【報道】 新聞記事より
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201706/CK2017062802000264.html
鹿児島県奄美大島の奄美空港で五日、格安航空会社(LCC)のバニラ・エアを利用した車いすの障害者の男性が階段式タラップを一段ずつ、腕を使ってはって上っていたことが二十八日、分かった。奄美空港に車いすで昇降できる設備がなく、社員らから「歩けない人は乗れない」「自力で上り下りできるならいい」などと迫られたためで、同社は男性に謝罪した。
同社などによると、男性は大阪府豊中市のバリアフリー研究所代表木島英登(ひでとう)さん(44)。半身不随で、旅行で奄美大島に向かうため関西空港からの往復便に乗っていた。
木島さんは三日、関空の搭乗カウンターで、バニラ・エア社員から奄美空港の状況や「歩けないと乗れない」との説明を受け、一緒に行く友人に手伝ってもらうとして搭乗。到着時に、友人が車いすごと持ち上げてタラップを下りた。
さらに、五日に搭乗する際、同様に車いすを持ち上げようとすると、同社が業務委託している空港職員が制止。「(往路で)担いで下りたのは会社の規定に違反している」と指摘し、「同行者が手伝い、自力で昇降できるならいい」と話したという。
車いすを降り、十七段のタラップをはって上ろうとしたところ、職員は再び制止したが、木島さんは最終的に搭乗した。
バニラ・エアの松原玲人(あきひと)人事・総務部長は「ご不快を与え、深くおわびする。安全で快適な旅行をしていただけるよう改善する」とした。木島さんは「歩けないことを理由に乗れないのは差別。車いすでも利用できるようにしてほしい」と話している。
対応を疑問視した木島さんが国土交通省などに事情を説明。その後、バニラ・エアが謝罪した。同社は奄美空港で十四日からアシストストレッチャー(座椅子型担架)を使用し、二十九日から電動式の階段昇降機を導入する。同社が運航する国内線と国際線で、設備がないのは奄美空港だけだった。
■知的障害者にわいせつ疑い 元施設職員の男逮捕、福岡
産経ニュース 2017.6.28 17:38
http://www.sankei.com/west/news/170628/wst1706280061-n1.html
福岡県警春日署は28日、勤務先で知的障害のある女性の体を触ったとして、強制わいせつ容疑で福岡市南区曰佐、元障害者施設臨時職員の一ノ宮健士容疑者(68)を逮捕した。容疑を一部否認しているという。
逮捕容疑は14日夜、勤務先だった福岡県春日市の障害者施設内で、通所していた福岡市在住の30代女性の胸を触るなどした疑い。
春日署によると、一ノ宮容疑者は昨年4月から勤務し、夜間の巡回や清掃などを担当。14日夜、施設には被害女性を含めて利用者が3人いたが、職員は他にいなかった。
女性からの申し立てを受けた施設側は同日中に署へ通報。その後、一ノ宮容疑者を解雇した。
■神戸の医師を懲戒処分 日産婦、着床前スクリーニングで
朝日新聞デジタル 2017年6月24日19時49分
http://www.asahi.com/articles/ASK6R6VJBK6RULBJ012.html
日本産科婦人科学会(日産婦)は24日、理事会を開き、体外受精させた受精卵の全ての染色体を調べ、異常がないものを子宮に戻す「着床前スクリーニング(PGS)」を学会指針に反して実施したとして、神戸市の大谷レディスクリニック院長の大谷徹郎医師を、会員資格停止(3年間)の懲戒処分にした。
日産婦の指針は、受精卵検査は重い遺伝性の病気などに限定しており、PGSについては「命の選別につながる」との懸念から認めていない。
だが、同クリニックは2011年以降、PGSを実施しているという。日産婦は昨年3月、大谷医師を譴責(けんせき)処分にした。その後、大谷医師側から始末書が提出されなかったため、更に重い資格停止処分にした。
日産婦は今年2月、PGSが流産率を下げる効果があるか検証するため、一部の施設で100組の夫婦を対象に臨床研究として実施すると発表。大谷レディスクリニックは含まれていなかった。
日産婦の苛原(いらはら)稔・倫理委員長は「(PGSが)出産率に寄与するか否か、まだ結論が出ておらず、学会の見解を守って欲しいと伝えてきたが守られなかった」と述べた。一方、大谷医師は処分に対し、「妊娠しやすくて流産しにくい治療を受けることは患者様の基本的人権です。日産婦の処分とは関係なく、治療を続ける」とする声明を出した。
