オールラウンド交渉 市・町の制度

2017年度  障害者問題に関する要望書

神戸市長 久元 喜造

神戸市教育委員会  雪村 新之助 様

障害者問題を考える兵庫県連絡会議

代表  福永年久


2017年度  障害者問題に関する要望書

2017年 10月11日

2016年7月26日に神奈川県相模原市で発生した津久井やまゆり園での障害者殺傷事件(以下略 相模原事件)は世間を震撼させました。障害の重い者は生きている意味がないとの優生思想、入所施設の在り方については、事件から1年を経ても、なお大きな議論が継続しています。亡くなられた方のご冥福を祈ると共に、問われた課題に私達障害者団体、福祉関係者、そして障害福祉行政に関わる方々も真摯に向き合うことが求められるのではないでしょうか。

また同事件だけでなく、障害のある人への様々な虐待、あきらめや我慢を強いられ続け、それが当たり前であるかのように周囲が放置し、障害のある人の思いや願いが日々踏みにじられている現状があります。障害者基本法が示す基本理念からは程遠い現状もあります。神戸市の障害福祉施策に関わる行政の担当者の皆さんは法律制度に則り日々ご尽力されていると思いますが、その根本には、この基本法の理念や「障害のある者とない者との平等」という視点を改めて確認していただき、その一点に向かって短期的な課題、中長期の課題のメリハリもつけながら、かつ障害当事者が施策検討にしっかり参画しながら、施策を推進していただくことを改めて要望いたします。

2017年度は第5期障害福祉計画の策定に向けた検討が行われています。昨年策定された「神戸市障がい者保健福祉計画2020」では「障がいのある人が、自らの意思決定に基づき、一人ひとりに応じた支援を受け、個人として尊重され、地域のなかで安心してともに暮らし、活躍できる“こうべ”をみんなでつくっていく」ことが基本目標とされ、そして「障がいのある人の意思決定を尊重」し、「障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら、共に暮らすことのできる社会実現をめざしていく」と述べています。2020年度を目標年度にする第5期障害福祉計画もまさにこの目標を実現する実施計画として策定されなければなりません。2020年まであと3年を切っています。しかし、入所施設で長期に入所している障害者、社会的入院を余儀なくされる精神障害者の方々が、住みたい場所で共に暮らしていると言えるのでしょうか。また、「可能な限り障害のある児童と障害のない児童が共に学ぶ教育」は実現されているのでしょうか。具体的に見れば、まだまだ多くが実現されていない現状があります。同計画基本目標の実現に向け、市内全域で積極的かつ十分な施策が講じられることが肝要です。また第5期計画においては「障害児福祉計画」も併せて検討される予定ですが、幼少期のころから障害のある児童とない児童が共に生きることを基本理念におき、また医療的ケア児童への支援の拡充も併せ、実効性ある計画を強く要望します。

2017年度は、障害者差別解消法施行2年目を迎え、初年度の取り組みの総括を踏まえ、同法の周知等、より積極的な施策が求められますが、障害者差別解消相談センター等での相談件数や相談内容の評価分析だけでなく兵庫県との共同した取り組みが必要ではないでしょうか。また、相談することもできない、あきらめざるをえない障害のある方、家族らが多くいること、むしろそのような人たちの声をどのように汲み取っていくのか、そのような視点に立った障害者差別解消施策の総括的な検討が必要ではないでしょうか。

また2017年度は、2018年度から「入院時の重度訪問介護の適用、高齢障害者の介護保険適用に関する施策、自立生活援助、就労定着支援」等、新たな施策が始まります。さらに政府による社会保障全般の抑制方針の下、具体的には2018年度報酬改定に向けた議論が現在進められ、また第193回通常国会で承認された介護保険法等関連法の改正による「共生型サービス」の導入や、厚生労働省が今後の社会福祉施策の基本と構想する「地域共生社会」が、一体どのようなものであり、障害者施策にどのような影響を及ぼすのか、私たちは強い危機感を覚えます。

このように厳しい環境を踏まえながらも、神戸市において地域共生社会に向けた支援を質・量ともに拡充することを通じて、どんなに障害が重くても人として当たり前に尊重され、人権が擁護され、その人が望む暮らしや生き方を実現できる社会の構築がますます求められます。

以上を踏まえ、下記の要望について意見交換の場を持って、ご回答していただくよう要望いたします。

 

