【報告/行政への要望】 5/19相模原事件にかかわり神戸市に要望書を提出
「障害者施設を襲撃する」との陰湿な脅迫メールが神戸市ホームページに、3月中旬に届けられた事に関し、障問連として検討し、以下の要望書を5月19日に提出し、石橋事務局長と野橋事務局次長が障害福祉課長と話し合いましたので、要望書と共に報告します。
〈5/19話し合い内容〉
・神戸市民に対して、今回のような襲撃予告事件や障害者の存在や命を軽んじるような風潮が起きないように、行政の姿勢を明確に示してくださいと、障問連として要望しました。
・神戸市は、「3月20日の対応に関しては、神戸市としても精一杯頑張った。あれ以上のことはできなかったと思う。逆にどうすればもっと良かったか、案があれば教えて欲しい」と言われました。
・また、「神奈川や大阪が相模原事件に関して表明文を出しているのはわかったが、出し方を間違えると逆に模倣犯を増やすことにもなりかねないので、丁寧に考えたい」。また、「神戸市としてどういう風な表明のやり方や時期をどうするかを考えて連絡する」という回答を得て終わりました。
(報告:野橋順子)
神戸市長 久元喜造 様 2017年5月19日
障害者問題を考える兵庫県連絡会議
代表 福永年久
要望書
神戸市において、障害者の権利実現を基本とし、自立支援ならびに社会参加の促進など障害者福祉向上のため日々尽力しておられることに感謝申し上げます。
さて、3月中旬、神戸市ホームページの問い合わせフォームに、「3月20日に市内の障害者施設に危害を加えると予告する趣旨の書き込みがあったことが、3月18日に分かった」と新聞報道されていました。また、3月16日付で神戸市保健福祉局長から関係障害者支援事業所施設長に対して防犯強化等の通知が行われ、「障害者問題を考える兵庫県連絡会議」(以下略・障問連)の加盟団体から障問連事務局あてに問い合わせが複数ありました。20日以降、障問連として関係事業所に聞いた所、以下のように対応したと報告されました。
・A事業所・・・20日を通所日としていたが急きょ中止にした。
・B事業所・・・宿泊勤務を管理職に交代した。
・C事業所・・・個別通所を中止し車両による送迎通所に変更した。
・D事業所・・・グループホームの2階での就寝を止め、1階で全員寝た。
・E事業所・・・精神疾患を抱える職員には不安を与えるため、どのように伝えれば良いか悩んだ。
どこの事業所も、決して余裕のある運営が困難な日常的な体制の上に、緊急的な特別の対応、しかも、どこで、どのように起きるかも分からない「予告」に対応せざるを得ないこと、特に昨年7月26日に神奈川県で発生した津久井やまゆり園での障害者殺傷事件(以下略・相模原事件)が、どの事業者、職員にも頭に浮かび、より一層の不安や精神的な苦痛を強いられたのではないでしょうか。
結果的には予告された同日には何も事件は起きず、本当に安堵しました。しかし、新聞報道によれば、私鉄駅への爆破予告などが複数発生しているとのことですが、事件としてはいずれも発生せず、いわゆる「愉快犯」と推測されますが、本当に許されない事です。また、「愉快犯」であれば、世間を騒がせたいと、目立つ場所での犯行が通常ですが、今回は障害者施設を対象とし、あくまで推測の域を越えませんが、相模原事件を真似たものではないかと考えられます。神戸市としても、今回の予告事件に対して、取りえる措置は実施された事に感謝申し上げますが、今後、相模原事件の裁判が進行していく中で、再び、このような「愉快犯」が現れたり、障害者の存在や命を軽んじたり脅かす動向を、私たちは危惧します。以上のような状況を踏まえ、以下、障問連として要望、申し入れさせていただきます。
1、 別紙、添付資料にありますよう、昨年10月26日には大阪市・大阪府障害福祉行政として、相模原事件に関して、府民・市民向けに「共生社会の推進」のメッセージが発せられています。神戸市長として、または神戸市保健福祉局障害福祉部として、例えば、相模原事件から1年後の2017年7月26日に、同事件の元凶となった優生思想を許さず、障害のある人とない人との共生社会に向けた力強いメッセージを神戸市民に出し、今回のような襲撃予告事件や障害者の存在や命を軽んじるような風潮が起きないように、行政の姿勢を明確に示して下さい。