また、母親の血液で胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断を、指針に反して実施していた奥野病院(大阪市)について、日産婦は昨年12月に譴責処分にし、さらに重い処分も検討していたが、奥野幸彦院長から学会の退会届が提出されたとして受理された。
■神姫バスが視覚障害者対応講習 運転士ら介助体験
神戸新聞NEXT 2017/6/24 05:30
視覚障害があるバス利用者への対応向上を図ろうと、神姫バス明石営業所(神戸市西区、谷崎謙治所長)で23日、運転士を対象とした講習会があった。アイマスクや視野が狭く見える眼鏡を着けて車内を歩くなど視覚障害者の身になって、介助の仕方を学んだ。
いずれも昨年施行された障害者差別解消法や兵庫県明石市の障害者配慮条例を受け、正しい知識を身に付けることで乗客目線の接客を図ろうと実施。同社は同市内の路線が多く、明石駅などから国立神戸視力障害センター(同区)への利用者も多い。今年は「視覚障害」をテーマに6~8月、西神営業所(同区)を含め、講習会を開いている。
この日は、同センターの職員が視覚障害の種類や見え方などを説明。介助の際は、「40センチ前に段差」「手すりは右側の腰元」と具体的に伝えることや、慌てずゆっくり移動することの重要性を示した。運転士はアイマスクを着けた視覚障害者役と介助役でペアとなって乗降を体験し、同センター職員に対応法を質問した。
谷崎所長は「視覚障害者の不安を軽減し、気持ちよく乗車してもらえるよう、学んだことを実践したい」と話していた。(藤井伸哉)
■「自閉症児は授業の妨げ、特殊学級に集めるべき」
日豪プレス 2017年6月22日
http://nichigopress.jp/ausnews/politics/145006/
ハンソン議員に同僚議員や福祉関係者から批判
風変わりな発言でしばしば世間の話題になるポーリン・ハンソン連邦上院議員が議会で、「自閉症児は授業の妨げになる。特殊学校に集めるべきだ」と発言、同僚議員や障害者支援団体から批判が出ている。
ABC放送(電子版)が伝えた。
連邦議会のポーリン・ハンソン・ワン・ネーション党上院議員は、学校予算法案「ゴンスキ 2.0」審議中に、「自閉症児、障害児は授業の妨げになる。一般学級から外して特殊学級に集めるべきだ」と発言した。
ハンソン議員の発言には、自閉症の子供を持つ議員や自閉症児、障害児の家族団体や支援団体からも批判が続出している。ハンソン議員は、「ワクチンは自閉症の原因」と発言して批判され、取り消しと謝罪を行ったばかり。
ハンソン議員は、「障害児は教師、学校のお荷物になり、教師が障害児に時間を取られるため、他の子供の授業が進まない。そういう子供にも教育を受ける権利はある。だから、特殊学級に入れて特別な世話をすべきだ」と発言した。
クリスチャン・ポーター社会福祉相は、「ハンソン発言は古臭いし、問題の解決にならない」と批判している。
また、10歳の自閉症児を持つエマ・フサー労働党下院議員は、「ハンソン議員の発言は、人々を分断し、みんなと違う人は隔離すべしという考えだ」と語った。
また、ACTの障害者団体People With Disabilitiesのクレーグ・ウォレス・キャンペーン部長は、「ハンソン議員の考えは事実と合わない。障害児は、健常児と共に学ぶ方が、隔離されて教育を受けるより成績がいいという証拠が揃っている。障害児を健常児と分離することで利益を得る者はいない」と語っている。また、オーストラリア自閉症団体のニコル・ロジャーソンCEOも、「ハンソン議員の発言は50年以前の考えで、おぞましく、偏狭で、人を傷つける考えだ。オーストラリアには16万人の自閉症者がいて、その家族は、彼女が味方だと言っている生活に苦闘する人達だ。彼らはハンソン議員に投票することはないだろう」と語っている。
■文科省の17年度事業 3割で障害者への配慮不足
日本経済新聞 2017/6/20 12:32
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20H1L_20062017CR0000/
文部科学省は20日までに、2017年度に実施する全426事業のうち、3割超の145事業で障害者への配慮や支援の取り組みが足りないとの初の調査結果をまとめた。今後、18年度予算の編成作業に着手している各部署に対し、積極的な取り組みがみられた事業を参考にして障害者への配慮をするよう促す。