【 1.教育 】

(1)【看護師配置制度について】

神戸市教育委員会の2016年度から「医療的ケアを必要とする児童への支援として小中学校に週1回週5時間程度」、看護士を派遣する施策が実施され、2017年度からは週1回という制限は無くなり、時間数も10時間に拡大されたと聞きます。しかし文科省調査による小・中学校での看護師配置の状況と保護者の付添に関する全国調査結果を見れば、兵庫県内で看護師が配置されているにもかかわらず、保護者の付添が継続しているのは神戸市だけです。以下の質問ならびに要望に回答して下さい。

①  話し合い時点から直近の同制度の実施状況、実施学校数、対象児童数ならびに週何日程度か、1日の派遣時間など、派遣の内容について、小学校、中学校それぞれに回答して下さい。(文書回答)

②  前年度、看護師配置は努力義務である基礎的環境整備にあたり公的機関に義務とされる合理的配慮の提供義務には違反していないとの回答がありました。しかし基礎的環境整備でき対応できない、特定の個人への合理的配慮の提供は当然検討されるべきです。再度、見解について回答していただき、保護者の付添なく医療的ケアが必要な児童が学校生活を送れるようにしてください。

③  同制度は「小中学校に派遣する」とされていますが、神戸市立幼稚園や神戸市立高等学校にも対象拡大することを検討して下さい。あるいは神戸市立幼稚園、とりわけ下記にあるように神戸市立高校に医療的ケアを必要とする児童が受験予定のため、同制度の対象拡大または個別の対応を行うことを確約してください。同制度を対象拡大する場合には、現在ある時間制限を撤廃してください。

 

(2)【高校進学の課題】

淡路市在住のAさんが神戸市立高等学校(定時制)の志願にチャレンジしようとしています。Aさんは医療的ケアならびに常時介助が必要な障害児です。8月の学校見学の際に「支援員の配置は難しい、看護師配置もわからない、市教委が判断します」と積極的に受け入れに努力しようという姿勢ではありませんでした。選抜により合否は判断されますが、必要な支援が受けられない事は実質、入学拒否になります。障害者差別解消法の観点からも許されません。以下の課題について要望しますので前向きな回答をお願いします。

①  選抜試験での特別な配慮について、中学校長からの申請内容について、本人保護者の希望を十分に汲み取り、公平性のみにとらわれるのでなく、合理的配慮の提供という観点から十分に判断してください。本人保護者から要望があれば、市教委と障問連との協議の場を設けてください。

②  もしAさんが入学すれば、看護師や介助等の支援員は必要です。受験するかどうかの最終決断に際しても極めて重要です。仮に入学選抜試験に合格したとしても、これらの条件や体制が整備されなければ、保護者の付添が必要となり、学校生活が送れなくなります。Aさんに限らず、神戸市立高校で何らかの支援が必要な障害のある生徒が入学した際の、合理的配慮の提供、医療的ケアを必要とする生徒への対応の基本的な考え方を説明していただき、入学すれば必ず体制整備を行ってください。

 

(3)【共生の視点に立った就学のあり方】

兵庫県内では芦屋市が10月段階で、就学時健診の案内と居住地の通常学校への就学通知が届けられます。学校教育法教育施行令の改正の趣旨を実現しています。また大阪府教育委員会として、地域で通常学校で共に学ぶことを基本方針としています。神戸市においても障害者基本法の理念「障害のある児童もない児童も可能な限り共に学ぶ」を、保護者や各学校現場に十分周知し、共に生き共に学ぶ教育を積極的に推進してください。

 

【 2.保育について 】

共生社会の実現のためには、子どもの頃から共に育ちあう経験が何より重要であり、平成26問厚生労働省開催の「今後の障害児支援の在り方に関する検討会」でも、障害児支援は「インクルージョンを推進するための後方支援」の役割が明確化され、障害のある児童も一般施策の中で育つことが当たり前であるとの方向が示されています。今般、障害福祉計画策定とともに、障害児計画の策定に向けた検討も行われていると思いますが、これらの国の方向性を踏まえた、神戸市として保育所、学童保育施策についての基本的な考え方、今後策定される障害児計画での方向性について回答いただき、それを踏まえ、下記の具体的な質問並びに要望に回答してください。