以上
【添付資料】
■神奈川県相模原市の障がい者支援施設における事件を受けて
平成28年10月26日
大阪府 福祉部 障がい福祉室長 西口 禎二
相模原市の「津久井やまゆり園」で、多くの何の罪もない障がいのある人が大切な命を奪われ、傷つけられる、決して許しがたい事件が起きて、今日で3ヶ月が経ちました。
改めて、お亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、ご家族には心からお悔やみ申し上げます。また、傷つかれた方々の一日も早いご回復を願っています。
今回の事件を知った多くの人が深く心を痛め、悲しみや不安、怒りを感じられたことと思います。
障がいのあるなしに関わらず、全ての人の命の大切さ、お互いを気遣うことの大切さを、改めて思い起こされたのではないでしょうか。
これまで大阪では、障がい者支援施設等において、地域に開かれた施設をめざして、地域社会との交流などの取り組みを進めてきました。障がいのある人への配慮や、人々がお互いに相手を気遣い、支え合うことのできるまちは、全ての人にとって暮らしやすいまちと言え、共に生きる社会の実現につながると考えるからです。
今回の事件で、これまでの取り組みが後退するようなことがあってはなりません。障がいのある人や施設を地域から孤立させてはなりません。そのためには、障がいや障がいのある人に対する正しい理解と認識を持っていただくことが不可欠です。
障がいのある皆さん、虐待や差別を受けるなど、嫌な思いをしたり、困ったときには、一人で悩まず、ご家族や友人、支援者に相談してください。市町村や大阪府にも相談窓口がありますので、どんな小さなことでも構いません。連絡してください。相談してください。きっとお力になれると思います。
障がいのあるなしに関わらず、全ての人にとって暮らしやすい、共生社会の実現に向けて、大阪府はこれからも全力投球します。
皆さんお一人お一人のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
■大阪市市民の方へ 神奈川県相模原市の障がい者支援施設における事件を受けて
平成28年10月26日
大阪市福祉局障がい者施策部長 中島 進
相模原市の「津久井やまゆり園」において、多くの障がいのある人の尊い命が奪われ、また、傷つけられる、痛ましい事件が起き、今日で3カ月が経ちました。
改めて、亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、ご家族には心からお悔やみ申し上げます。また、傷つかれた方々の1日も早い回復をお祈りします。
今回の事件は、何の罪もない障がいのある人を襲い、死傷させるという、極めて残忍で、到底、許しがたい行為であり、多くの人が、深い悲しみや怒り、そして不安を感じられたことと思います。
二度とこのような痛ましい事件が起こらないように、私たち一人ひとりが、すべての人たちの命の大切さ、尊さについて、改めて考えなければなりません。
お互いを思いやり、支え合うことのできる社会は、障がいのある人が暮らしやすい社会であり、また全ての人が暮らしやすいまちと言えます。
これまで、障がいのある人が利用している施設等では、地域の人たちとの交流や活動を通じて、地域とともに歩む取り組みを進めてきましたが、今回の事件で、障がいのある人や施設が地域で孤立することがあってはいけません。そのためにも、障がいや障がいのある人への正しい理解を持っていただくことが大切です。
障がいのある皆さんは、虐待や差別を受けて嫌な思いをしたり、困ったことがあったときは、一人で悩まず、ご家族や友達、支援を受けている人に相談してください。大阪市内にも相談窓口がありますので、ぜひ、相談してください。きっと皆さんの力になれると思います。
大阪市では障がいのあるなしに関わらず、すべての人が共に安心して暮らしていける社会の実現をめざして取り組んでいます。皆さんのご理解とご協力をお願いします。
6月 1, 2017