145事業の中には「イベントの際にバリアフリーの施設を選ばなかった」「ガイドラインの作成時に障害者支援の視点が含まれていない」などの事例があった。大規模研究開発機器の整備事業など、障害者支援の視点を盛り込みにくい事業も含まれている。
7割にあたる281事業は配慮や支援の取り組みを実施しているか、実施の予定があるという。具体的にはイベント時に車椅子で参加できる施設を選んだり、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)で障害の種類や程度に応じて点字・拡大文字の問題用紙を用意したりしたという。
取り組みがみられた事業についても「さらに工夫の余地がある」(障害者学習支援推進室)と改善を促す方針だ。
■障害者の投票手助けへ 神戸市選管が指差しシート
神戸新聞NEXT 2017/6/17 12:56
https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201706/0010290890.shtml
昨年4月の障害者差別解消法施行後初となる兵庫県知事選で、耳の不自由な人らが投票の方法などについて質問する際に使うA4判シートを、神戸市選挙管理委員会が県内で初めて市内の全投票所に導入する。手の不自由な人らが候補者名を書きやすいよう、記載台に滑り止めシートを取り入れる選管も増加。ただ、障害のある人にとって投票の際の壁は数多く、支援者は一層の対応拡大を訴える。(山路 進)
同法は、障害者から配慮を求められた際、過重な負担とならない範囲で合理的に対応することを行政に義務付ける。国は段差にスロープを設けたり、筆談や点字での意思疎通に配慮したりといった例を示す。
神戸市選管は知事選で期日前27カ所、当日355カ所の各投票所にA4判シート「コミュニケーションボード」を用意。有権者に届く投票整理券を忘れた▽けがなどで鉛筆を持てない▽投票用紙を書き間違えた-など、過去の選挙で問い合わせが多かった九つの場面を取り上げ、イラストとふりがな付きの文章で解説している。
筆談にも対応してきたが、やりとりに時間がかかる場合も。担当者は「指さしでも応対でき、これを使って認知症や知的障害のある人もスムーズに投票できるようにしたい」と話す。
一方、アルミ製のため滑りやすい投票所の記載台に対しては、特殊な樹脂製の滑り止めシートを使う選管が増えている。昨年7月の参院選で神戸、伊丹、三木、丹波市が初めて採用。知事選からは姫路、宝塚、三田、洲本市も使う。
障害者の自立支援に取り組む社会福祉法人「えんぴつの家」(神戸市中央区)の松村敏明理事長(77)は、こうした対応を歓迎した上で「投票時の障壁はさまざま」と強調。2013年の公選法改正で、文字の書けない有権者の代筆や立ち会いが選管の職員らに限られたことに触れ、「意思表示ができる有権者なら、家族や介助者の代筆なども認めるべきだ」と指摘した。
■JR明石駅 ホーム柵19年度中に設置
神戸新聞NEXT 2017/6/15 22:30
https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201706/0010286655.shtml
JR西日本が明石駅に整備を予定しているホームの安全策について、兵庫県明石市は15日、昇降式のホーム柵が2019年度中にも設置されると、発表した。障害者団体による署名活動や、同市の事業費一部負担の迅速な予算化などで優先的に整備されることになる。乗降者数の多い神戸駅や姫路駅よりも先に設置されるという。
市によると、ホーム柵を整備するのは新快速、特急が停車し、貨物が通過する3、4番線。車両のタイプによってドアの位置や車両数が異なるため、六甲道駅(神戸市灘区)と同様の昇降式になる。ホーム柵の長さは現在、神戸線で運行されている最も長い連結の新快速に合わせ、12両分を予定。17年度中に設計し、18、19年度に工事、19年度末にも利用を始めたいという。
設計費は約3500万円、工事費は約11億円と想定。国とJR西が3分の1ずつを負担し、残りを県と市が6分の1ずつ負担する。
同市内の視覚障害者団体などは昨年11、12月に署名活動を行い、1万1308人分をJR西に提出するなど、設置への要望を働きかけていた。
普通、快速電車が停車する1、2番線の整備時期は未定。同市は西明石駅などの整備とともに引き続き、設置要望を続ける。(吉本晃司)
7月 5, 2017