(1)【送迎問題】

障害児支援において、従来の「障害児施策」と「児童施策」、どちらが担うのか、それにより、どちらも手を出さない「空白地帯」が生じかねません。上記の国の方向性に基づき考えるならば、そのような空白地帯はあってはならず、協働して解決すべき課題です。長年にわたり障問連として要望している学童保育に通う障害児童の送迎についても、まさにこの空白地帯として問題が放置されています。多くの放課後等デイサービスは送迎支援があることもあり、主に保護者のニーズもあり多くの障害児が利用しています。しかし、上記の国の方針である「障害のある児童も一般施策の中で育つことが当たり前である」との方向には反しています。これまでの話し合いの経緯も踏まえ、改めて神戸市としての認識と具体的な改善策について回答してください。

 

(2)【助成金など】

国の方針に則るなら、積極的な学童保育での障害児の受け入れのための体制整備には助成金の増額が必要です。重度加算の創設など前向きに検討して下さい。人員体制等が不足しているため利用できなかった事例があるか等の調査や、全般的に障害ある児童を受け入れることを前提とした学童保育体制の実態について見解を示してください。

 

(3)【高学年受入れ】

障害児童の高学年の受け入れが進んでいると思いますが、2016年度の状況、話し合い時点での2017年度の学校数と人数について、事前に資料提供してください。(文書回答)

 

【 3.街づくり・交通・移動について】

(1)【ホームドア】

JR六甲道駅で昇降式ホーム柵が設置され、また神戸市営地下鉄三宮駅にも設置予定と聞きます。ホームドアまたは可動式ホーム柵の整備に関する進捗状況ならびに、交通局及び民間事業者における今後の計画について報告してください。

 

(2)【神戸市バリアフリー基本構想】

神戸市におかれましては、平成18年12月に制定された「バリアフリー新法」に基づき、平成32年度までに重点整備地区等を選定し順次整備されていると承知しております。当該地域においては、法律によって「あらかじめ、住民、生活関連施設を利用する高齢者、障害者等その他利害関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする」よう義務づけられていますが、重点整備地区等以外で市内でのターミナル改修が行われる場合、当事者の声をどのように反映させているのでしょうか。とりわけ、トイレの改修についてはユニバーサルデザインモデルなどがあるのでしょうか。また、その周知方法やコンサルタントを入れる前にどのような当事者の声の反映方法をなさっているのか、お伺いします。

 

(3)【車椅子使用者の地下鉄乗車位置】

昨年、神戸市営地下鉄で、車椅子使用者に対して、駅員が乗車位置を強制した出来事がありました。これは、障害を理由とした障害者でない者との不当な差別的取扱いであり、また、障害者の権利利益を侵害しており、障害者差別解消法に抵触すると考えられます。この件に関し、交通局の見解をお伺いします。(文書回答)

 

(4)【駅舎のバリアフリー状況】

1日あたりの平均利用者数が3000人以上の鉄道駅における、エレベーター設置等に関する、神戸市内の昨年度からの進捗状況について、資料をもって回答してください。また、平均利用者数3000人未満の鉄道駅においても、移動等円滑化に関する進捗状況をご提示ください。(文書回答)

 

(5)【阪急神戸三宮駅改築工事関連】

阪急神戸三宮駅改築工事に伴う同駅のバリアフリー化に関し、神戸市として事業者にどのような助言をされてきましたか。また、阪急電鉄によれば「阪急神戸三宮駅東改札口から神戸市営地下鉄三宮駅東改札口までの乗り換え動線のエスカレーターは、これまで上りのみでしたが、下りのエスカレーターも整備するのに加えて、改札階と地上階、そして地下鉄改札階を結ぶバリアフリー対応のエレベーターを設置し、乗り換え利便性の向上を図ります」とのことですが、具体的な進捗状況をお教えいただくとともに、当事者参画のプロセスの有無についてご回答ください。(文書回答)

 

(6)【仮乗車証の即時発行について】

知的障害者が福祉乗車証を紛失した際に、仮乗車証が即時発行されますが、身体障害者と精神障害者の場合、なぜ即時発行ができないのでしょうか。(文書回答)

 

