うべきという自民党を中心とした旧来の考えこそが少子高齢化を生み出したのです。その根幹を変えず、自民党憲法改正草案にも戦前に回帰するような家庭の役割の重視が謳われる等、その本質を隠し、耳触りの良い施策を並べたて、何としても憲法改正を推進しようとする者の破廉恥さ、欺瞞を見据えなければならないでしょう。

兵庫県下では明石市が新たな条例制定が検討され、西宮市では自立支援協議会が始まって10年を迎え、より実効性ある協議会への改革が行われます。また加古川市では差別解消条例は成立していませんが、合理的配慮を行う事業者への助成制度が始まっています。そして神戸市では長年にわたる当事者の粘り強い様々な要求の結果、居宅系サービスの支給量審査基準の見直しが決まり、より一層地域生活を推進するためのガイドライン作りに向けた「第二ラウンド」が始まります。障問連として、この間教育も含めた個別の課題への要望活動を行い、また10月28日には「介護保障を考える弁護士と障害者の会全国ネット5周年シンポ」が100人以上の盛況のうちに開催されました。

11月~年末にかけて、障問連総会も含め、多くの取り組みが続き、12月16日総会後に開催する人権シンポジウムでは一昨年の安保法制反対に続き、「障害者、様々なマイノリティーと戦争」をテーマとして開催します。ぜひ、ご参加、ご支援、よろしくお願いします。

« »