(7)【阪神バスの乗務員とワンステップバス】

阪神バスの乗務員の、障害者に対応するときの態度がよくありません。神戸市として鉄道事業者等に注意を喚起するとともに、当事者を講師にした研修の場を設けてください。また、阪神バスはワンステップバスが多く乗りづらいです。神戸市として、講じうる措置を私たちと共に考えてください。(文書回答)

4.労働について

(1)【障害者雇用率とダブルカウント】

市職員採用の任命権者ごとの2016年度の障害者雇用人数及び障害者雇用率について、またその数字のうちダブルカウントできる重度障害者が何人いるのか、回答してください。(事前の資料提供)

 

(2)  【障害のある学校教員】

とりわけ障害のある学校教員は児童生徒への障害理解や共に生き共に働くあり方をより明確に示すものであり、障害者差別解消の観点からも雇用促進が求められます。神戸市立学校の障害のある教員の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校それぞれの障害種別ごとの2016年度の雇用状況を回答してください。(事前の資料提供)

 

5.自立生活支援に関して

(1)【支給決定】

①【障害福祉サービス支給量審査基準の見直し】

障害福祉サービスの支給量審査基準の見直しについて、市の内部検討会が秋に実施されるときいています。検討状況を報告していただくとともに、障害当事者が参加する検討会または作業部会を開催し、開かれた見直し作業を行うことを強く要望します。

②【非定型審査会の開催状況】

平成28年度および平成29年度の4月から9月末までの、非定型審査会の開催状況について、回数および利用者が必要と要望する支給量が認められたケース、認められなかったケースの割合について回答してください。(文書回答)

 

(2)【重度訪問介護について】

①【重度訪問介護の支給量をめぐる問題】

重度訪問介護の深夜帯の支給のあり方について、重度の障害者の一人暮らしを想定した支給決定がなされていない問題があります。障害者の不定期な排尿をはじめとする深夜帯の介護ニーズに対し、どのように対応しようとしているのか、当事者および事業所にどのような説明をしていくのか。「単なる待機」には支給決定しないというだけでは、重度障害者の一人暮らしは成立していきません。求められるのは地域で生きていけるケースワークの元になる支給決定です。現在の認識を説明してください。

 

②【重度訪問介護の対象拡大】

2014年4月から「重度訪問介護の対象拡大」が実施されました。兵庫県内でも複数の市町で利用者が年々増加しています。しかし神戸市では昨年度回答でも0人です。

ア)話し合い時点で、神戸市内で知的障害者・精神障害者が重度訪問介護の利用に至った人が何人いるのか、回答してください。(文書回答)

イ)アの回答によりますが、神戸市で利用が拡大しないことをどう神戸市として考えられ、その理由と改善策について回答してください。(文書回答)

 

(3)【相談支援について】

神戸市障がい者保健福祉計画2020 PDCA評価①には、計画相談支援事業者数が増加せず、「セルフプラン解消に向けた取り組みが必要」とされています。しかし、本来の計画の意義は意思決定支援やご本人が本当に望む暮らしをきちんと聞き取り、短期には困難でも長期的にどうすれば実現できるのか、本人を中心とした支援、その根拠となる計画が重要な意義があります。セルフプランの意義も位置づけつつ、計画相談を増やしていく必要があります。計画に基づく支給とされながらも、ご本人や相談支援専門員の意向を抑制した支給決定も見受けられます。また、兵庫県障害福祉審議会では「セルフプランがゼロはおかしい。きちんとモニタリングした上で、自分で計画を立てることができる人はセルフプランで良い」との発言があり、またセルフプランガイドラインまで設け、きちんと位置付けている自治体もあります。本人のエンパワーメントの意味からもセルフプランには積極的な意義があると、私たちは考えます。セルフプランに対する私たちの意見に対する見解について回答してください。(文書回答)

 

(4)【移動支援について】

①【社会参加・余暇活動中の移動支援の役割について】

障害者が自分にあった支援をうけながら活躍できる社会実現のためには、社会参加を支える移動支援は必要不可欠なものです。家族以外の人に付き添われて外出する体験が、今後のその方の、支援を受けながら地域で暮らす大切な第1歩になっています。しかし今年に入ってから、移動支援を担う事業所に対する指導や監査の場で、カラオケ中、映画をみている間、プール中など、外出中寄り添い、見守っているヘルパーに対して、「現地での見守りは、制度で対応できないので中抜きするべきだ」との指導が行われています。このような場合にも障害特性等により見守り等の何らかの支援が必要な場合には、中抜きはあってはならないと私たちは考えます。また、先日、なんとか単独で電動車椅子でプールに通い、現地でヘルパーと待ち合わせをしてプールを利用しようとした障害者に対して、「一人でプールに行けるのなら、制度利用は認められない」との説明が窓口で行われた事例があります。いつどこで、そのような制度運用に変わったのですか。ただちに撤回するべきです。神戸市の見解を問います。

②通所や通学に移動支援を利用したいというニーズが高く、全国でも実施している自治体があります。神戸市としても柔軟に対応し積極的な検討を行ってください。

③必要不可欠な外出には上限がないとされていますが、標準時間を越えての利用者が2016年度に何人いるのか、回答してください。(文書回答)

 

(5)【入院時コミュニケーション支援事業について】

①神戸市の重度障害者の入院時コミュニケーション支援事業の実施状況(2016年度の利用人数/利用時間)について回答ください。(文書回答)

②勘案事項調査等でコミュニケーションができるとされた障害者でも、体調不良や環境の変化等によりコミュニケーションが困難になる場合があります。同制度利用を柔軟に運用してください。

③障害者総合支援法の改正により、入院中にも重度訪問介護の利用が2018年度から可能になる見込みです。新たな国制度では対象となるのは区分6のごく一部の障害者に限定され支援内容も医療従事者への伝達しか認められない恐れがあります。神戸市での入院時コミュニケーション支援事業では対象となった人が、利用できなくなる恐れもあります。神戸市としての方針を説明してください。

 

(6)【介護保険との適用関係】

介護保険と障害福祉サービスの併給等に関する対応について、グループホームを出て居宅での生活を希望する高齢の知的障害者に対して、介護保険利用しか認められず、時間数が全く足りない等、様々な不安な声があがっています。画一的な制度運用ではなく、65歳になったからと言って必要とするサービスが減じられることは概ね考えられないため、従来の生活が損なわないよう、利用者に寄り添った支給決定が行われようにしてください。以下質問します。

①2018年度から実施される「共生型サービス」について、話し合い時点での情報、並びに神戸市としての考え方について報告、説明してください。

②介護保険サービスと障害福祉サービスの「類似サービス」「特有のサービス」について、重度訪問介護の位置づけが曖昧になっています。改めて説明してください。

 

(7)【国への要望事項】

神戸市として、以下の課題について国に積極的に要望してください。(文書回答)

・重度訪問介護の入院時の利用について、対象者を区分4以上とするとともに、必要とする介護や支援内容が幅広く認められるようにすること。

・通勤や通学保障について、厚生労働省が労働・教育行政と連携して検討し、必要な対策を講じること。

・グループホームのヘルパーの個別利用を恒久化し自立生活援助ではヘルパーとの併給を妨げないこと。

・グループホームの報酬、特に重度者への報酬単価を増額する事。

・国庫負担基準を撤廃し、市町村が認めるすべての支給決定量の半額を国が負担する事。

 

(8)【生活保護について】

①【他人介護料について】

生活保護を取得して地域で一人暮らしを行う重度障害者が、新規に他人介護加算を申請しても認められない事例が神戸市ででてきています。「新規の申請は受け付けない」との文言が窓口で説明されています。厚生労働省は、障害福祉サービスを使い切った状況であれば、申請は可能との見解です。神戸市の見解を求めます。

 

⑧【住宅扶助の特別基準の運用について】

生活保護を利用して、車椅子を利用している障害者が地域で家を借りる時、住宅扶助の特別基準が適用されることになっていますが、特別基準を少しでもこえた物件と契約しようとすれば、ぜいたく物件と評価され、住宅扶助の特別基準が摘要されず、敷金も支給されないとの説明があったと相談がよせられました。車椅子利用者が地域生活を志す上で、住宅の確保は本当に困難なハードルです。いつからこのような運用に変わったのか。理解に苦しみます。神戸市の見解を求めます。

 

(9)【グループホームについて】

①【グループホーム数及び地域偏在、公営住宅での開設について】

神戸市におけるグループホームの数は、添付資料からも明らかなように、神戸市東部4区では箇所数、定員ともに、人口に対し圧倒的に不足しています。この状態をどのように認識しているのか、お答え頂きたい。あわせてどのように対応してきたのか、今後どのように対応するのか、区ごとの目標数値と進捗状況の数値をあげて説明して下さい。また、地域偏在の是正、目標数値達成のためには住宅局との具体的かつ計画的な連携が必要です。住宅担当部局の計画実現にむけた見通しと見解をお尋ねします。公営住宅を活用したホームの設置はどのような状況にあるのか、福祉担当部局、住宅担当部局双方から昨年度からの進捗状況と、今後の計画について回答を求めます。

②【スプリンクラー設置の義務化】

スプリンクラーの設置が2018年3月末までに義務付けされます。加盟団体には、小規模で夜間も手厚い人員を配置し、建物の構造としても設置が困難で賃貸物件のため家主の許可も困難な事例があります。神戸市として画一的な指導でなく、一つ一つのグループホームの実態を精査し、事業が継続できるような柔軟な運用ができるよう、関係各所に働きかけてください。

 

【6.入所施設のあり方~地域移行】

冒頭で述べましたように、相模原事件が提起した問題の1つに入所施設のあり方があります。津久井やまゆり園の再生に関しても議論が継続しています。各都道府県、各市町でも様々な模索や挫折も含めて取り組まれています。施設入所者数よりグループホーム入居者数が上回っている自治体が8道府県(2016年12月時点)ありますが、兵庫県全体もグループホーム施策が立ち遅れ、2016年度実績で施設入所者5448人に対しグループホーム入居者2711人と半分にも及ばず、そして神戸市も平成29年3月時点で施設入所者1361人に対しグループホーム入居者は618人と、県の割合からも下回っています。長野県の西駒郷では、かつて500人定員であったのが現在110人になっています。その優れた地域移行の実践や考え方は神戸市としてもよくご存知かと思います。長期的な視点に立ち、より一層の施策展開が必要だと私たちは考えます。改めて、地域移行がどうすれば推進されるのか、長期的な視点も含め、この項目では、率直な意見交換をお願いします。

 

①  改めて、「地域移行はなぜ必要であるのか」、担当部局としての思い、率直な意見を述べてください。

②  障害者支援施設での下記の項目について、神戸市内の障害者支援施設の実態を報告してください。把握されていない場合には、実態調査について検討して下さい。(事前の資料提供)

・家族に頼らずに移動支援が必要な入所者も自由に外出ができるか。

・個室等によりプライバシーが保障されているのか。

・自由な食事時間が保障され、好きな物をいつでも食べられるのか。

・就寝、起床時間は入所者個人の自由にできるのか。

・入所者が主体となる自治会の有無。

③  「真に入所が必要な障害者」と神戸市の計画でも位置づけられていますが、障害者基本法や障害者差別解消法、そして意思決定支援との関係において、神戸市として、どう考えられるのか回答ください。

④ 地域移行を推進していくためには、地域生活を体験したり、外出を通じた様々な体験が、特に長期に入院、入所されている方には必要です。神戸市として施設入所者の移動支援を実施してください。(文書回答)

⑤ 地域で障害者が独立して生活してくためには、安定してくらしていける住宅・物件が必要です。現在、なかなか住宅がみつからない実情に対して、どうはたらきかけていくのか、神戸市の見解を求めます。(文書回答)

 

【 7.生活介護、就労系等日中活動について 】

近年、神戸市においてゼロから生活介護事業所を立ち上げる事業所はありません。このままでは生活介護事業所は大規模な社会福祉法人でしか実施されません。障害者自立支援法の施行前に神戸市として「小規模作業所の在り方検討会」が立ち上げられ、神戸市としても小規模作業所の存在意義を高く評価していました。NPO法人等の小規模な法人であっても生活介護事業が実施運営できるような対応策について積極的に検討して下さい。(資料参照)

 

【8.その他】

(1)本年3月に神戸市で発生した障害者施設を襲撃するとの脅迫事件に対して、障問連として5月19日に、今後の取り組みに関して神戸市に申し入れをしました。その後、どのように検討されたのか回答してください。(文書回答)

 

(2)神戸市障害者施策推進協議会には障問連からも障害当事者が委員として参画しています。しかし障害者団体の障害のない代表者は参画しているものの、障害のある当事者委員が少数しかいません。障害当事者委員が半数を占めるぐらいの在り方に改善するよう、条例改正も含めた検討を行ってください。(文書回答)

 

以上

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